異世界ちゃんこ 10巻[神さまのごはん]クルシカ王国編・完!!

2022年11月15日

公式あらすじより引用

あらすじ・内容

クルシカ王位継承御前試合の最中、アイシャ姫の従者・ルウによって国王が暗殺されてしまう。
なんとルウの正体はとある恨みから生まれた邪神だった。

攻撃の矛先は国王を殺され絶望するアイシャへ。
彼女を守るため邪神に立ち向かう高良山たちだったが圧倒的な力の前に防戦一方となる！
そんな中、突如『神の肉』が出現し・・・！？

最強力士のモンスターグルメ冒険譚、ついに１０巻突破！
★単行本カバー下画像収録★
応援店共通の描き下ろし特典ペーパーを収録しております！

著者：林ふみの(著)
初版：2022/11/7

いよいよ明日7日
最強力士・横綱（仮）の異世界モンスターグルメ冒険譚
『異世界ちゃんこ　横綱目前に召喚されたんだが』
コミックス10巻が発売！
ついに大台突破🎉
クルシカ王位継承騒動編も完結です！

書店特典情報はこちらからhttps://t.co/M2ysx63w0C pic.twitter.com/6vJPGPdOQO

— 竹書房「ストーリアダッシュ」編集部/毎週金曜・正午更新 (@storiatakeshobo) November 6, 2022

喰われた神を巡る騒動、クルシカ王国編に幕

表紙で鮮やかに輝く神々しい銀シャリ!!

まさかコイツが、"神様を調理した"のだと誰が思うでしょうか!?

新米ならぬ神米!?

同じくいい笑顔で食べていたエリス王子

皆に愛された彼ならではの決断

犠牲を伴う決着がビターな巻でした

全くその通りだった決め台詞が熱い!!

今回高良山は、"家族同然"の皆へ体を張った

その“家族たち"も頑張っていた

ラストの熱気に、"この人たちの為に頑張ってよかったな"と心から思えたのも素敵です

ですが涙する高良山が切ない

誰かの為に戦い涙する、彼の人柄も胸を打つ巻

負った心の傷はどう癒やすのか

第41話「死ぬ気で！」

黒幕ルウの正体は、この地「クルシカの神」の憎悪が分化したもの

かつて人に食われ、呪った憎悪の化身か

騒動は彼が復活を図ったもの

実はクロちゃんのグローリー・エンペルも「復活する為、力を取り込む為に襲った」と判明

一連の事件は繋がっていたのか

私を助けないでと叫ぶのが痛々しい

死ぬのが心底怖い、唇を噛む描写からそう感じます

怖いけど責任をとりたい

決意が伝わる描写でした

高良山の人として真っ当な声掛けが熱い

高良山の“人柄"が本当にいい、命を粗末にしないのがいい！

色々ばっさり切り捨てがちな昨今

命をとことん惜しむ姿が印象的です

土壇場で彼女を救ったのは、なんと母親が残したという呪印

母はちゃんと愛してくれていたんですね

彼女の母は、王家の血統として「産む機械」を強いられた人でした

だからアイシャはこの国を変えたい

ですが母当人も愛してくれてたのか

土壇場でなんてサプライズ!!

姿を現した「神の肉」

邪神ルウ大暴れで玉座は崩壊、際し「王が代々食べる」という神の肉体が露出へ

大事な物だから玉座の傍にあったのか

しかし歴代王が食べ続けた肉

あの「神様」の肉!?

大丈夫なのかと思いきや

実は見る者により、見える形が変わるもの

良かったグロいものじゃない

女神クロちゃんが言うのは「この神は愛されたいから」そう見えるらしい

神さまってのは伊達じゃないんですね

親しみやすいのが多いですけど

第42話「最後の晩餐」

幸い、時間の女神クロちゃんが匿い「食べる」時間を作ってくれました

神の肉＝力と呪い＝王位はエリスが継承

曰く自分が呪いを終わらせると

全部食べて、もう誰も呪われないようにすると決意していたエリス

ですが王が、神の力がこの地を維持してる

全部食べて大丈夫なのか…？

高良山『ああ―― あの塩だ――」

なるほど力士と言えば塩、塩にぎりか!!

また塩は邪気を払う

意外ですがぴったり、それこそ最終回案件になりそうな料理でした

高良山いつも塩を舐めてましたものね

目線を合わせ、語り掛ける高良山が優しい

モリモリ食べるエリス王子が健気

コマ割りが敢えて単調で、"一口一口、エリスは死に向かっている"と

これが彼の最後の晩餐なのだと

そう感じさせるコマ割りでした

彼の覚悟へ、頭を下げる高良山も重い

敬意を感じるコマでした

完食時にクローナ様が力尽き、通常空間に復帰

なんとエリスに世界樹が発芽

神の肉を大量に取り込んだ事で、新たな神に変わり始めてしまったのか？

彼が「人」に戻れると信じて守る!!

高良山の覚悟にも痺れる!!

第43話「国譲り」

エリス王子は土に覆われ女神クローナ戦闘不能、頼れるのはアイシャ姫でした

ですが邪神ルウ、彼女の罪を責め立てた

彼女の罪深さの再確認か

また彼女は、クロちゃんを庇って右足を失う重傷まで負います

これらが彼女の「罪と罰」なのでしょうね

彼女は決して無罪ではないから

歴代の王が食べた部分が、首から上に相当してたのか

意外なのは神自身は恨んでない事

神話はほぼ事実なのね

神視点からみた「人間」と後悔

神自身は、ちゃんとした土地を人間達に与えられず悔いていた

皆が失望するのも仕方ない

私は嫌われて当然だ

ごめんなさい…と

めちゃくちゃいい神様だった……………………

エリスの決断は「この神さまに、歴代の王と民に代わりおかえしをしたい」という思い

神の力を取り込んだ彼自身を「神」に返す

神自体を復活させるのか!!

自分自身を犠牲にして!?

対しエリスは、作中屈指の「愛された子」

だから僕の顔をあげます、きっと皆も愛してくれるのでは？と

これが彼の到達点だったのか…

彼の為に、本命だった王子が継承権を捨てた時は本当にびっくりしました

そんな愛され王子だからこそか

ですがなんと優しい決断だ……

王国騒動、高良山はずっと巻き込まれっぱなしでした

ルウは「あなたは怒っていい」と唆します

異世界人である彼は「他人」

高良山自身、そう言った事もありましたし

対し高良山、ちゃんこを喰った皆は俺の家族だ

横綱だから負けられないと宣言!!

弟弟子を可愛がったり、皆を家族と呼ぶ高良山らしい宣言!!

また横綱だから意地を張る事

横綱への周囲の期待、誇りを「意地」に変える論法がカッコ良かった!!

横綱の勝敗は自分個人だけのもんじゃない

負けたら皆をガッカリさせますものね

対し高良山、答えは出てないと言います

ですが答えの一部に思えました

横綱とはチャンピオン、"横綱は勝って当然"という期待に応え続ける過酷な立場か

横綱になったら負けられない

終わりでなく、過酷な戦いの始まりなのね

第44話「再生の樹」

高良山がルウを下したその時、エリスが「世界樹の化身である神様」として再生

際し高良山、謎の防御術も発動!!

その名も横綱三段構え 下段 防御の体!!

なんかファンタジー技が!?

前に四股で発動したものの同類!?

上中下を本然、攻撃、防御の体と称するもの

その「下段」がファンタジー技に？

出した当人が一番ビックリしとる!!

女神クロちゃんが促した奇跡

神々、世界樹の力を借りたもの？

見開きで迫力あったなぁ!!

エリス王子の結末

邪神ルウは封印、エリスは神の一部へ

いずれ完全に神となりエリスは消滅

神が蘇った事で世界樹も茂り、"王が神を代行する"必要もなくなりました

エリスはいわば国の一部となった

まるでエルナサーガだ…………

事実上のエリスの死、アイシャも右足を失った

先王以下多くが死亡した

何より子供エリス達を守れなかった事は、高良山に深いトラウマになってしまったらしい

今回は国一つがかかった大騒動

犠牲が出るのは当然かもしれません

エリス自身が望み、人柱になってでも守りたいと思ったかもしれません

ですがやはり「死」は重い

街の皆は助け合ってたくましく生きてました

エリスも皆を助けてくれた

更に、被害者だった港町オーレンダムの人達も救援へ

だって困った時はお互い様だと

本当、この人たちの為に戦って良かった

そう思える明るい結末でした

国は崩壊も良い方向へ向かっていきそう

アルザス兄王子も健在ですし

街の為、食材を大量輸送してきたギルド長！

男前だったなあ！

食べたら皆元気になるもんね!!

カリーンもここぞと再登場でしたわ

最後は味噌でオーソドックスなちゃんこを作り、幸せな時間となりました

が、やはり高良山が負ったトラウマは深い

この傷が今後、何を左右するのか？

支えようとしたイーリスも健気でした

次は物語の出発点、神島に帰還し召喚魔法の研究に励む事に

問題はまず三姉妹の借金？

また何より、高良山はこのまま帰って良いのかという事か

そこに今回の後遺症が関わるのか？

イーリスの事ホントどうするのか…

あとがき＆カバー裏

カバー裏ではエリス王子大活躍！

いきなりコントにしおった!?

また今回、神さまの「ごめん」とかみんな精一杯で熱い巻でした

熱いし失われた命が悲しい巻

あとがき曰く同時期にネコが亡くなり、そのきょうだいまで後を追うように逝ってしまったとか…

先生のメンタルが心配になる巻だった…

新しい子を迎えたそうな

つまりほぼタダ!! 初期巻はお色気要素強めですね

また4巻はとにかく「楽しい」巻!!

レギュラーだけでなく、街の人も好奇心が強くて大騒ぎするのが最高ですわ

現代編・弟弟子の中丸回も収録ですし