〈物語〉シリーズOMS 第6話 感想[可愛いだけ]撫物語 第0話・最終回!! ネタバレ オフ＆モンスターシーズン

2024年8月18日

〈物語〉シリーズ オフ＆モンスターシーズン 第6話「撫物語 なでこドロー 其ノ伍」感想

公式あらすじより引用

斧乃木余接の力を借り、ついに神撫子と相見えた千石撫子。不気味な笑みを浮かべる神撫子の前にいたのは、『二人の今撫子』だった。その後、物語を終わらせるために撫子が向かったその先は、かつて阿良々木暦がいたあの場所で――。

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撫物語 “第0話”に幕!! 後日談というか今回のオチ

物語シリーズ オフ＆モンスターシーズン 第6話 感想

かつて可愛いだけ、我が身が可愛いだけのガキだと忍に罵られた撫子

が、今回は一番危険な役を担った

危険を顧みなかった事で余接に認められた

忍にも認められ大団円!!

撫子の人生、撫物語はこれからだ!!

本作はそんな「第0話」だったのね

今度こそ暦への恋心に決着をつけた、その意味で「おと撫子」こそまさにラスボスでした

おと撫子・当時の彼女は、今の撫子に絶望

その彼女を絶望で終わらせない

過去を踏まえた清々しい一歩でしたわ

式神撫子たちの襲来、その“黒幕”

撫子『おと撫子が一番弱かった……、

　だけど、弱い彼女だからこそ

　強い彼女達を利用する事に全く躊躇が無かった』

『（この私が生きる事を人任せにしていたように）』

『（おと撫子は戦う事を、逃げる事さえ他の三人に任せていた）』

やはりおと撫子こそ黒幕（というと語弊も）

彼女は被害者でありつつ、他三体を後押しして時間稼ぎをしていたんですね

服を奪ってちやほやされた媚撫子

彫刻刀を奪って襲ってきた逆撫子

人払い能力と囮で活用した神撫子

受動的に、服を、彫刻刀、能力を利用される事で他三体を囮にして時間稼ぎ

目的はただ一つ“暦お兄ちゃんを待つ”為

初恋を続ける為だった

受動的で居続ける事で、自分の目的を達成する

それも撫子の大事な一面でしたものね

神撫子戦、撫子は大きな成長へ

撫子『作戦を実行する為には、ダミーの作戦が必要でしょうっ』

絵描き式神使いとして大幅に成長か

撫子は逆撫子を囮に、神撫子封印に成功

事実上の一撃死持ちは強い!!

ですがその為に、生身で神撫子に突っ込む「一番危険な役」を担った

自分でやる、我が身を省みない

戦術自体も精神的な成長の証なんですな

肝、撫子は式神二体同時起動は出来ない

撫子『真っ直ぐなコース作りを

　斧乃木ちゃんのアンリミテッドルールブックにお任せしたのですっ』

咄嗟に思えた攻撃も打ち合わせ済みだったのか

撫子ちゃん恐ろしい子!!

撫子は逆撫子に式神を作ってもらい、事実上の二体同時起動で囮作戦を敢行

式神に代わりに式神を作ってもらえばいい

神撫子の戦術を学習・応用したのか

以降神撫子も式神化

彼女がおと撫子でやった「人払いの結界」も自由に使えるようになるのね

めちゃ有益な人材やん……

撫子、“物質創造もどき”体得

撫子、描いたものを実体化する能力も習得

これも式神の応用か

彼女が描いたおと撫子の持ち物を、他の式神撫子たちが使った事から着想？

なら直接描けばいい的な

今回はブルマを描いて変装に使用

撫子を隠すなら撫子の中

余接『僕はお前を評価するよ』

『安全圏にいた神撫子からは変わり果てた、もうあの頃のお前じゃないんだ』

逆撫子を今撫子の服装で描き直し、その逆撫子が今撫子デザインの式神を使役

そして本物はルマ撫子に混じって奇襲

結果神撫子に勝利

式神たちと違い、死んだらそれきりの「生身」で突っ込んだ撫子を余接は賞賛

神撫子またも殺せず!!

いや殺せても困るんですけどねｱｱﾝ？

見透かしたような扇の再登場

忍野 扇『やり残したことと言えば……っ』

『恋敵だった戦場ヶ原先輩を、ブッ殺すことだろう？』

このあとムチャクチャ撫子に怒られた

ホントどこまで本気やら

扇、阿良々木くんばりに車で送迎

道中で撫子に考えをまとめさせ、“撫子自身が知っている答え”を引き出させた

結局、阿良々木くん自身は登場しなかった

彼は貝木に今後関わるなと厳命

貝木がガハラさんにそうであるように、さっさと想い出の存在になれと厳命されているからか

代わりのようにもう一人の暦・扇君が出てくる「抜け道」っぷりも本作らしいですわ

八九寺神も出番なしか!!

おと撫子の本懐

おと撫子『もう…、好きじゃないの？』

おと撫子は、ただ学校で暦お兄ちゃんが出てくるのを待ちたいだけだった

もう卒業してるから絶対出てこない

絶対に叶わないと解ってる願い

その点も、実るはずない初恋だと自認して続けていた昔のまんまですね

でもそれでも想い自体は本物だと

おと撫子の失望

撫子『もう好きじゃないの!? 飽きたの!? 忘れたの!? どうでもよくなっちゃったの!?』

『なくなっちゃったの!?』

『そんなつまらない未来なの……!?』

この熱い思いをもう無くしたのか？

そんなつまらない大人になったのか？

現実を見ろと今撫子に諭され、“もう初恋を忘れたのか”と失望してしまうおと撫子

なんだか身に沁みますね

夢に置き換えられるなと感じました

つまり夢を信じてた昔の自分が、今の自分を見たらどう思うだろうか？的な

そんなシチュエーションを連想させられました

それこそ漫画家になりたいとか

現在の自分から見れば、当時の自分は努力も才能も足りないから叶うはずがない

でも昔の自分から見れば堕落、失望している

そう思わされるのも似てるなと

だから撫子は糧にする

撫子『あなたがなりたい私になるから！ がっかりさせない私でいるから!!』

『だから…、もう待つのはやめて』

過去へ向き合い、決意を口にした撫子

撫子はもう一度恋をすると約束

必ずおと撫子と同じ気持ちになると

そして思うにそのときこそ、その気持ちを「能動的に」叶えようと動くのでしょうね

失敗に向き合って今度こそ叶える

未来へ活かす奇麗な着地点でしたわ

象徴の前髪

撫子『行こう、未来へ！』

待つという受動から、行くという能動へ

ラストは、おと撫子が「自分を隠し・周りを見ない」象徴だった前髪をかきあげた

おと撫子も周囲と向き合う象徴か

正直に言えば昔の髪形、可愛くて好きですが

撫子的にはネガティブの象徴ですものね

経験を「描いて」活かす

撫子は今回の件を含め、経験や後悔を「漫画」として活かす事で供養すると決意

経験を無駄にしない

次に活かし続ける

クリエイターらしい結論でしたわ

Cパートは後日譚であり

撫子『後日譚であり前日譚っ、いつか想い出になるこれからの事っ』

月火、忍、余接が訪ねてくるパート

旧作でクソミソだった月火とも関係修復

劇中はとっくに修復してたんでしょうが、フツーに付き合ってるのを見るとホッとしますね

月火は阿良々木家の破壊跡など、撫子の仕業だとフツーに親に報告

まったく庇わなかった

あくまで自分のケツは自分に拭かせるあたりに一貫性を感じますね

フォローしてくれる面々とは対照的

でもそれが“対等な友人”ってものでしょうか

月火の「影」を渡り、忍も来訪

忍『今も立派に生きておる汝が、たまたま可愛いな奴なわけないじゃろう？』

『可愛さ余って憎さ百倍じゃよ♪』

撫子『憎さ…？』

忍『うむ、それが良い事なのかどうかは知らぬが？

　汝のようなやつは

　たとえ百回生まれ変わっても……』

『またまた憎たらしい奴じゃろうよ？』

憎悪でなく親愛を感じるフレーズで幕

撫子は忍すら倒せる神の座を自ら放棄した

その在り方に、かつて可愛いだけ、我が身可愛いだけのガキと評した事を遠回しに撤回

撫子の新能力、立体化能力

遊びに来た体裁で、似た物質創造能力の使い手としてレクチャー

たとえば、食べものを作っても味が伴わないことなど学ぶことに

皆優しい……

それは撫子が成長したからでもあり

その結果、忍たちも態度が変わったって事なんでしょうか

能動的な事が、周りも変えていった的な

就職と臥煙さんの保護

撫子『（ええ…、解りましたとも）』

『（斧乃木ちゃんはウソが下手だって事が）』

すっかり余接ちゃんと友達になって幕

今回、能力自体というより

たった一日で式神を鎮圧した、対応能力の方が高く評価されたんだそうな

能力があるのと使いこなせるのは別

その点、貝木も連想しますね

結果「役立つ」と判断、臥煙さん陣営加入決定

しかし成果は正直予想外でしたわ

撫子『（どうやら私は漫画家と専門家、二足の草鞋を履く事になりそうです）』

『（これも蛇足だって思いますか？）』

結局、漫画家として急成長はできなかった

当初想定した「賞を取る」策は失敗

ですが臥煙さんが時々仕事を回してくれる事に

独り暮らしの生活費になる!!

かつて貝木にポンと300万出したように、臥煙さん金はたっぷり持ってるんですね

今後は、取材がてらに「専門家」しつつ漫画家を目指す!!

なんともいいとこどりのハッピーエンド

漫画家を目指す事自体は険しいまま

その着地点も、クリエイターの「現実的な大変さ」を知る西尾先生らしいオチな気がします

そう簡単に成功できるわけないですもんな

次回、第7話

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