るろうに剣心 北海道編 8巻 感想[斎藤一の行きつく先]札幌新選組哀歌に幕
るろうに剣心 明治剣客浪漫譚・北海道編 8巻 感想 ネタバレ
公式あらすじより引用
劍客兵器・雹辺双と斎藤、永倉の闘いに銃を手に割って入った阿部十郎。新撰組が斃せない人斬りを御陵衛士の自分が斃すと猛り、一瞬六射の林檎速射で雹辺に立ち向かう。それでも剣技で圧倒する雹辺に対し、永倉が剣客としての本領を発揮する！
因縁渦巻く闘いの結末や如何に──!?
著者：和月伸宏先生
初版：2023年1月4日
【コミックス本日発売】
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明治16年 新選組札幌同窓会に幕。斎藤が「変わらぬ」先にあるものは
隻眼の男、まさかの宇水さん弟弟子だった!?
最期に株を落とした宇水さん
ですが実は、伝来の武器を持っていれば負けてはいなかったと新設定
今期斎藤が重傷、愛刀を失ったのと重なる話か
ですが宇水さんは弱音を吐かなかった
なら弟弟子の誤解？
弟弟子のまっすぐな「理想への思い込み」は、斎藤に良い影響を与えるんでしょうか
宗次郎の軽さは笑っちゃうスね!!
その先にあるのは土方歳三と同じ「散華」だと
歳さんの強調は、斎藤に彼と同じ道を歩ませてはならないというテーマだったんですね
実際、阿部氏も剣心も「変わった」
皆時代に合わせ変化すべき
そんな普遍的な"正しさ"に逆行する斎藤の在り方に、どんな答えがあるのでしょうね
めっちゃ仲良く酒飲んでて何より
変わらぬ関係って奴だ!!
また新選組は"最強"として強さ・正しさを求め、少数精鋭化しすぎたのが敗因だと描写
山形有朋卿と正反対なんですな
有朋卿もまた濃いキャラしてますわ
実は沖田総司より年下だったとか、幕末研究が深まりイメージが変わってきてるんだとか
歴史って学問はホント生きものですね
まあ本作は本作だから!!
第43話「札幌新選組哀歌 其ノ八 北の都と阿部と永倉」
雹辺 双『新選組に敗けた雑魚連中が並んで記載される訳が有るか！』
『新選組の実力と雷名のおかげで
名が載っているだけで
良しとしろッ!!』
劍客兵器「部隊長」雹辺vs.元新選組
幕末で新選組に敗れた御陵衛士の生き残り、阿部十郎奮戦!!
しかし敵は「知らない」と侮辱
敗れたが故の評価が悲しい
ましてや、今も新選組に勝ちたいと練磨し続けた阿部ならなおさら
それでも勝てないからなお辛い
二刀流を振り回し、手数で圧倒する剣士
対し、六連射で一時は圧倒した阿部を「手数」で上回るのが謎
手数の謎がキーワードなんですな
『コイツは俺の必殺剣で真っ二つにしてくれる』
御陵衛士を馬鹿にされ、怒ったのは誰あろう元新選組
回想でも激戦だった御陵衛士戦
後世の連中が「結果」だけみて「負けた奴は弱い」と罵るというなら
一番腹が立つのは実際に戦った男達か
いつもヘラヘラしてる永倉先生が本気だ…!!
第44話「札幌新選組哀歌 其ノ九 龍尾の剣と雹辺 装」
『俺は悪・即・斬はしないよ』
一説に新選組最強格と謳われる永倉本気回!!
必殺技は「龍尾」
これを重ね、威力を跳ね上げる戦術らしい
今回は受・崩・殺の龍尾三匹!!
永倉新八当人は「この歳じゃキツい」とさっさと切り上げてしまったものの
まだまだ上がありそうな技ですね
真っ二つにされた部隊将・雹辺は戦闘続行
二人羽織が手数の秘密か
ですが分離後は、自由に動けるぶん速度が跳ね上げるとの事
実は部隊将「二人分」の実力者!!
和月先生らしいクラシックなトンデモさですわ
シンメトリカルドッキングや!!
第45話「札幌新選組哀歌 其ノ十 新選組と雹辺二人」
斎藤一『"蟷螂の斧"に刈り取られろ
それが死神気取りの貴様にふさわしい
死に様だ』
部隊将雹辺は兄の自害、弟敗北を以て決着
転機は“負け犬"阿部の銃でした
彼は斎藤達ほど強くはない、だからこそ"俺たちでも戦える"と警官隊を奮起へ!!
本作、警官隊は“やられ役"じゃあない
総力戦がアツい回でした
阿部は最後まで勝ちはしなかった
ですが斎藤達に劣らぬ活躍!!
面白剣客警官隊まで見せ場があるとは驚いた!!
エンバーミングを思い出しますね
登場人物制作秘話66 雹辺双
部隊将初の敗北キャラとして設定
ゆえに強さの匙加減に苦労との事
個人的には髑髏の迫力が好きですが、先生曰く「オーソドックス」と反省点だとか
設定的にはコンセプトを煮詰めて誕生
職人芸を思わせる誕生譚ですな
第46話「札幌新選組哀歌 其ノ十一 北の廓と昔馴染み」
阿部・妻『一体何処へ!?』
阿部 十郎『油小路』
阿部は、向き合い続けた過去にもう一度挑んだ
そしてもう二度と行かない
林檎を育てる
過去と決別する阿部氏が清々しい回でした
前回の「常人たちの奮起」といい、新時代を感じるエピソードですね
過去となった新選組と未来を繋ぐ物語か
手柄は偉いさんが持ってったなど後日談
元新選組勢が集って酒盛りに
際し新選組の敗北は、最強を極め"削ぎ落す"事を繰り返した結果なのだと
負けて当然だったと述懐がほろ苦い
本作の「敵」劍客兵器とも似てますね
ああした、弱さを否定する組織は駄目だと？
彼らの末路と重なるのか？
過去、強さに囚われる虚しさを感じた札幌編
ですがやはり斎藤は変わらない
それでこそ斎藤か
色々理屈はあれど生き様そのものですものね
ラストは内通者が前野だと明示
一番フツーっぽい人が一番狂ってたパターンか
すんげえ目してはる!!
ですがその内心は切ない
強さは「周囲」も狂わせるって話か
登場人物制作秘話67 阿部十郎
当時、札幌に元新選組が三人もいたのが発端
中でもキャラ立ちで選んだとの事
いかにも露悪的なキャラだけに、その一本気な本質とのギャップが素敵でしたね
ところで外見の元ネタはスネ夫との事
国民的キャラだった!?
第47話「札幌新選組哀歌 其ノ十二 恩讐の都と新選組」
回想 新選組・永倉新八『昇り龍尾沢山ッ!!』
全盛期のガムシン強し！
雑なまでに強し!!
回想、最強の新選組たちは強かった!!
同じく元新選組で豪商・前野は、"弱かった自分"を京に似た札幌の街並みから連想
街自体を憎み凶行に協力したと
共に碁盤目状の計画都市
その街並み自体が憎悪の元だったのか
永倉は彼を許し、街の発展に尽くせと離別
軽く後日談を挟んで幕へ
前野は改心しましたが、暴発事故で死亡との事
生きろと言われた男の最期が事故…
和月先生も不慮の死と明記
事件を経て、生きて償おうと必死にだった事を感じるエピソードでした
因果応報というには悲しい最期
劍客兵器「傷の男」の正体
『伊差川 糸魚!!』
『五年前 貴様が殺した魚沼宇水の！弟弟子だ!!』
新章・宇水の弟弟子、斎藤に一騎打ちをへ!!
令和の世に宇水の関係者!?
正直最後、盛大に株を落として負けたのが印象的だった宇水さん
その払拭を兼ねたキャラでしょうか
土方歳三じゃなかったの!?
登場人物制作秘話68 御陵衛士 新選組 阿部家の人々 他
とかくモンスター服部先生が印象深い!!
曰く全くの嘘ではないのだとか
それでも後世に名が残ってるかと言うと「微妙」で、そこが肝になってましたね
また「阿部家」は対比
斎藤達に対し“人間味"を際立たせる役割があったそうな
最後の念押しといい芯の強い細君でしたね
少し時を先送りし、剣心への説明として回想
斎藤一、愛刀を失い牙突が機能せず敗北
対し宇水さんも伝来の「黄金玄武」を使っておらず、実力を出せていなかったと新設定
宇水さんは実力を出せず敗れた
その無念を晴らしたいという動機か
なので不調と知りすぐ撤退したようです
もちろん当の宇水さんはそんなことおくびにも出しませんでした
なら弟弟子の誤解なんですかね
敵ですし思い込みが強く逆恨み
ですがその性根は、尊敬を軸にした真っ直ぐな青年だと感じます
宇水さんより強いんじゃないでしょうか
それが黄金玄武を残した訳？
また「理想を追い真っ直ぐ」
斎藤に良い影響を与える人物となるのか？
第49話「多忙な来訪者」
永倉新八『斎藤は変わっていない
いや変わらないんだよ』
斎藤は腕を痛め一時離脱、剣心と永倉が会談へ
斎藤は変わらない
その行きつく先は、土方歳三と同じ散華だと
本作「土方歳三」が強調されたのは、斎藤の未来像としてだったのか
メタ的に読者は変わらない姿が嬉しい
ですが先にあるのは散華
斎藤、変わらないまま変わる事がテーマなのか？
個人としては懐が深く柔軟、客観評価してくれる好漢
公人としては頑固一徹な政治家か
特徴は「影武者」
大久保利通の前例から、無数の影武者を擁し並行して動く人物のようです
ちょっとしたホラーだ!!
大久保利通卿を殺した宗次郎がいるのがシュール
相変わらずノリ軽いな宗次郎!!
公人として殺されちゃう!!
その思想は「現代戦は数」
猛者相手に1000人でダメなら2000人だと
本作的にはダメな戦術
剣心たちは止めようとしますが、案外有効になる流れなのか？
有朋卿めちゃくちゃ有能そうですが…？