チ。3話 感想[肝心なのは何を諦めるかだ]ネタバレ ―地球の運動について―

チ。―地球の運動について― 第3話「僕は、地動説を信じてます」感想

公式あらすじより引用

処刑されたフベルトの異端思想――「地動説」をラファウが受け継いだと察知したノヴァクは、義父のポトツキに揺さぶりをかける。ポトツキもまたかつて地動説に魅了され、捕縛された過去を持つ異端者だった。ポトツキの裏切りにより捕縛されるラファウ。「地動説を捨てれば全て赦される」――裁判所で選択を迫られたラファウは、信じられない行動を取る。

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疑われたラファウ、そして十年後

チ。―地球の運動について― 第3話 感想

主人公ラファウ、二話にして刑死

笑顔で死ねる人生だったか……

ノヴァクは諦めるのが肝心だと諭しました

生きる為に何を諦めるかが肝心だと

でもラファウは、生きる事を諦めたのか

生きる事を諦め、感動を残す事を選んだ

フベルトさんと同じ選択か

世渡り上手な彼が、うまく切り抜けていく物語かと思ったので意外

それほどの覚悟があったという事なのね

裏切られたラファウ

ラファウ、養父に密告され告発へ

養父としては善意

一度目の有罪なら釈放されるから

そう、これは善意だと誘導したノヴァクが悪辣でした

もっと言えば養父自身が助かる為

養父はラファウが地動説研究をしてると知った

そして彼も以前は研究で有罪

二度目は火刑で死刑

ラファウを告発しなければ、お前が火刑だぞとノヴァクに脅されてしまいます

こんなの誰が責められるものか

一度疑われたが最後、“自白”するまで何されるかはご存じの通りですものね

養父ポトツキは一度有罪になってますし

その怖さが身に染みているはず

そんな彼に「告発するのが優しさだ」と促したノヴァクが悪辣でした

もうどこまでも辛いエピソード

罪を認めれば改心すれば許される

当然、ラファウは改心しようとした

ウソを言えばいいだけ

特に、今までウソをついて生きて来た彼にとっては日常茶飯事ですらあったでしょう

でも今回ばかりは嘘を吐けなかった

あまりに真摯すぎて辛い

『僕は、地動説を信じてます』

異端審問でサブタイ回収

視聴者には事前にネタバレされていた

ですがまさか、本当に堂々と認めてしまうとは思いませんでした

その点心底意表を突かれた回収

確かに信じられない行動だった……

ラファウの選択

ラファウ、このままでは拷問

改心するまで延々拷問

その怖さは、前回たっぷり描かれた通りか

そこでラファウ、なんと自害

なんて思い切りがいい……

当時、二重の禁忌を犯しての死

キリスト教は約束の日、キリストのように生き返る為「肉体を残す」事が必要と教えます

だから土葬

肉体を焼く火刑は、復活できなくする

当時として最大の罰でした

また同じく自殺を固く禁じています

しかしラファウは“自殺”

自殺し肉体を焼かれた、二重に教えに背く死を遂げる覚悟だったんですね

あんな小さな体のどこにそんな覚悟が……

柄にもなるパニックになるノヴァク

前回と一転、人間性の塊でした

当時の人間の縮図

ラファウの選択、考えにパニックを起こして何も出来なかったノヴァク

ラファウがどれだけ異常か、対比となる描写

前回フベルトさんに圧倒されたものの

ラファウも劣らぬ異端だった……

ラファウは「感動した」から

キリスト教では火刑、自殺は厳禁

ですがラファウは、ソクラテスらの教えに基いて自害を選んでしまいます

死の先なんて誰も知らない

その考えに感動したからだ

教会は、火刑と自殺は「死後に酷い目に遭う」と教えを説いたも

ラファウは哲学者たちの言葉の方を信じた

最後まで自分が信じるものを信じたのか

たいした少年でした

その在り方が、今後波紋となっていくのか

毒を飲み、自害したラファウ

王道なら、毒を飲んだというウソをついて脱出するといった立ち回りになるところも

しかし本当に自害

そして火刑

本当に死んじゃったのか……

そして十年後

ラファウの研究を探す男と、彼に脅され道案内する男が描写

彼の死は見事な爪痕を残した

なんとも壮絶な二話

ここからが本当の始まりだったのか

次回、第4話

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