チ。第20話 感想[ヨレンタ]だからあなたが乗り越えて ネタバレ ―地球の運動について―
チ。―地球の運動について― 第20話「私は、地動説を愛している」感想
公式あらすじより引用
「異端解放戦線」は活版印刷の準備を着々と進め、いよいよ印刷機のある工房へと合流することに。が、ヨレンタは何のつもりか一人アジトに残るという。ドゥラカはそんなヨレンタからある手紙を託される。それはかつてラファウが遺した言葉だった。
一方、憎しみに燃えるノヴァクの追及の手は早くもアジトに迫っていた。父と娘、悲しき再会の瞬間に、ヨレンタの取った行動とは。
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悲しき再会、ヨレンタの決断と意義
ヨレンタさん、父娘再会の瞬間に自爆
あまりに早すぎる……
最期の瞬間は星空の下
オクジーとバデーニの最期を連想させますね
この世界はやはり美しい
かろうじて残った「手」を握る父が、幼い頃を彷彿とさせるのが残酷でした
早すぎたがドゥラカに遺した影響も絶大
ですが考える暇もなく騎士と遭遇!?
つくづく落ち着く暇がない
もしやフライが内通、呼び寄せた可能性も?
第16話、25年前の少年は彼?
彼は親を殺した異端を叩き潰すべく、スパイをしてたって線もあるんでしょうか
考えすぎですかね
シュミットが過去に言及
レヴァンドロフスキ君が過去に言及
またシュミット、故郷で神の解釈により殺し合いが生じ家族が殺されたと言及
あの事件と確かに一致
あの少年はシュミットだったという告白?
それともミスリードなのかね
まずフライだけ過去に言及しなかった
そしてシュミットの故郷壊滅は、神というより教会の解釈で揉めていた気がします
それにあの事件なら語り口が冷静すぎた気が
あれはフライの回想だったのかなと
気のせい?ミスリード?
ヨレンタさんの死
ヨレンタは本出版の成功率を上げる為に自爆
地動説を愛しているから
ドゥラカが幼稚とさえ評した動機が全て
私を乗り越えてと託して自爆
組織長として死ぬことで、異端解放戦線は崩壊した事にする組織ロンダリングの策
これで他組織だと装って交渉ができる
前に言ってた策とはこの事か……
思うにヨレンタは、父がいた事に気付いて「即自爆」したんじゃないでしょうか
敵を巻き込まず死ぬのは不自然
また目的上、組織長だと認識してもらいたい
それが何故か即自爆した
敵が父と悟り、悲しませない為「気付かれる前に死のう」としたんでしょうか
最期の笑みにそう感じました
ノヴァクは何事もなさげ
ですが思うに「目撃したが、娘だと認めたくない」感じなんでしょうか?
辛うじて残った娘の手を握ったノヴァク
性格上、すぐ放り捨てる方が自然な気がします
なのにいつまでも握ってた
気付いてる証のように思えました
冒頭 私はここまでなので
ヨレンタ『それがあれば、活字が壊れてもあっちで作れる』
ヨレンタさん、印刷へ活字から何から一式用意
後はセットし印刷するだけか
完全に印刷のプロ
つくづくこの為に生きてきたんですね
ヨレンタ『印刷機貸すって約束しちゃったから♪』
本が出来た今は邪魔なだけ
幸いヨレンタが和ませて却下
信念に迷いない者には倫理がない
前回を連想させますね
『会ったばかりの素性も解らない娘です』
ヨレンタ『……そういう人には、機会をあげたくなる』
『協力されづらいだろうから』
シュミットが言う不安材料は、他に人も感じる当たり前の事
だからドゥラカは協力されづらい
それは昔の自分と一緒だ、と思ったのか
自分もチャンスがなく辛かった
でもチャンスをくれた人もいた、今度は自分がそうしたいんだと思うんですね
ありがとうピャスト伯……
ヨレンタ『私は、ここまでなので』
シュミット『本当に、この本の為にそこまでするのですか?』
ヨレンタ『ええ』
『この本を、いや、こういうものを出版できるようにするのが……
私の夢だから』
やがてヨレンタ、後を託してと死を決意
無論シュミットは止めたも、ヨレンタは自由に言論が出来る世界を築きたい
その為なら死をも厭わないと
かつてまともに議論させて貰えなかった
ですがバデーニ、オクジーと出会い楽しかった
彼らと出会った時も、自分がこれを考えたと素直に口にする事さえ出来なかった
自由な言論こそ彼女の夢
この本は友の遺品、夢のとっかかりなんですね
その為なら「終わる」事さえできるのか
レヴァンドロフスキ君の理由
ドゥラカ『何故あなたは、人生も天国も棒に振ってまでこんなことをしてるんですか?』
シュミット隊のレヴァンにパンを貰うドゥラカ
普通に善良そうなオッサン
それだけに何故こんなこと、異端解放という「暴挙」をするか興味を持ったか
ドゥラカさんめちゃくちゃ尋ねますね
好奇心は叔父譲りか
『死を、受け容れる為だ』
平凡そうな彼のショッキングな動機
かつて10歳の妹が病死し、何の為に生まれたのかと問われ答えられなかった
何の為に生まれて 何をして喜ぶ
意味があれば納得できた
私はこの為に生まれたんだと思える何か
それがあれば死を受け入れられる
やりきったと満足して死ねる
本当、生と死は表裏一体なんですね
レヴァンドロフスキ『少なくとも異端を迫害するのは神じゃねェ』
『人だ』
『誰もそれを主張しないなら俺がする』
『そうしなきゃ、妹に「神の為」って言えねェままだ』
お前は、神様の為に生まれたんだと死んだ妹に言ってやりたい
しかし教会は私欲で腐った
腐った彼らの説く神では意味がない
神の為だと言えない
言う為に教会を正したいのか
彼は宗教に肯定的
レヴァンドロフスキ君『宗教がなきゃ、きっと人はここまで強くなかった』
宗教は人の心を支える有意義なもの
しかし経年劣化で限界、行き詰ってしまったとも感じている
建て直す為の宗教改革なんですね
シュミットとは根本的に別
『死を忌避するんじゃなく、肯定したい』
『それが、俺の人生の命題だ』
教会を正し、神を素直に賛美したい
妹の死は神の為だと肯定したい
これまで素朴な男性だと描かれてきたものの
彼も彼の信念があるという再確認か
シュミットが「人工」を否定する理由
シュミット『全ては"人工"が引き起こした惨事だ』
続いてシュミットが剣を研ぐのに協力
彼は人類の、こうした兵器しか生み出せない醜さが嫌いなんだと語ります
対し自然、神の創造物のなんと美しい事か!と
そこに「作り手」の差を感じるのか
人の未熟さを思い知るのだと
シュミット『人工の社会、人工の掟、人工の神………』
『人の作るものなど、醜い模造品でしかない』
『この雄大な自然を見れば解かるだろう?』
『"敵わない"と』
人は“クリエイター"として神に敵わない
人の作るものはみな醜いのだと
故郷は神の解釈、人工的な理由で滅んだ
解釈など人が考えたもの
その為に殺し合うなど馬鹿げてる
人の知恵の愚かしさ
愚かさの象徴だと捉えてしまったんですね
回想・叔父ドゥルーヴ『考えろ、その過程に知性が宿る』
ドゥラカ『アリストテレスも……
アリストテレスも「技術は自然を模倣する」と言ってる……
でも一方でこうも言ってる!!』
『「技術は、自然が成し遂げないことも成し遂げる」と!!』
人間賛歌、人の知性への賛歌
人の作るもの、その素晴らしさを主張し反論
わざわざシュミットを真似、アリストテレスの言葉を引用し返すのが小憎らしい
叔父さんの教育の賜物か
またそも、ドゥラカは「生産」を重んじる
人が作って稼ぐことが軸
根本的に対立してるんですな
ドゥラカ『父の形見を見て、私の信念を思い出す、父を思い出す!!』
『この二つは自然に生えてたものじゃない
人が人工的に作ったもの』
『だからって無価値じゃない!!』
『人の作る模倣は時として、自然が成し遂げない事も成し遂げる!!』
彼女は父の遺したマフラーと硬貨が宝物
見るたびに信念を再確認できる
人の創造物も、人を動かすものだという証明
人工物も無価値じゃない
経験から言わずにいられないのか
今度は議論とならず言いたいこと言って終了
いやあヒヤヒヤした!
だって隊長、彼女が研いだ剣で斬りつけてきそうな雰囲気でしたから
貴様達の整備のおかげで使いやすくしてくれてありがとう!
シュミットは何を想ったか
ただ私は、ドゥラカがちゃんと考えて「議論」してくれるのは嬉しい
彼女は思考し、ちゃんと議論する
その点がシュミット初登場回の異端と違う
考え続けてくれる
そこに人として好意を感じます
ヨレンタさんの頼み事
ヨレンタさん『それ……、もう使わないから』
夜、懐かしの天体観測をするヨレンタさん
第三章初の観測場面?
際しドゥラカ、ヨレンタの頭巾を気に入り「厚かましく」貰い受けてしまいます
ヨレンタのトレードマークな頭巾
布に一家言あるドゥラカ
我知らず"形見分け"を受けてしまったか
ヨレンタ『先人への配慮』
ドゥラカは、石箱からオクジーが書き写した"ポトツキへの利益分配"を託されます
ただポトツキさん亡くなって久しい
それに託されたのは小瓶
どんな利益が託されたんでしょ
ヨレンタ『あなたは若いから』
略『今はあなた達が歴史の主役だから』
『だからあなたに託す』
何故自分に託すのか、困惑するドゥラカ
あなたが今の世代だからだと
新しい時代を作るのは老人ではない!!
かつてヨレンタ自身が、若者だったと思うと複雑ですね
視聴者の中では14歳の印象が強すぎる
しかし中世期における39歳
仮に生き延びても
もう長くないのも確かなのでしょうね
ヨレンタの歴史認識
ヨレンタ『人は……、先人の発見を引き継ぐ
それもいつの間にか勝手に
自然に』
『だから「今」を生きる人には、過去のすべてが含まれている』
しかしヨレンタ、頑として譲りません
人は否応なしに歴史を受け継ぐ
色んな人が繋いだバトンを、次の世代へと繋ぐ
人は誰だって「当事者」だと
若者が何かを受け継ぎ託すのは、人としての義務だという事でしょうか
人は先人から何かを貰って生きてる
教育とか社会そのもの含めて
それを次の世代に託す時点で、必ず何かしら影響が残る
中でもヨレンタさんの考えは壮大ですね
ヨレンタ『歴史は神の意志に成り立っている』
略『聖書に書いてある』
『"神はこの世にある悪を善に変える"、それが神の意志』
『神は人を通して、この世を変えようとしている
永い時間をかけて少しずつ……』
『この今は、その大いなる流れの中にある』
『とどのつまり人の生まれる意味は』
『その「企て」に
その試行錯誤に、善への果てしないにじり寄りに
参加するという事だと思う』
人類は、社会はより良い方向に向かっている
それは聖書にある「神の意志」なんだと
ヨレンタ曰く、歴史とは世界を良くする為の善の歩みが築いたもの
神は世界を良い方向に持っていこうとしている
人はその遅々とした実働担当なんだと
悲劇さえ“善"への道筋
全てに意味がある
それが「歴史」だと言ってるのか
レヴァンドロフスキの妹は十歳で重病、自身の無意味さに絶望し死んでいった
でもだから兄は世直しを始めた
レヴァンが救うのは妹の犠牲があったから
生まれた意味があったという事か
当人には辛い事でしかなかったとしても
ざっくりした物言いに好感
もちろんヨレンタも承知しており、自分には具体的だと即答します
抽象的だなんて全員に言われてそう
略『全歴史が、私の背中を押す』
たとえばヨレンタの父は異端審問官
対決したら必ず動揺する
ですが歴史とは、より良い結果を導く過程だと認識しているから
だからきっと正しい決断ができる
歴史認識が決断を後押しする
世界はより良くなろうとしてる、その「流れ」が自分を正しい答えに導いてくれる
そう認識できるのがヨレンタさんの強さか
ヨレンタの本音、本当の動機
『なんであの本の為に、そんな理屈こねてまで……!!』
ヨレンタさん『あっ……』
思えばこれが正解だという事か
ヨレンタさんはただ地動説の本を出版したい
その為なら、狂信者めいた理屈をこねてでもやり通してみせるんだと
それが「自分の本音」だったのだと
言われて気付かされたらしい
ドゥラカは、本質が見える子なんですね
ヨレンタ『私は地動説を愛してる』
『そして、愛してしまったことを祝福したいから』
するとこれが本音か
ただ地動説が好きで、その本を出版したい
愛したことを肯定したい
その想いで理論武装してきたという事らしい
やたら理屈っぽいのはそのせいか
ただ愛の為に生きて死ぬ
ドゥラカにはとても許容できない生き方か
幼稚とは言い得て妙
『だからあなたが乗り越えて』
以上で対話終了
ヨレンタは、より良い生き方を見出して欲しい
そう若者に望んでいるだけか
それが「歴史」に望む事でもあるのね
異端審問官、襲来
ギリギリでかぎつけたヨレンタは、自身が囮になって残ると言い出します
そう騙してドゥラカを先に行かせたか
他方追跡者にはノヴァクが
あらすじには二人の再会が言及
本作の展開上、少なくともまだ解かりあってハッピーエンドなんてありえない
どんな悲劇かハラハラさせられますね……
アッシュ審問官『貴様は異端解放戦線の組織長であるかッ!!』
ヨレンタさん『いかにも! 私が組織長だ!!』
最期に自身の「歴史」を思い浮かべるヨレンタ
これが黒歴史だ!!
やがてノヴァクが馬車から下車
タイミング上、彼女は父が見えたんでしょうか
見えたんじゃないかなと思います
最期は穏やかに笑ってた
その笑みは、父に向けられてたのではないでしょうか
アッシュ『……え?』
『か、火薬……? まさか、自分で?』
当時最先端技術である火薬で自爆
まるで松永久秀……
かつて火刑と偽られ、そして自爆
敬虔な彼女が、遺体の残らない「最大の罰」を自ら選んだのも重い
正直思いもよらぬ最期
また彼女、誰も巻き込まずに逝ってしまった
元々そうするつもりだったのか?
ヨレンタは父が自分を見た瞬間に自爆
父を想ってでしょうか
思うにヨレンタは、敵を口八丁で引きつけ巻き込むつもりだった
そのくらい非情だと思います
ですが父がいた為、即座に起爆したのかも
自分だと気付いてほしくない
父をこれ以上苦しめたくない
本も出版したい
その為の「最善」の行動だったのかなと
『確実なのは、新しい技術を用いて恐ろしい事が目の間で起こったというコト……』
『そして、組織長は死んだというコトだ』
因果にもヨレンタさんは右手だけ残った
ノヴァクはその手を握り決着宣言
まるで娘とそうした時のように
もしかしたらすべて理解したのか?
少なくともこの終結宣言は、ヨレンタさんが狙った結果にかなり近い
追手も出してないようですし
ヨレンタが自爆した意義
シュミット『自爆する事で、あの本が生きる可能性が高まるなら、そちらを選ぶと』
逃走中、シュミットがヨレンタの意志をドゥラカ達に説明へ
自爆は解放戦線は終わったと思わせる為
今後、本“流通"を教会改革派に依頼
際し解放戦線としてだと、彼らに協力を拒まれる可能性が高い
だから別組織になる為、瓦解を象徴付けた
教会独立派と組む為の腹案がコレか
前に言ってましたものね……
シュミット『信念の為、名誉ある死だ』
略『いずれ直面するはずだ』
『信念を貫く難しさに』
『信念には対価が必要、命を賭けられないなら口だけだ』
『ここから先は、情と両立して進める領域ではない』
ようこそ……『信念』の世界へ……
ヨレンタは己の信念、本出版へ自爆した
シュミット曰くそれが信念
信念を貫く為に、行動で示す難しさだと
そしてドゥラカに、君は信念を貫く覚悟が出来ているかと突きつけるのでした
対し彼女、ここまで過酷とは知らなかった
その場違い感があまりに危うい
騎士『そこの馬車止まれ!! 全員降りてこいッ!!』
しかし覚悟の暇もなく、騎士達が臨検へ
これは単なる不幸か?
それともフライの裏切りと差し金か?
人の愚かさに嘆いたシュミット、死ぬ理由に苦悩するレヴァンドロフスキ君
二人も信念への犠牲を払う羽目に?
それともフツーに切り抜けるのか?
フツーにあっさり突破?
次回、第21話
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