ガンダム コード・フェアリー 1巻 感想 少女たちとヒルドルブ[ネタバレ]

2022年8月5日

U.C.0079 10月 初代ガンダム同時期の物語

機動戦士ガンダム バトルオペレーション コード・フェアリー 1巻 感想

公式あらすじより引用

宇宙世紀0079 ―― 少女たちの“一年戦争”が始まる。

北米大陸某所、ジオン公国軍キシリア直属の秘匿部隊「ノイジー・フェアリー隊」が発足。 女性隊員だけで地球連邦軍との一年戦争を突き進む。 戦争の理不尽さと、仲間との絆をその身に受け止めながら……。

漫画:高木秀栄
原作:矢立肇・富野由悠季
協力:バンダイナムコエンターテインメント

BOOK☆WALKERはこちら(非アフィリ)

対・戦闘機エースで知られる陸戦高機動型ザクが主役機!!

かのランバ・ラルさえ政治的に補給で苦労

女だからと馬鹿にされる場面もあり、“女性パイロット”として苦労した隊長
同じ境遇の若手女性たちを守るべく
結成した物語なのか

ライバル連邦兵も女性の体力的ハンデで苦労

また主人公アルマはNT研出身
思考の偏りはそのせいか、単なる若さか

コロニー落としのジオン所属ながら「連邦兵に憎まれてる」と全く思ってない様子

連邦は悪だと凝り固まってるのか?

登場機は従来作MSのアレンジ

・陸戦高機動型ザクAS
 …主役機。初出はMSV-R
・ザク・ハーフキャノンMB
 …MSV-R初出。ザクキャノンの武装のみ陸戦型ザクに装備した機体

ザクⅡ[狙撃型]HH
 …MSV初出を元にしたオリジナル機。ザク強行偵察型を陸戦「狙撃型」に仕様変更

・ドム熱帯仕様
 …ドム・トロピカルテストタイプの新規製造機、なので“試験型”ではなくなりました。ゲームではテストタイプと呼称

・イフリート
 …初代、改、ナハイト、シュナイドに続く8機製造中の5機目

第1話「戦場の妖精たち」

エース、キリー・ギャレット少佐が「女性だけのMS特務隊」を新設

10月、訓練を経て初の実戦投入

能天気な主人公アルマはリードパイロットを命じられたも、狙撃手ヘレナに避けられています
MSオタク、天才技師のミアを加えた三人
三機編成のMS部隊

なぜ女性、若手だけなのかは言及して欲しかったところ

巻き込まれたならともかく
本作、正式な軍隊なのに緩いですね

元エースで戦争に疑問を抱く隊長は、ジオニックフロント「闇夜のフェンリル隊」を彷彿

初回では、軽口を通り越してノリが軽く
部活モノっぽい印象

味方を守り“敵を倒す"為に果敢に突っ込む、ヒロイックな作風

これはアルマの生い立ちも関係あるのか

初任務は襲撃を受けたギャロップの警護

敵は連邦の戦闘爆撃機フライマンタ

機動力と火力に優れた双発機!!

フェアリー隊は、彼らからギャロップ陸戦艇を守って奮戦
アルマは08のノリスのように三次元戦闘に優れ
戦闘機相手に近接戦!?

グフカス同様、推力に優れた06Gの威力か

MS-06G 陸戦高機動型ザク

MSV-Rで設定された陸戦型ザクの最終型
生産数は僅か58機

アフリカ戦線「ホガールの鷹」ことギュンター・バル中尉で知られるMS

戦闘機殺しとして名高いMSの猛威だ!!

グフ同時期に開発され外見が類似

しかし「未知な砲撃」に索敵ミアが混乱

際しアルマは「リードパイロット」に必要なものを自覚

指揮官曰く、仲間を生き残る道へ導く

アルマはミアの能力を信じている、思った事を全部言うよう助言
直後、ミアの索敵を信じて戦うと実戦で示し
彼女の能力を引き出しました

身体を張って証明するのは大事ね!!

その無鉄砲さを放っておけず、アルマを敬遠していた狙撃手ヘレナも協力

結果、隊を「リード」したアルマにより
初陣を勝利で飾ります

要はリーダー、敢えて普通と違う言い方により咀嚼して考えられたのか

なんだろう?って思いますものね

連邦軍による"未知な攻撃"の正体

正体はもちろんモビルスーツ部隊

10月時点ではまだ試験運用段階

2か月後、11月末ジャブロー戦で初めて多くのジオン兵が目の当たり
フェアリー隊は「対MS戦」に限って言えば
他より経験豊富となるのか

連邦部隊は陸戦型ジムが軸

高価な陸戦型ジム量産型ガンタンク各一機、テスト機の域を出ないザニー2機

砲撃戦装備のザニーがわざわざ前衛に突出

部隊編成も練度も悪かった様子

砲撃機ばかりなのに突出するとは

キリー・ギャレット指揮官の目指す形

指揮官はアルマ達なら、戦争の極限状態でもかけがえないものを掴み羽ばたくと期待

戦争勝利というより人材育成的な部隊なのか

作戦後も風呂に入れ、ねぎらうよう指示する等
冒頭といいかなり余裕がある様子

同じキシリア直下の隊でも、マッチモニード隊やフェンリル隊とはえらい違いですね

まだ戦局に余裕があるスタートでした

が、ここからがジオンの泥沼!!

第2話「戦場のトリックオアトリート(前編)」

U.C.0079年10月4日ザビ家末子ガルマ戦死

同6日ガルマ・ザビ国葬

ギャレット少佐は「ジオン独立戦争でなく侵略」になっていると忌み
武官向きでないガルマに期待していたも
希望は潰えたと悲観

ジョニ帰のArk先生に近い「ガルマの死で未来も失われた」派か

指揮官は、ガルマとツーショットも撮っており
近い立場だったのかもしれません

残ったザビ家は老いた公王を除き、いずれも好戦的な人物ばかり

ガルマだからこそ期待されたのか

ジオン上層部の理不尽な指示

上層部はガルマ仇討ちという体裁を求めた

既に仇のWB隊が発ったシアトル戦を指示

必要だからでなく、作戦を行う為の作戦ゆえか
敵の規模が把握できていないまま
危険な作戦となりました

ドズル派閥も「仇討ち」にラル隊を出した時期

キシリア派閥も体裁が必要だったか

フェアリー隊は紫ババアキシリア様直属ですが、彼女らしからぬ感情的な指示

正確にはキシリア司令部の直属?
妙に無駄な作戦でした

キシリア本人でなく、その幕僚の指示だったんでしょうか

ギャレット少佐は敢えて「現場」に作戦立案を委任

敵は通常型ジムによる六機編成

10月半ばにしては異様に豪華だ!!

対しフェアリー隊は、アルマに作戦立案を任せた事により
軍隊のセオリーから外れた策が立案
連邦MSを翻弄へ

ハロウィンにかけた「お遊び」的

しゃれた作戦名ですわ

OVAポケ戦で、短期育成兵バーニィがバルーン作戦を展開したようなもの

作戦は、視界に頼る宇宙世紀らしいものと
そこに慣れた油断を突く二段構え

今時の作戦は隙を生じぬ二段構えなのね!!

圧勝したフェアリー隊であったものの

なおこの戦いは描写的には「不殺」で、狙ったのは頭部ばかり

胴体を狙った初戦より余裕が出来たのか

ですが直後、ジオンを憎む女連邦兵リリス乱入
まさに「遊び」のような策をねじ伏せ
敢然と立ちはだかる事に

パイロット負荷がデカい高機動戦!!

曰くジオンは悪魔、地上から消え去れ!!

やや芝居がかった性格描写

強化人間ばりに追いつめられた精神状態か

連邦北米軍でお馴染みツイン・ビーム・スピアを装備した陸戦型ジム!!

EXAM機みたいな突進力!!

第3話「戦場のトリックオアトリート(後編)」

狙撃手ヘレナ、リリスを"本物の殺意"と表現

悪童だった頃マフィアに手を出し、殺されかけた時と同じだと
職業軍人の、戦果を得る手段としてではない
純粋に"殺す"為の攻撃か

対し、アルマは「自分が死ぬ」という自覚が薄いらしい

明るさ、行動力は認識が甘い為か

アルマ『よくもミアを…、許さない!』

アルマ自身、散々連邦機を殺傷および行動不能にしていますが
仲間、ミア機が行動不能に陥った際
激昂して吶喊へ

怒るのは当然にしても、“やられたらやりかえされる”覚悟が乏しい

生い立ちのせいなんですかね

連邦兵リリス『お前達が何をしたか 忘れたとは言わせんぞジオン!!』

この言葉にもアルマは「そのまま返す」と反撃

果たして過去、連邦に何をされたのか

コロニー落としに戦争、“他人の街を戦場にしている”真っ最中
連邦兵に恨まれて当然の立場にいるのに
自覚が妙に薄いですね

幼少期、貧困に喘いだからなのか?

この戦争が、独立ではなく「ザビ家による侵略」だと悩むギャレット少佐と対照的ですね

リリスの陸戦型ジムに圧倒されるアルマ

互いにザク左腕の三連ランチャーの存在を忘れていたのか
アルマの一撃で戦況は一変

無防備なジムのコクピット近辺に直撃弾

さすが陸戦型ジムは頑丈!!

連邦側も隊長が追いついた

連邦視点では既に“輸送資材を破壊され”、作戦失敗に終わっている状況
隊長が退いてくれて決着となりました

これぞ“職業軍人”か

アルマの生い立ち、仲間への想い

アルマは幼少期に貧困、成長後はフラナガン機関(NT研)送りと示唆

だから今、幸福な生活と仲間が大切なのだと

見た目、普通に明るい女の子ですが
生い立ちは重かった

ハロウィンパーティーに憧れてたのか

隊長から“妖精の羽根”の髪飾りも貰った!!

卓抜した能力、精神的な偏りがあるのは
初期型強化人間なのか?
単に若さ?

集合写真も撮り、いかにも「宝物」となるものを得た回

境遇を連邦のせいだと恨んでるのでしょうか

アルマは戦闘中にリリスと感応

曰くマシンを伝い、敵から得体のしれない何かが流れ込んだ

描写上、ニュータイプ特有の嫌悪感らしいも
知識がないらしく違和感どまり

またジオンNT研「フラナガン機関」は、不要な検体は処分してたはずがなぜ前線に?

ギャレット少佐に救われたのか?

第4話「ハハリ中尉のドクトリン(前編)」

ギャレット少佐は北米総本部キャリフォルニアベースに出張

委員長ことハハリ・バルバラ中尉が代理へ

ギャレット少佐は「ハーピー」と謳われたエースであり
現場も、戦列復帰へ機体を保存しているも
望んで隊長職との事

ですがキシリアの突撃軍は、キマイラ隊があるのでエースが一人でも惜しいはず

引退を強いられた事情でもあるのか?

何故ならランバ・ラル大尉でさえ「政治」に負けたら補給を得られないから

若手を守るため敢えて指揮官となったのか
それで女性だけの部隊?

特に「女性だけの部隊」を作った理由は明言されてません

山場で語られるんですかね

少佐留守中、オデッサ前哨戦が開戦

曰くジオン北米軍は、既にオデッサ敗戦を予期

連邦に消耗を強いるのが目的だ

真面目な代理、バルバラ中尉は不満でしたが
出撃後に疑問は吹き飛んだ様子

何故なら連邦の「数」は圧倒的だった!!

陽動ですら難しい戦況だ!?

女性部隊友軍にも評判が悪かったが

バルバラの的確な指揮、アルマ達の活躍で善戦

さすが「委員長」解ってらっしゃる!!

にしても本作「UGS」、連邦08小隊などが標準装備する“アンダーグラウンドソナー”が異常に高性能

敵の砲撃予測までこなせるの!?

技術屋ミア、MS戦とUGSを並行活用

砲撃時の振動で着弾地点を予測してるのか

MS IGLOO2で猛威を振るった砲撃を次々回避

ジオン他部隊が、砲撃を気にして前進できぬ中
アルマ吶喊とヘレナ狙撃で大戦果

ただ連邦の大戦力も「攻勢に対応しただけ」で、別に本気ではないのだと

数の怖さを強めに描いていくんですね

第5話「ハハリ中尉のドクトリン(後編)」

連邦軍はビームライフル装備ジム小隊を投入

ミアが被弾、ザクハーフキャノンは戦闘不能

ですがアルマの行動力、バルバラ・ハハリ中尉の指揮が功を奏し
無事、全機で生還となりました
タイトル通りの活躍!!

実戦三度目で超エースですわ

敵中核はサーベル二本装備のジム指揮官型

ビームライフルはチャージが必要だったのか
アルマは兆候から全弾回避

ビームを全弾避けたよこの子!!

連邦視点の「コロ落ち」で描かれた弱点か

ギャレット少佐が北米基地で物資を調達

大軍相手に消耗し、新鋭機が配備

キャリフォルニアベースで調達した「イフリート」「ドム熱帯仕様」!!

いずれも現時点最高位の陸戦機!!
さすがはキシリア直属

整備に時間を要し、イフリート参戦は次巻に

8機建造されたイフリート5機目
後に、本作オリジナル仕様となる素体か

第6話「戦士の魂はアリゾナに眠る(前編)」

11月7日から9日、オデッサ作戦が進行中

オデッサ陥落は地球放棄と同義

ジオンが地球に軍を置くメリットは資源回収
資源拠点である同基地を失ってしまえば
上層部は地球軍を見捨てる

一年戦争のターニングポイントですね

連邦が同基地に狙いを絞り、戦力を集中させたのは慧眼

同作戦は、MS以外の既存戦力が中心
連邦も大損害でした

戦車隊の大損害もMSへ置き換えが進んだ一因とか

フェアリー隊も困窮、思いついたのが

第1話やパーティー等、やたら生活に余裕を感じさせたフェアリー隊

今回はシャワーの水にも困る状況に

地球はインフラが戦争で破壊されてますし
当然っちゃ当然ですね

コロ落ちでは生活困窮が重点描写されました

そんな中だから、放棄された“ヒルドルブ砲”を回収に!って訳か!!

使い道ないので両軍に手付かずだったのね

本来、艦砲である30サンチ砲が欲しい

パイロット兼技師のミアは、MSと車両による移動砲台を提案

まるでスキウレ砲のような発想!!

ほぼ戦車だったヒルドルブは前時代的でしたが
制御用MS、巨大な大砲に分けて再構成
以降も定番化する構成ですね

ポイントは「敵が怯ませる」絶対的火力

ハッタリで切り抜けるのが狙いか

連邦軍リリス少尉が“狂った”訳

彼女はやはりコロニー落としで故郷を失った

過酷な訓練がジオンへの憎悪を深めた

昔はきっちり結んでた髪は、やがてまとめる事なく幽鬼のように
強化系でなく、女だてらに過酷な訓練を経て
精神的に疲弊したのか

髪がほどける演出が印象的

男に比べ体力に劣る分、過酷な訓練にメンタルで耐えた

同じ訓練をしようとも
楽にクリアするか、必死に乗り越えたか

その差が、より憎悪を育んだのでしょうか

孤立し、隊長だけが心配してる様子

不運にも現地は連邦テスト機の訓練地

どうも最新鋭機ジム・ストライカー試験運用の真っ最中

並行開発のベース機・後期型ジム

加えて高台には、ジム・スナイパーも配備され
またも「自軍の倍」の大部隊!!

策を駆使した2話より遥かに厄介な状況だ!!

が、今回は危なげなく勝利

打たれ強さ自慢のジム・ストライカーが一撃死?!

数に勝る連邦軍との交戦も
狙撃を警戒し、フェアリー隊は分散して対応

数に勝る敵に分散して一方的に勝利…?

2話と比べ異様に強くなってらっしゃる……

もう完全に別部隊ですわ

ヒルドルブ残骸との邂逅

悪く言えば技術的に見るべきところの少ない前時代的な兵器

ですがだから連邦も手を付けなかったのか

名戦車乗りソンネン少佐、その墓標となった機体に邂逅するも
元々テスト予定だった連邦軍部隊が現れ
ガンダム参戦で幕!!

時を越え、ヒルドルブ砲とは驚いた!!

リリスはガンダム・ピクシーで参戦!!

設定上は三機建造され
初登場時のアルバトロス隊機も後に回収

連邦愚連隊の奴と合わせ、これで三機出揃った事になるんでしょうか

妙に北米軍に縁があるMSですね