チ。19話 感想[信念の功罪]地動説を打ち殺す!! ネタバレ ―地球の運動について―
チ。―地球の運動について― 第19話「迷いの中に倫理がある」感想
公式あらすじより引用
「異端解放戦線」の組織長はヨレンタだった。彼女の目的は、最新技術である活版印刷で「地動説」を世に広め、同時に教会の不正や欺瞞を糺すことだった。
一方、娘が死んだと思い込んだまま生きる目的を見失ったノヴァクは、酒場に入り浸りの日々を送っていた。そんな彼の前に再び立ち現れたのは、かつて自身の手で終わらせたはずの「地動説」で。
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🌏#チ球の運動について
(19) 迷いの中に倫理がある“異端解放戦線”の組織長はヨレンタだった。
彼女の目的は、活版印刷で“地動説”を世に広め、同時に教会の不正や欺まんをただすことだった。一方、生きる目的を見失ったノヴァクは―
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— NHKアニメ (@nhk_animeworld) January 31, 2025
復活のノヴァク、25年振りの"再会"
文字は奇蹟だ、通じて千年前の人とだって対話できるからとはヨレンタ14歳の談
オクジーの本は、彼との再会にも等しいのか
ヨレンタさんが変わってなくて何より
変わり果てていたけど変わってない
土星の周期は30年、その間に変わり果てた事を語る様が物悲しいですね
もっと変わり果てたのはノヴァク
まさか娘の復讐へ、娘を追う事になろうとは
当人が気付いてないのが因果ですわ
信念の功罪、サブタイ回収
ドゥルーヴは信念の大切さを語った
ですが今回ヨレンタ、信念は呪いになると忠告
信念に囚われず、迷うのも良いのだ
ヨレンタのようにならぬよう迷うべきだと
きっと迷いの中に倫理がある
そう言われると、作中「信念ある者達」の見方も変わってきますね
ドゥルーヴはその典型だったのか
信念を貫けず迷うのは、倫理観が残ってる証か
信念とはその為に何でもやるという呪い
己が生きる事を信念とし、その為に親族を売ったドゥルーヴはその典型
また娘の為に生き、あまた傷つけたノヴァク
もちろんヨレンタさんも同じ事
皆「倫理」を失っている
信念は倫理より大切だからか
カッコイイけど悲劇
信念なき生き方には、大切な人間らしさがあるんだよって事でしょうか
その優しさがヨレンタさんらしいですわ
ヨレンタとドゥラカの交渉
結局ドゥラカ、印刷機を貸して貰う事が報酬に
本来「チ。」で儲けたかったも
ヨレンタは人々の思想改革に「チ。」を撒く、儲けなど最初から度外視
となると印刷機レンタルが妥協案になる訳か
ですが代わりの印刷物は……?
またノヴァクたちが追跡開始
果たしてチ。は無事出版できるか? 出版失敗しドゥラカが売る流れになるのか?
ヨレンタさん今にも死にそうで不穏
冒頭 ヨレンタさん
事情を聞いた異端解放戦線のリーダー・ヨレンタさんは、ドゥラカと話をする事に
まずは対話だ!
前回のシュミット隊長のよう
にしても落ち着いたもの
どもっていた昔とは別人ですわ
異端審問官アッシュ
場面転換、若き審問官の容赦ない尋問が描写
改悛、異端者に「心を入れ替えろ」と水に漬けて迫っているらしい
指を折られるよりマシなのか……?
若いながら教皇直属というエリート
これは増長やむなし
現地の司教、領主並みの権勢があっても命令できない立場
もはや会社、軍隊のようですな
彼を宥めたのはノヴァクの元部下ダミアン司教
第2話以来のレギュラー
今や司教、ビショップだそうな
アッシュはゴリゴリの教会正統派、ノヴァクやアントニを連想させます
ただノヴァクは娘の為、アントニは金の為
対し彼、若さゆえの純粋さって感じですね
正統派の為に奮闘してる様子
アッシュはアントニのように知識、歴史の教訓で「容赦は不要だ」と振りかざすも
ダミアンはそれ以上に古い歴史を根拠に反論
教会は寛容、多様さを持つべきだと
まさに年の功
こんな頼れる人は珍しいですわ
偉そうに話をすり替えるアッシュ
ヤな男である
とまれ信徒の「不安」を抑える為、強気でいなければというアッシュ
ドゥラカに続き不安がキーワード
その対処をどうするかが肝なんですな
何せ彼も若い頃は過激思想
そして容赦ないだけでは、世界は変わらないと「体験」した男なんですね
経験を元にやり方を変えろと説得
歴史から、経験から学ぼうとするダミアン
視聴者視点では説得力を感じるものの
しかし当の異端者が、ダミアンの方に唾を吐いた事で対話終了へ
今、その異端者を拷問してるのはアッシュ
ですがアッシュに共感か
異端者もまた、対話・融和なんか馬鹿馬鹿しいと感じてしまったんでしょうね
何が融和だ馬鹿馬鹿しい!!
オクジーの本とラファウの養父
アッシュが話を変え、異端解放戦線が奪った「本」について調査言及
書いてあったラファウ養父ポトツキは既に死亡
時代的に老衰のようなものか
本は一年前、廃村から回収されたと
それってバデーニがいた村?
話を聞く限り、写本したクラボフスキさんは秘匿に成功したらしい
社会混乱で村と運命を共にしたのかね……
アッシュは調査の為、宇宙論に詳しい男が必要
思い当たったダミアンはノヴァクを紹介
いわゆる過去は…………バラバラにしてやっても、石の下から…………ミミズのようにはい出てくる……。というものか
また現在、宇宙論に詳しい男は少ない
二十五年前は地域司教が宇宙論嫌いで、ゆえに取り締まりが厳しく知識豊富でした
あの頃とは違うんですな
あの頃がおかしかったというか
ノヴァクさん(35年後ver)
ノヴァクさんは元部下ダミアンの厚意で、彼に雇われた体裁のニートに
ダミアンさんマジ聖人
酒を飲んでは例のペンダントに切り付ける日々
憎むべきものの象徴なんですな
なんて頑丈なペンダント
頑丈な朴の木でも使ってるんでしょうか
後の無敵球である
ノヴァクさん『私の……、私の娘を奪っておいて……!!』
回想・ラファウ『敵は手強いですよ』
ノヴァクさん『だからなんだ!!』
略『異端解放戦線は操られてるだけだ……、ある種、被害者だよ
真の敵は彼らではない』
アッシュ『え?』
ノヴァクさん『これは……、私の使命だ
私の運命だ
私の命がある限りどこまでも追いかけてやる、諸悪の根源を……!!』
『地動説を、打ち殺す!!』
敏腕異端審問官、再始動へ!!
ですが二十五年前のアントニの策略を知らず
解放戦線リーダーが当の娘とも知らず
あまりに悲しい再始動に
ですが解放戦線も被害者だ、という辺りは和解に活きるんでしょうか?
そも昔はそこまで地動説に執着してなかった
原因はヨレンタに関わったという一点
論の是非や、娘の意志関係なし
それとも内心、ラファウに勝ち逃げ同然に死なれたショックのせいか?
なんだかいびつさを感じますね
あっという間に狙いは出版だろうと看破
異端解放戦線は教会正統派打倒目的で、民衆の思想を変える出版を狙うだろうと
シュミット隊の疑問を数分で越えた!!
また彼、最新技術にも目配り
活版印刷狙いだと看破
彼を見捨てなかったダミアン司教慧眼ですな
早速ヨレンタだと知るのか!?
と視聴者的にハラハラするものの、歯が抜けた女という以外謎だと
まあ当然真っ先に聞くところか
聞かなかったら不自然
めっちゃ有能ですからノヴァクさん
ノヴァクさん『フン、間抜けだな』
アンタの娘じゃい!!
視聴者の心を一つにする男!!
『最新技術はまず悪事に利用される』
現代のQRコード詐欺なんかを彷彿
という訳で印刷所、また自作へ葡萄圧搾機と鉛の流通から調査すべきだと提案
アッシュはすっかり彼に心酔
しかしここまで有能とは
実際ノヴァクは元傭兵、現実的な観点から物事を考えられるのが強み
頭でっかちとはわけが違う
ヨレンタ、ドゥラカの交渉
まず剣を突き付け、ドゥラカの目的が「金」だと聞き出し軽く呆れるヨレンタさん
対話はいつでも殺せる態勢から
ヨレンタの半生を感じますね
それだけ不意打ちを受けてきた人生か
ヨレンタさん『存在を知った時は、驚きで高熱が出る程だった……』
なんでそう独特なリアクションか
感動すると吐いてたバデーニさんみたい
毎回OPで吐いてたし(過去形)
吐かないと書いて儚い、なんだか悲しいわね
あまりに迂遠な話に困惑するドゥラカと視聴者
土星は三十年かけて一周する
この三十年、三十九歳まで色々あった事
何よりきっちり一周する宇宙の精密さ、秩序、作った神の偉業を感じるのだと
前回の自然主義にも相通じる
あそこまで極端じゃないでしょうけど
ヨレンタさんの三十年
十四歳で地動説に出会い、六年後初めての殺人
そこが転機だったのかね
逃げるだけじゃ駄目だと悟ったのか?
父のおかげで生活は苦労してなかったはず
そこからすべて捨ててゼロ、いやマイナスから生きるのは相当大変だったでしょう
死亡扱いで追手はなかったでしょうが
『私の"感動"を、必死に伝えてる……』
要は金儲け以外の価値を説いたと
しかしドゥラカには響かず
元よりオクジーの本を、バデーニは「理論でなく感動を伝える本」と評しました
そこが地動説普及に役立つと
ですがドゥラカは金儲けしか浮かばなかった
彼女と絆を結ぶのは手強いぜ!!
ドゥラカ、ヨレンタの論戦
ドゥラカ、ヨレンタも教会と一緒では?と
大した度胸
ヨレンタは神を掲げる教会を打倒し、自由な議論が出来る社会に移行させたい
神は正しい、その為の暴力は必要だという教会を倒したい
それは地動説を絶対視し、その普及へ暴力を振るうヨレンタも一緒では?と
言われたヨレンタは納得
人は神、地動説のような「権威を作る事」から逃れられないのかもと
本質的に一緒だと認めるのが潔いですね
『そういう状況下で駆動した情熱が
暴走とも言える軌跡を経て
時には美しい偉業を、時には醜い悲劇を生む』
例えば神(という権威)の為にという情熱
それは偉業も悲劇も生んできた
全くその通りですわ
また例えばフランス革命は、現代に続く民主・資本主義を生む大きな転機になった
一方で大量処刑、テロリズムの語源に
主導したロベスピエール自身もギロチン処刑
情熱は偉業も悲劇も生む
だいたい両面伴うものか
ヨレンタ『私の目的地には自由があると信じているから』
ドゥラカ『自由の定義は?』
ヨレンタ『そう問えること』
以上。ヨレンタから会話打ち切りへ
疑問を口にできる事こそ自由
議論できてこそ自由だと
彼女が言うと説得力が段違い
彼女は女だからと、議論に参加できなかったし
また異端とされ、反論の余地なく殺されると決められていました
疑問、議論できない怖さを誰より知っている
それも原動力の一つなのか
例の"子供"? 妙に執拗なフライ
他方シュミット隊のフライは、ここが最終目的地かと妙に執拗に質問
潰すのが本当の目的?
ドゥラカ編初回16話、回想の少年
あれは彼なのか?
あのとき反教会団体に人生を奪われ、復讐へ潜入してるのかね?
復讐には目的を知り、手段を潰すのが肝要
なので今は動かないのかね?
とまれヨレンタ、本の利益は渡せない
代わりに印刷機を貸すから、好きな本を作って儲けなさいと妥協させ交渉成立
代わる題材、原書とはまた難しい!!
ですがヨレンタは、本を数多くばら撒いて皆の思想を変えたい
そこに利益など無いんじゃッ!!
これはうぐぅの音も出ないのう!!
ヨレンタさん『やっぱり……、文字は奇跡ですね』
やがて一晩かけ、60ページの"写本"が完了
際し一瞬だけ昔に戻るのが切ない
終始厳しい口調のヨレンタ39歳、あの時だけは14歳に立ち戻っていましたわ
かつてオクジーに熱弁した時同様
文字のおかげで彼の言葉、思想を聞けた
死んだ友人と話せた
なんて素晴らしい発明でしょうか
きっと迷いの中に倫理がある
金を稼ぐのが信念だと話すドゥラカ
ヨレンタ『でも時々、信念なんて忘れさせる何かに出会ったりする……』
『その感情も大切にすべき
でないと……』
ドゥラカ『でないと……?』
ヨレンタ『……私みたいになる』
ヨレンタが20歳で人を殺した件?
信念ゆえ殺したのか?
でも当時きっと殺したくなかった
あのとき殺したくないという感情に、従うべきだったと後悔もあるのでしょうか
でも感情を無視し、信念に基づき殺した
その"なれの果て"が自分だと?
『それは私の強さであって、限界でもある』
信念、やらなきゃならないという決意
やらなきゃという呪い
人は信念の為、何でもできる「強さ」を得る
でも信念に縛られ、信念以外が出来なくなる
人は色んな事が出来るのに「信念だからダメ」で出来ない事が増えてしまう
限界、可能性を狭めてしまうのだと
信念の大切さを柱にした彼女ならでは
彼女の“信仰"を揺るがす言葉か
ドゥルーヴ亡き今もこれは信じている
ドゥラカ『……!?』
ヨレンタ『きっと迷いの中に倫理がある』
ヨレンタは自分が出来なかった事を託したか
時に信念より感情が勝る
きっとそれが人としての正しい道なんだと
信念を貫き迷わない人間は、ときに人としての倫理観を捨て去ってしまう
迷うってのは、倫理観が残っている証
迷いはまだ真っ当に生きられるサイン
ヨレンタは信念と引き換えに多くを失ってきた
思えば本作そんな人ばかりか
ドゥラカにはそうなって欲しくないのね
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