らーめん再遊記 8巻 感想[ニューウェイブ系の精神だ!!]インスタント麺編開幕!! ネタバレ

2023年12月31日

※各話サブタイがないので便宜名です

らーめん再遊記 8巻 感想

公式あらすじより引用

激アツ展開!「外食コンサル」編、完結!!

10年前の雪辱を果たす!
小宮山、レジェンド・芹沢に挑む!!

凄腕の外食コンサルタント・小宮山浩司は、
10年前に自ら考案した
『牛清湯(ぎゅうちんたん)らあめん』を
出す店をオープンしていた。

だが、彼のラーメンを食べた芹沢は
「お前はラーメンを全く分かっていない」と一蹴、
結果、店は半年で潰れてしまう。

果たしてあの時、芹沢は何を見抜いていたのか?

そして小宮山は10年越しの謎に答えを出し、
因縁の相手・芹沢に雪辱を果たせるのか…!?

新章「インスタントラーメン」編も開幕!

最強キャラ「芹沢」降臨!
超絶大ヒットシリーズ最新8集!!

作画:河合 単
原作:久部緑郎
協力:石神秀幸
連載:ビッグコミックスペリオール
初版:2023年7月28日発売

https://twitter.com/bigsuperior/status/1684878364245622784

麺とスープを「ラーメン」にするものとは? 外食コンサル編に幕

らーめん再遊記 8巻 感想

ラーメンハゲ芹沢さんチャルメラ好きなんだ…

でも最後、和文君のドヤ顔が持ってった!!

言いたかったんだな和文くん!!

とまれ前巻、麺・具・スープどれも満点なのに売れなかった外食コンサル編

答えがスープの粘度とは面白いですね

絡まないとラーメンらしくない

欠けていたのは一体感

発見伝でのチャーシュー問題と同じなんですね

時代に応じた価値観のアップデート

また小宮山氏はかつてラーメンオタクでした

ですが十年離れた事で、現代のトレンドに気付く事が出来なかった

過去の常識は現代の非常識

続けていく大切さも感じるエピソードですね

奇しくも芹沢さん自身も

第一巻で芹沢さんは新世代系に引け目

ですが今巻は「これがニューウェイブ系の精神だ」と高らかに宣言

今回での創作性の高さといい

十年前の知り合いと出会い、プライドを取り戻したように見えるのも熱いエピソードですね

マウント激しいし下種でしたけど!!

次はインスタントラーメン編!?

人気番組ジョブチューンを連想のアレンジ

渦中の店主はラーメン知識が皆無

でもインスタントは上手く作れる

インスタント麺アレンジして出す店にリニューアルするんでしょうか?

それとも竹岡式でもアレンジするのか?

和文君のうんちくも楽しみ!!

第63話「芹沢、怒りの理由」

有栖『(恐ろしい……間違ってもラーメン屋はできないな…)』

十年前、懇意にしてた小宮山に怒った芹沢

この店は半年で潰れるぞと予言

曰く、同業への上から目線が問題だったと

当時独学で店を開いた小宮山は、自分がニューウェイブ系を再興すると標榜

そのイキり具合が気に入らなかったのね

今は考え直し和解へ動いたそうな

発見伝の時、藤本がラーメン屋台を引く「同業者」と知って態度を変えたのと同じか

単に語るだけの立場ならいい

作る側なら言行一致を求めるのが芹沢さん

プロの矜持だったんですな

小宮山の事務所、和文が「改変版」を披露

これを小宮山氏は失敗作だと判断

しかし和文、実は何も手を加えていなかった

批判的に見てもらう為にやったのだと

小宮山氏は自分の作品に対し、評価が甘くなっていたんですね

味覚だけじゃなく何事にも言える

人の感覚ってあてになりませんわ

失敗する店の共通項

要は、自分の店をお客の視点から見れていない

客観視できてないから、傍目にあからさまな失敗に気付けない

普段小宮山氏はそこに呆れてます

でも彼自身もそうだった

きっと誰でも思い当たる節がある

耳の痛い話ですわ

第64話「ラーメンを分かっていない」

十年前ラーメン好きが高じ、ラーメン屋を開業も半年で潰れた小宮山氏

潰れた理由とは"ラーメンらしさ"の欠陥

曰く「スープの粘度」不足だと

麺が旨い!

スープが旨い!!

具も旨い!!!

ですが麺がスープに絡まず、味の一体感が欠けていたのが原因と判明

発見伝の藤本と根本的に同じですね

個々は旨いが一体感の問題

ラーメンという麺料理としては失敗作だったと

実際、割とあるあるな問題らしい

たとえば有名な中村屋

あそこも試作時に同じ問題があり、敢えて昆布をじっくり煮て対応

昆布を煮だしてヌメリを足したそうな

本作はみりんを加えて対応しました

第65話「ニューウェイブ系の精神」

芹沢『俺なら失敗作のエッジを尖らせ、画期的な傑作へと昇華させんと挑む

『それこそがニューウェイブ系の精神スピリット

小宮山、改良版を芹沢に食わせるも評価は微妙

打ち負かすべく勝負したいと挑戦

しかし芹沢の哲学に圧倒されてしまいます

発見伝の頃と同じですね

今回、小宮山氏は欠陥を「妥協」し補強しました

みりんを足すと味が変わる

その劣化を妥協したのが問題なのね

小宮山は失敗を直すには妥協が必要と判断

芹沢氏はその志の低さに怒ったんですね

十年前の“イキり"への怒りは、そんな小宮山氏の志への怒りでもあった

発見伝でよく藤本に怒ったのと骨子は同じか

藤本もよく「妥協」

対し芹沢は「こんなものか」で済まさず、より革新的なものを目指していました

ニューウェイブ系とは何か?

改めて見つめ直すエピソードなんですね

芹沢さんはニューウェイブ系代表

常に挑戦していく姿勢、それが俺たちだというプライドが蘇ったんですね

本作1巻では己を時代遅れと卑下

自分の良さを見失っていた

芹沢さん自身の再起を感じる回でした

メタル・マシーン・ミュージック

勝負にあたり、実験的失敗作繋がりでルー・リードの曲を聴き直す芹沢さん

しかしギブアップ…!!

歳を経て、教養が高まれば失敗作だってそれはそれで味わい深いと感じるかと思った

けど失敗作は失敗作なんだ

辛辣ですが端的なオチでしたわ

第66話「あんかけとラーメン」

勝負の判定は、芹沢・小宮山が請け負った「冒険的ラーメン新店」社長に委ねる事に

際しあんかけ麺の話

ラーメンはスープの粘りが大事

であれば、あんかけラーメンなんか最高ではないのか?と

しかし実際「主流派」とは言い難い

お客が求めているか否か

何故あんかけラーメンはマイノリティか?

小宮山はお客が求めてないからだと解説してくれます

ラーメンとして求められてない

あんかけ麺を出しても、客が「これはラーメンじゃない」と思ってしまい受けないのだと

小宮山の失敗と相通じます

粘度が高すぎても低すぎてラーメンらしくならない

何が「ラーメンらしい」か?

皆はラーメンという商品に何を求めてるか

そこをうまく探り、言語化し商品化するのがプロなのでしょうね

それが出来ないから難しい!!

第67話「改良ラーメン対決!!」

小宮山『名付けて「牛清湯らあめん・チーズオムレツ乗せ」です!

そりゃゲテモノでは!?

しかし試食に駆け付けた有栖さんも絶賛!!

ホント有栖さんの機動力好き!!

中身トロトロのオムレツを、突き崩して混ぜて「粘度」を増すというアイデアなのか

洋風コンソメスープならではの一体感

曰くカルボナーラ的になるらしい

なんとまあ大胆な

芹沢『「牛清湯らあめん・二色あん仕立て」です』

対するはザ・芹沢さんだった!!

上にカツオ醤油あん、四川火鍋あんの二種類をトッピング

見た目にシンプル

ですが劇的な味変・粘度アップ・全てを混ぜた第四の美味しさと非常に旨そう!!

シンプルかつ奥が深い

以前エスプーマをかけた時を思い出させますね

しかも「あん仕立て」が劇的なんだと

勝負は「引き分け」に決まったも

目配りの深さ、芹沢勝利は明らかでした

敢えてあんかけを出したのは、時代が変わったが故なのだと

昔はあんかけはラーメンらしくなかった

ですが近年「町中華」が人気

一般層、ラーメンマニアが様々な「あんかけ麺」を食べる機会が増えた

客の心理的ハードルが下がったと分析

ポイントは客層の変化

まだ「冒険」なのが芹沢さんらしい

今回、クライアントが冒険的でもいいと依頼してたのも前振りだったんですな

冒険的なら新しいって事ですし

相当ヒットしそうなメニューですわ

第68話「何が一番悔しかったか」

試合後二人は和解

ですが芹沢さんが許せたのは、勝ってマウントをとれたからだと

つくづく敵に回しちゃアカン人ですわ

思えば再遊記はいつもそう

基本マウントとってますもんね

心がマウンテンゴリラ

美食コンサルタント編・完結

また小宮山が悔しかったのは、"ガチ中華による客の変化"を読み切れなかった事

即ちコンサルとして悔しかったと自己分析

もう根っからのコンサルなんだと

ずっとラーメン屋やりたかったけど食う為にコンサルをやってきた小宮山氏

その呪縛が解けたエピソードなんですね

やりたい事とやれる事

小宮山氏は芹沢さんそっくりでした

芹沢さんは偶然「売れる」ラーメンを生んで成功者となれたものの

もしかしたら小宮山さんルートもあったのかも

やれる事を積み重ね、やりたい事へと変えていった小宮山氏

良い後味のエピソードでしたわ

なお高額のギャラは請求した

十年前、アドバイスして欲しけりゃ百万出せと要求した芹沢さん

今回勝負の条件として再提示

しっかり払わせました

マウント云々といい、性格の悪さも芹沢さんらしいエピソードでしたわ

でものれん分け編より後味がいい!!

第69話「インスタントラーメン編」

なんともイライラする初回ッ!!

突然の雨でラーメン屋に駆け込むも、電子マネー頼みで現金がなかった芹沢さん

しかし店の子供が食い逃げだと大騒ぎ

警官まで現れ大騒動に!!

誤解は晴れたも身元を知られ、店の立て直しを頼まれるというエピソード

珍しく100%被害者なのでは?

とにかく子供がムカつくものの…?

ゲストはシンママ松下麻央・豪大たけひろ母子

豪大、終始無言で何を考えてるのか分からない

店主である母も、引き継いだ店を維持したいだけでラーメン自体に理解がない

そのくせラーメン屋をやりたいと主張

子どもの考えが読めないのがリアルですね

思考が合理的でないから読めない

母をラーメン名人と思い、成功しないのが理不尽だと思っているんでしょうか?

どうもお母さんっ子みたいですし

第70話「芹沢が一番好きなインスタント」

らーめん再遊記 8巻 感想

彼が一番好きなインスタントは「チャルメラ」しょうゆ味!!

うまかっちゃんじゃないのかい!?

雨で風邪になりかけた芹沢さん

彼が風邪の引き始め、いつもやってる大量発汗ムーブを描写へ!!

くさそう

芹沢さんとインスタント麺

少し不思議も、本作ではチェーン店ラーメン好きなどノスタルジーな面を強調

今なら全く違和感ないですな

潰れかけラーメン店再生策

芹沢『店を畳みませんか?

驚異の火の玉ストレートが!?

さすが芹沢さん人の心がない

本作では家系・次郎系転向を押すも、彼女にはそれさえ助言しませんでした

もうとにかく関わりたくない

そんな熱いパッションを感じますね!!

松下麻央『そんなの悔しいですよぉ~っ!!』

非合理的な理由でゴネて立て直しを要請に

技術も経験も一切ないのに!!

しかもタダで!!

とかく理屈じゃないので、芹沢さんにも説得しにくいのが難敵ですね

でも芹沢さんは困ってる人を無視するタイプ

こういう人だから話が動くのか

第71話「インスタント麺の最高峰!!」

麻央説得へ一巻の富川食堂二号店に訪れた芹沢

しかし豪大、絶品の新世代系より母のインスタント麺が旨いと主張

富川も話に乗る事に

要はインスタント麺のアレンジ回ですね

ジョブチューンみたいですわ

富川達はエースコックのワンタンメン派

唯一チャルメラ派、芹沢さんが内心ブチキレてるのがシュール

このホント好きなものに関して頑固

そこで芹沢は何か気付くも…?

もしやこれをヒントに、乾麺ベースで作ろうって話なんでしょうか?

千葉の竹岡式ラーメンみたいな?

家庭らしいアレンジ調理編

芹沢さんが風邪対策に薬味を盛ったように

麻央さんはニンニクなどを煮て、更にトマトをサッと煮てごま油を加えたレシピ

トマトってのが今風!!

グルタミン酸だから旨いのかしら

富川さん家の場合は

プロである彼でなく母の味

曰く豚バラを炒め、脂が出たところで野菜も炒めてから麺を加えて煮込むというもの

豚バラの脂がこってりして旨かろうですな

ちゃんぽんがヒントだとか

「本物」よりインスタントが好き

また豪大くんの主張も解る気が

インスタントは、店のラーメンとはまた別な美味しさがありますものね

しかしインスタント麺を店で出せるか?

実際専門店はありますが

また何より、この奥さんだとその方がお客を呼べるラーメンを作れそうですね

どんな結末となるんでしょうか

麻央がラーメン屋にこだわる理由

曰く祖母の店を継ぐと言ったら、泣いて喜ばれたからなんだとか

店を継ぐこと自体が大事なんですね

無論芹沢は軽蔑

さすが(の性格の悪さ)やで

対し富川さん、いかにも「麻央さんと付き合いたい」って感じが出てます

最後フツーにくっつくのか?

でも本作だと捻くれた事態になりそう

芹沢さんとインスタント麺

和文『ようやく… 僕の出番がやってきたようですね

インスタントラーメンならお任せ下さい

かつてないドヤ顔で続く!!

和文くん芹沢さんが乗り移ってない!?

曰く芹沢、有栖はインスタントは門外漢

次巻、唯一のエキスパートとして語りまくる事に…?

君はドヤ顔できる権利がある!!

ラストが一番のインパクトだった!!

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