チ。第10話 感想[完成だ]善意で地獄の窯が開く ネタバレ ―地球の運動について―

2024年12月8日

チ。―地球の運動について― 第10話「知」感想

公式あらすじより引用

ピャスト伯の死から数ヶ月――バデーニは膨大な観測記録を基に「地動説」の完成に没頭し、オクジーはヨレンタから文字を教わり自身の心境を綴るようになる。が、バデーニはオクジーのその行動に一切の価値を認めず、進まない研究に苛立ちを隠せずにいた。
一方、同地区の教会では司教が異端審問官を増員し、いよいよ異端への弾圧を強めようとしていた。

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地動説に大転換、異端審問は激化へ

チ。―地球の運動について― 第10話 感想

遂に地動説完成…!? またも吐いたりバデーニの感動っぷりが面白すぎる

他方、奮起した異端審問官が気の毒

彼らも善意でやってるのね……

でもこの後むちゃくちゃ尊厳を失った

そんな地獄を感じる幕切れ

のっけからバデーニさんの選民意識が苛烈で、辟易させられてしまったものの

どっこい本場の選民意識はもっと凄かった

異端審問のお偉いさんはなんとも傲慢

またバデーニ、論文完成以外も転機が

彼、何を思っているんでしょう?

常識を破壊されたのか?

バデーニ、謎の沈黙

何気なくオクジーの書いた本に目を通していた

以降謎の行動を繰り返したバデーニ

まさか面白かったのか?

貧民に、己の遺言を託したのか?

彼は、学がない下層民が書く文章など無意味だと断じていたものの

その「常識」を覆され、他人に研究を託すのも悪くないと思い始めたんでしょうか?

他人を認めるきっかけになった?

「知」は世界を変える

バデーニの持論

また事実、世界は「知る」ことでより良い方向に行けると作中では描き続けています

その選手代表がオクジーでしょうか

逆に「知」を阻むのが異端審問官

世界は知るべき、それを阻むのが異端審問

奇麗な敵対構図が出来てるのね

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冒頭 読み書きという特権

バデーニ『大半の人間が読み書きできないのは、良いことなんだよ!

な、なんだってー!?

意外やピャスト伯の死は、さほど研究に影響を与えなかったらしい

少なくとも資料に苦労している様子は無し

ヨレンタさんは組織改編で忙殺

今回で数か月が経過

その間ずっと忙殺とは大変ですね……

オクジー、本を書く

ヨレンタに字を学んだオクジー

読み書き出来れば本が読める

そうすれば「知る」ことで、様々な感動・対話ができるとヨレンタは言ってましたが

オクジーが興味を持ったのは執筆

まさか伝える側に回るとは

字を学ぶ無意味さに呆れるバデーニ

バデーニ『誰もが簡単に文字を使えたら、ゴミのような情報で溢れてしまう!

予言者かな?

ですが想像を絶する辛辣さ

要は、読み書きは選ばれた人間だけがやるべきだというバデーニ

でなきゃ無駄な文書が氾濫するからだと

辛辣ですが一理

このブログ含め、膨大な文章が氾濫する現代からみると一理を感じてしまいますね

ただ絶対にそうではないと思うのも確か

余談ですが

たとえば有名なのがピラミッドの落書き

今どきの若い奴は…という一文

この一文が残った事で、人は五千年経っても変わらないなという思わせられるわけですから

バデーニの主張と時代

またバデーニは、古代ギリシャの人々が残した書物を多数読んでいるらしい

きっと残るべきはこういう文章なのでしょう

実際に名著を知るからこその発想?

オクジー、本書くってよ

これまでの経緯を書くというオクジー

異端の証拠を残すも同然で危険

それ以前にバデーニは、これだから下級市民はと差別意識バリバリで否定してしまいます

視聴者もその傲慢さには慣れましたが

彼はこれからも変わらないのか?

バデーニ同僚、クラボフスキさん

バデーニ『私にタダで教えろと?

ノーリターン、ノーライフ

同僚クラボフスキさん、バデーニのマシンガントークを理解できるほど優秀

ラファウの義父同様に只者じゃないのか

ですがバデーニは同僚にも辛辣

刺されそうでヒヤヒヤする!!

コウスレバヨカッタンダー!!

ですが幸いクラボフスキさん、宗教家として極めて真面目なので問題とならず

いずれ爆発するんでしょうかね

クラボフスキさん憧れの一冊

クラボフスキ『バデーニさん、エピクロス読んだことあるんですか?

クラボフスキさん、“古代の異教徒"ルクレティウスの本に興味津々

それを読みたくて教会入りしたとか

教会は色んな願いの器なのね

ですが未だ叶わず

彼がそんな切々とした話をするも、バデーニさんは冷たくあしらってしまいます

ホント傲岸不遜

クラボさんじゃなきゃ刺されてますわ

読書好きな神父クラボフスキ

クラボフスキ『(思い出せ! 私の"役割"は村人の信仰を支える事!)』

人には役割がある、が彼の座右の銘

当然バデーニに憤る

しかし神の教えに従い、憤るなど修行不足だなと自戒する人格者

その彼、何か本を拾ってしまいます

詳細は次回

オクジー、移送時にうっかりピャスト伯の本を落としたか?

バデーニが異端審問にかかる端緒?

バデーニの過去?

村人『恐ろしい話だ………

村婆『ええ! バデーニさんにはこれまで通りこもってて貰いましょうっ

完全にバデーニの手のひらの上?

村では、バデーニ当人から聞いたと噂話が横行

彼の傷は友人に論文を盗まれ決闘したからだと

おいデュエルしようぜ

悪く言えば人殺し

おかげで村人は更に遠巻き

或いはこの噂、村人をビビらせ距離置く為に話したですかね?

他人に事情話すなんてらしくない気が

きっと話自体は真実?

友人に研究を盗まれたという過去

多分、バデーニさんが「自分で研究完成させねば無駄だ」と考え始めた原因か?

彼は自分が特別になる事が目的

自分が世界を動かしたい

その原因は、自分の論文を友人に盗まれたからなんでしょうか?

或いはその論文は未完成だった?

不満足な論文を発表され、他人の無能さと自分で完成させる事にこだわり始めたのか?

話自体は妙にバデーニさんみを感じます

知、バデーニの持論

バデーニ『この世は非道徳的なことで溢れかえっていませんか?

略『変える為に何が必要だと思いますか?

クラボフスキ『え……

『知、です

バデーニ、知こそ世界を変えると主張

事実、オクジーが正しい知識を得た事で救われたように?

人が賢くなれば世界はもっとうまくいく

そんな願いでしょうか

もっとも彼は、その「知」は選ばれたものだけが扱うべきだと主張

そして自身の成功こそを重要視

それとも以降考え方を変えたのか…?

「知」が世界を変える

バデーニ『だからこそ、適任者だけが丁寧に扱うべきなんですよ、アレは

『ま、私は世の為云々に興味はありませんが

実際、オクジーやヨレンタが苦しむのは教会の教えが大きな原因

生きるのが辛いのは世界が穢れてるからだ、当然なんだというのも教会の教え

彼らは天動説を根拠として主張

その過ちを「知」で正せれば?

世界全体がもっと良くなる

少なくとも、オクジーみたいな苦しみをしている人たちを救う事ができる

同様に多くの事が「知」で変えられる

世界を良くしていけるのだと?

オクジーの行動、彼の仕事

オクジー『配給のパンを、増やして貰えませんか?

もちろんバデーニは断った

オクジーはバデーニに配給を貰い、彼の研究室を兼ねたボロボロの納屋で生活

しかし乏しい食事を貧民に分けていた

善性の塊かよ……

バデーニに馬鹿にされてしまいます

おまけに教会と納屋を地下道で繋ぐよう指示

またも無茶振り

オクジーに力仕事させすぎでは?

バデーニ『脱出口も作ってくれ』

また今後、間違いなく摘発されそうですが

際し脱出口が役立つのか?

そも地下道など、独りで完成できたのか?

暗い夜道はピカピカのお前の鼻が役に立つのか?

どうしても完成しない!!

バデーニ『発想ではなく、記録に誤りが?

とりあえず他人のせいにしようとしたも

この頃バデーニは、石箱(ラファウ)の研究を完成させられない事に苛立ってました

元より未完成

ラファウは時間をかけ完成させる予定

ですがバデーニの頭脳と、故・ピャスト伯の観測データにより大幅な短縮に成功したらしい

しかしそれでも軌道が合わない

ここまできて何故

ピャスト伯たちもこうした苦労、絶望を味わってきたんでしょうか

バデーニ、気付く

バデーニ『楕円、か……

ヒントはオクジー、かつてラファウが託されたあのネックレスでした

惑星軌道は真円でなく楕円では?

現代では当たり前

しかし当時として、画期的にも程がある発想!

天才じゃったか!!

欣喜雀躍バデーニの舞

バデーニ『神様! 合ってるかもしれませんッ!!

着想したらまず吐いた!

バデーニは感動するとすぐ吐いちゃうんだ!

石箱発見時を思い出しますな

やがて感動のあまり、納屋の壁を血が出るまで殴り続けたバデーニ

いちいち感動表現がおかしい

風呂の中で気付かなくて良かったね!

オクジーの本、バデーニの依頼

バデーニ『まったく、貴族でもないのに寄付したり、知識階級でもないのに執筆したり……

オクジーは「現代人」の先駆けなんですね

現代ではどれも当たり前のこと

とまれバデーニ、なんの気なしにオクジーが書いた本を手に取ってしまいます

冒頭からそこそこ書いたらしい

そもそもそこがスゴい

文字を習い始めて数か月の事

それだけ劇的な、書き残したくなる人生を歩んできたオクジーならではか

しかしバデーニ、何を思ったのか?

当然バデーニは馬鹿にしていたも

バデーニ『貸してほしいのは、ココ

バデーニ、何を思ったかは持ち越し

ですが彼はオクジーが施している貧民に、"アタマを貸して欲しい"と頼みごとをします

その上で食事配給を増やし、貧民が暮らしていけるよう図らいました

いったい何がどうしたんでしょうか

伝言を頼んだ?

もしやバデーニは、異端審問で捕まった後の指針を遺したんでしょうか?

オクジー、もしくはヨレンタに?

だとすれば大転機

彼はあくまで、選ばれた自分が研究を完成させる事に意味があると公言しています

もし完成出来ねば焼く

その彼が引き継がせるなら大転機ですわ

オクジーの本が彼を変えた?

面白かったんでしょうか?

彼は下級市民を頭から馬鹿にしていた

しかしオクジーの本で、それは誤りではないかと考えを変え始めたんでしょうか

自分の価値観は狭いと考えを変えた?

それでヨレンタに、研究を引き継がせる事を考え始めたんでしょうか?

今もルクレティウスが語り継がれているように

自分も語り継がれると期待して?

地動説の完成、地動説の危機

バデーニ『終わった

オクジー『は?

バデーニ『地動説が、完成した

それから数か月、ショッキングな宣言で幕

バデーニが何を思ってるかは持ち越し

また多分地下道は未完成

オクジーがスコップ持ってますから

バデーニは妙に悟った雰囲気

研究を完成させて満足し、このまま摘発されるのも覚悟したんでしょうか?

彼もまた他人に託す気になったのか……?

新人異端審問官たち

『狂気の沙汰に唯一希望の光を照らしたのが、我々の帰依する教会だ

場面転換、新人異端審問官の集会

席上でお偉いさんが高説

曰く自分達が導かねば

かつて西ローマ崩壊で秩序が失われ、秩序再建を果たしたのが教会だった

その歴史が彼らに自信を持たせているんですね

人々を導かねばと

歴史に学んだという姿勢が尊い

ですが傲慢さも感じます

説話を受けた新人たちは

新人たち『弱音を吐いてる場合じゃないよな!

吐いてええんやで…

正直、呆れてるのかと思ったも

彼らは感動していた

自分達が世を正すんだと奮起

純粋な善意、正義感

これが作中の価値観、彼らなりに善意をもって異端審問をしている

その善意自体は尊ぶべきなのでしょうけれども

『君らの実習を担当するノヴァクだ、よろしく~』

はい開いた!地獄の窯が開いたよ!!

新人は善意で動き始め

まずその幻想をぶち殺されるのか?

世界を良くするために、こんなひどい事をしなきゃならない現実を思い知らされるのか?

お偉いさんの説話で、モチベは高まっている

血のブラック現場で地獄絵図に?

次回、第11話

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チ。11話 感想[血]世界の為に必要なもの ネタバレ ―地球の運動について―

チ。第9話 感想[ピャスト伯]それを真理と呼べたなら ネタバレ ―地球の運動について―

チ。―地球の運動について― 感想

チ。―地球の運動について― 第1話「『地動説』、とでも呼ぼうか」
チ。―地球の運動について― 第2話「今から、地球を動かす」
チ。―地球の運動について― 第3話「僕は、地動説を信じてます」
チ。―地球の運動について― 第4話「この地球は、天国なんかよりも美しい」
チ。―地球の運動について― 第5話「私が死んでもこの世界は続く」
チ。―地球の運動について― 第6話「世界を、動かせ」
チ。―地球の運動について― 第7話「真理のためなら」
チ。―地球の運動について― 第8話「イカロスにならねば」
チ。―地球の運動について― 第9話「きっとそれが、何かを知るということだ」
チ。―地球の運動について― 第10話「知」