水星の魔女 ヴァナディースハート 1巻 感想[ガンダム・ルブリス・ジウ]心を育む地球の旅 ネタバレ

機動戦士ガンダム 水星の魔女 ヴァナディースハート 1巻 感想

公式あらすじより引用

落日の地球を征く、“魔女と使い魔”の物語。『水星の魔女』公式外伝!

すべてのガンダムを否定した「ヴァナディース事変」から5年後――。“呪い”と称されたそのモビルスーツは、地球の大地を駆け巡る。『幼女戦記』の東條チカを迎えて贈る、『水星の魔女』初の公式外伝漫画!

公式サイトはこちら

著者:東條チカ
シナリオ:米山 昂
初版:2023/7/26

A.S 105年 ミオリネ誕生頃の地球、少年と女医のロードムービー!!

水星の魔女 ヴァナディースハート 1巻 感想

本編のエリクトやスレッタと重なる物語か

本作版ガンダム、GUND-ARMは操縦性が高い

たった四歳の子供でも、精鋭部隊をたやすく撃ち落とせるほどの強さがある

子どもの心に不似合いな強さを与える機体

扱うには心の成長が不可欠

本編「やめなさい」や「ろうそくみたいできれいだね」事件のような

アンバランスゆえの悲劇を防ぐ物語か

主役機ジウ、アンバランスな巨大腕もそれを踏まえたデザインなのね

画力の圧倒的な高さも魅力!!

MSはカッコいいしキャラも美しい!!

GUND人工心臓を持つ少年キユウ

不治の病であり、何故かジウを動かさないといけない境遇にある少年

しかも戦いを楽しむよう教育された

彼を真人間に育てる旅!!

心と人工心臓

併せてハートって訳ですな

家族を失ったGUND女医ヴィルダ

弟が不治の病となり、治療研究・GUND一筋に打ち込んできた天才科学者

弟を亡くし、同じ病のキユウに入れ込む

目的は「呪いを解く」事

つまりキユウをガンダムから解放する事?

己が弟の呪縛から解放される事?

それがヴィルダの目的なのでしょうか

第0話「PROLOGUE」

A.S 101年ヴァナディース事変、本編0話を新規ナレーションで描く第0話

人類は進歩する事を選んだ

絶え間ない技術発展

当時は輝かしかったものが、後に疎まれる事も少なくなかった事

本作の「GUND」もその一つという事か

ヴァナディース事変勃発

人の意志で直接動く機械義肢、機械の体を作る「GUND」の研究が実用段階へ

軍事転用したGUNDフォーマット兵器も実用化

GUND-ARM転じてガンダム

モビルスーツという人型兵器に、GUND技術はぴったりだったんですね

しかし企業集団「MS評議会」が反発

開発元ヴァナディース機関、同機関を買収・軍事転用したオックス・アース社が虐殺されます

本編21年前に起きた事件でした

本作のガンダムは乗り手を殺す兵器

GUNDは、パーメット粒子によって人体と機械の間でデータを直接やりとりします

粒子を通じて無線通信する仕組み

これが義肢のデータ量ならともかく

18メートル兵器の膨大なデータは、人体に負荷をかけて死なせてしまうというもの

粒子で膨大なデータを一気にやり取りできる

通称「データストーム」現象

これを制御できず廃人化するのが問題でした

パイロットを死なせる兵器ゆえ禁止

そう主張・抹殺を強行したのがデリング

後のベネリット・グループ総裁

MS評議会だけでなく、民意もGUND反対一色だったのが大きな理由でした

MS評議会は民意を代行した

なので市民にも英雄

戦って殺されるならともかく、乗るだけで死ぬ・体を蝕むのですから当然なのね

スペーシアン、アーシアン的な問題

本作は人類が宇宙進出し、宇宙側が富を独占してしまった世界観

従来は逆の構図が多かったものの

Gガンダム的な世界観ですな

しかしガンダムは地球企業が開発、彼らに軍事・経済力を逆転されかねないと宇宙が危機感

となれば完成前に潰すのが道理ですわ

GUND-ARMはあまりに高性能すぎた

その極致が、当時たった4歳の子供がドミニコス隊を一方的に殲滅した事

殲滅へ差し向けられたドミニコス隊は壊滅

しかしMS評議会も対ガンダム兵器アンチドートを用意

ガンダムは倒され表舞台から退場へ

開発者たちは皆殺し

生き残った者も指名手配となったようです

ガンダムはあくまで“企業の新製品”

量産され売買契約も一部成立してる程で、仕様も当然公開されていました

MS評議会は「無線妨害」技術で無効化に成功

しかし成功はGUNDが未完成ゆえ

事実、本編九話・十一話で克服されました

それが読めてたからデリングも焦ったんですな

今潰さねば取り返しがつかないと

異なる視点から俯瞰的に描写

ナレーション『「GUND」は私たちへの祝福のはずだった』

アニメではエルノラプロスペラ達の主観寄り

研究者視点、研究機関と「家族」を襲った悲劇が主観となってました

対し事件は、発展に伴う代償だと描写

この事件は人類の通過儀礼だったと

本作は人類が脆弱、より強い身体を得るGUNDは大きな進歩だと強調しています

大きな変化には反発が当然あるもの

ましてや「人類は心も弱い」のだと

なら愚行、悲劇が起きて当然か

みんな最善を目指しての事だけに悲しい

実際、後に本編でGUND-ARMは活躍

ガンダムに勝てるのはガンダムだけ

ガンダムが量産されれば、対抗する為にガンダムを量産するしかなくなるでしょう

そうなれば勝利者も含めて死屍累々

そして兵器の開発・販売企業、地球と宇宙の力関係も変わってしまう

影響があまりにデカすぎるんですな

デリング『これは道具でなくもはや呪いです!!』

デリングの主張は戦争はバカげている事が前提

命の尊厳にあふれた声明

これが根幹にあるからこそ、クワイエット・ゼロに走ったのでしょうね

被害を最小限にする為に皆殺しを強行

今も昔も彼らしいやり方か

GUNDは「強い肉体」を実現する技術

決して代替だけでない、宇宙環境に耐えられる強い肉体を実現する技術

ある意味ニュータイプの原義そのもの

だからこそ必要なものがある

心が必要だと描く物語か

ナレーション『でももう一つ必要なものがある 今からそれを育てにいこう』

『――心を

強くなった体に相応しい「ハート」を育てる話

なのでヴァナディース・ハート

人工心臓とダブルミーニング

続く1話、キユウはGUNDによる人工心臓が埋め込まれているらしい

しかしガンダムが必須な理由は何なのかね

演算のバックアップ?

五年後 A.S 105 地球

ナレーション『少年の心を育む旅が始まる

本編16年前、つまりミオリネ誕生

ガンダムを駆る少年キユウ・ラボット、その保護者でGUNDを扱う女医ヴィルダ・ミレンの旅

時期がちょっと意味深

ただデリングの方針転換はもうちょっと先

数年後ミオリネの母が亡くなった後

この二人はどんな旅となるのでしょうか

少年のときめき

幼いキユウの情操教育をする物語

その理由はまだ言明せず

どうもキユウ、無自覚にヴィルダに恋しているらしいものの

ただの憧れに終わるのかそれとも?

また主役機名「ジウ」は、ルーン文字ラストナンバーとする主張も見られるも詳細不明

中国語なら九を意味するそうな

キユウと被るあたり後者って線もあるのかね

コンビとしては相性バッチリ

というかヴィルダが生活力皆無、キユウが家事万能なので彼がいなくては生活不能

またキユウは世間知らずでやりくり下手

だけでも生活は出来ない

金銭や折衝などはヴィルダ

もちろん医療や整備

互いに互いが必須な関係なんですね

第1話「未成熟の心」

ガンダム 水星の魔女 ヴァナディースハート 1巻 感想

ヴィルダ博士は身分を偽装、何かの情報を求めて北東へ旅を続けています

しかし偽装に名前を借りた会社がテロに関与

臨検されるもキユウがガンダムで突破へ

キユウは力づくで解決してしまった

ガンダムがもたらす万能感が危うい

幼い少年の心に、強力で“何でもできる”ガンダムは不釣り合いで教育が必須だと

旅の目的を明示するエピソードか

キユウ『だって!! 俺と先生だもん!!』

『だから!! 上手く行くよっ!!

救いはガンダム頼みではない

ガンダムなら上手くいくとは言わなかった

力で解決する危うさはあるも

この方向性を伸ばしていくのが大事なのね

旅はヴィルダの偽装により順調

不運にもテロの影響を受けたも、ヴィルダのハッカー技能は大したものらしい

社会情勢を読むのも上手い

生活能力壊滅のダメ人間ではあるものの

優秀さも感じるエピソードですね

キユウの幼さ

ヴィルダがコーヒー好きだから、山ほど買ったら喜ぶだろうと短絡的に判断

彼女に諭される場面も

彼は家事は万能

頭はいいのに、論理・倫理は不自然に欠けてるのがアンバランスですね

五歳児くらいの考え方というか

理由らしきものは後で描写

相手の心を推しはかるよう諭す博士

コーヒーの件のように、キユウは他人の考えを読む・共感するのが苦手

一歩間違えれば大量殺人犯になりかねない

先生ってば責任重大ですな

キユウ『もちろん!! 俺なら瞬殺だよ!!』

臨検を受け、キユウは「皆殺しにすればOK!」と短絡的にルブリス・ジウで出撃

瞬殺とは文字通り殺すという事

ひまわり笑顔ダブルピースで言ってのける狂気

倫理観のなさを感じるエピソード

幸い、無血で突破に成功も

まるで子供がおもちゃ箱をひっくり返したような無茶苦茶な突破劇

戦闘能力と心が釣り合ってない

本来MSに乗せるべきじゃない

本編0話のエリクトと一緒

第12話でのスレッタとも相通じる事

ある意味、エリクトで描かれなかったテーマを描く物語なんですな

コーヒーみたいでおいしいね!!

少年の心を育む旅はまだ終わらない

本来、周りを傷つけちゃいけない事だとか

心は傷ついて学ぶもの

ちょうど人類がGUNDとの向き合い方を模索し、大量の犠牲者を出したのと同じことなのか

その「被害」がちょっとシャレにならない

教育は急務なんですな

ガンダム・ルブリス・ジウ

水星の魔女 ヴァナディースハート 1巻 感想

本来GUNDの人体拡張研究用MS

GUNDを使ったMSが、人の身体としてどのような可能性があるのかを探る非武装の実験機材

GUNDの呪いは未克服のはず

ですがキユウはケロっとしてますね

地球 警備用モビルスーツ(デミ系)

どうもデミトレーナーの系列機

デミギャリソンの廉価モデル

地球用なので実弾仕様、ビームは許可がないと使えない特別な兵器と位置付け

宇宙では薬きょうがゴミになるので実弾禁止

実弾は安いので地球では主力

ゴミになっても所詮アーシアンの土地だという判断か

対しルブリス・ジウは

巨大増加武装虎の手でビームを発射し、ビームを防ぐ別格の戦闘力を発揮

エアリアルのガンビットと同じ

実弾も全く怖くない様子

GUND-ARMならではの機動性ですね

第2話「一歩目への決断」

ヴィルダ博士『今まではそういうふうに教えられてきたんだろうけど

 戦闘は楽しむものではないの

キユウのアンバランスさは教育のせいか

本編でのスレッタと同様?

スコアアップへ動作経験を積んでる?

追手をジウで撃退、際しキユウが「これまでに受けた教育」が示唆

戦いを楽しむ教育をされていた

ジウとの紐づけ

ジウを動かすほど、キユウのGUND人工心臓に良い影響があるらしい

GUNDの呪いは問題ではないんですかね

エリクトと同類?

人間性を育もうとするヴィルダ

しかし問題は彼女がポンコツな事

彼女自身、教育や「他人とのつながり」に縁のない人生を送ってきたらしい

研究馬鹿が人生を説いているのか

本来なら不向きな事なんですな

A.S 96年 ヴィルダ博士の生い立ち

カルド・ナボ博士『事故による宇宙多孔(マイクロフィスチュラ)症候群はあまり例をみないね

両親を早くに亡くし、弟は多孔性症候群

その治療に研究一筋に生きた天才

天才過ぎて周囲に引かれるも、その実は弟の為に頑張るただのお姉ちゃんだったと

しかし努力の甲斐なく三年後に弟は死亡

亡くした弟とキユウを重ねてるのか

キユウの人工心臓

どうもキユウも宇宙多孔症候群で、その治療にGUND人工心臓を埋めたらしい

弟への研究でキユウを救った

彼女はGUND義肢の第一人者

ただそれが、ジウと結びついているのはいかにもおかしな話であるも

これも本編のエリクトオマージュか

ガンダムなくして生きられないのね

宇宙多孔症候群

現代でも、脳がスポンジ状になる狂牛病は広く知られています

原因は病原体への感染

同様に宇宙細菌、宇宙線の病でしょうか

侵された臓器をGUND臓器で代替

天才の所業ですな

二人の生い立ち

キユウがGUND心臓を貰いジウと紐づけ、MSで戦う事を楽しむ歪な教育を受けたこと

ヴィルダが弟を想いGUND研究をしてきた

研究以外はポンコツとなってしまった事

亡くした弟とキユウを重ねている

キユウを人間的に育てたい

二人の生い立ち、どうしたいかを描くエピソードだったんですね

キユウは「どうしたい」はあまりない様子

キユウ『俺たちには「その後の十数年」ってないんでしょ?』

どうもキユウは、難病の子供を集めた施設育ち

ある種の実験集団

たとえGUNDで心臓を補っても、長くは生きられないという事なのか

それともGUNDの呪いで死ぬという事か

キユウ曰く「俺“たち”」

彼は死ぬことも恐れてる様子がない

かなり偏った施設の出自

第1話曰く、どうもヴィルダはGUND研究者「シジマ」に庇われキユウを託されたのか?

すると同型機アノクタも同施設出身?

この五年で何があったのでしょうね

ヴィルダ『(キユウの)』

『(――いや 私たちの呪いは 絶対に解いてみせる)』

ジウ開発元はオックス・アース

するとヴィルダは、キユウとジウの紐づけを解除する「情報」を求め旅してるのかね

キユウは多分このままだと呪いで死ぬ

ガンダムに乗れば負荷で死ぬ

その前に彼をジウから解放したいのか?

キユウは見た目はピンピンしてるも

思うに、ガンダムの動作データ蓄積の為に強制リンクさせられてるんでしょうか

機関は単に研究用でジウを建造

それをオックス社がデータ収集に悪用した?

仮にGUNDの呪いが無効としても、ガンダムなしじゃ生きられないなら未来はない

彼を解放する為の旅なのかね

弟の死に囚われたヴィルダ

その解放に、境遇が似たキユウを救おうとしてるんでしょうか

弟の代わりに救うんだと

そんな呪縛からの解放?

ルブリスと子供

本編では、オックス・アース社製ガンダムと適合した子供のセットが登場

ルブリスとソフィとノレア

その前身となる事件?

またジウはミカエリス

アノクタはダリルバルデとファラクトに類似

関係性が気になる所ですね

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