チ。13話 感想[塔の二人]オクジーを突き動かすもの ネタバレ ―地球の運動について―
チ。―地球の運動について― 第13話「『自由』を」感想
公式あらすじより引用
自らの命を賭してバデーニを逃がし、ノヴァクと対峙するオクジー。戦いの末、瀕死の重傷を負ったオクジーは長い夢を見る。目覚めるとそこは異端審問所の医療施設。ノヴァクがオクジーから話を聞き出すために敢えて生かしておいたのだ。だが、命懸けで何かを守ろうとした者に恐らく拷問は通じない。そう考えたノヴァクが取った行動とは――。
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拷問開始、二人に逃れる術はあるのか
証拠がなければ吐くまで拷問されるだけ
つくづく野蛮極まる異端審問回
ただバデーニが、本当に研究資料を隠しているかもしれないのも肝
本当にラファウの資料は失われたのか?
また先日、バデーニは浮浪者に依頼をした
資料は燃やし、彼らの頭に残した?
ラファウという前例がある以上、死は避けられないと感じてしまうも
どんな形で受け継がれるか気になりますね
高い高い塔から外を見ていた二人
あれオクジーだったの!?
オクジー夢の姿
彼が夢を叶えた姿、大学生になれた人生を夢見たのでしょうか
現実感がない、完全な夢なんですな
オクジーが求めたものは
サブタイ回収「自由を」
研究も天へ至る塔も全ては、自由になりたいという欲求の産物か
ただ思うがままにに生きたいと?
数々の「こんなことして大丈夫か?」という縛りを越える事?
人は望む事をしたいと望んでいる
何かと禁忌で縛る教会との対極か
ノヴァク、十年前にラファウに死に逃げされ研究資料を押収できなかった事を後悔
その産物、バデーニ達に敵意
また彼らが娘を巻き込んだ事を憎悪
いつキレて、ヨレンタさんを拷問すると言い出すかハラハラしましたけれども
どうも彼女への愛は本物か
本当に本物?
いずれ娘が拷問され後悔するのかね
冒頭 オクジーvs.ノヴァク
二人の激突は、オクジーに軍配
序盤、戦闘技術ではノヴァクが優勢
彼の独特な形の剣は、柄が刀剣破壊に特化した代物だったらしい
剣を刈り取る形をしていたのか
オクジーは類いまれな「眼」で、前回のノヴァク戦で見た太刀筋を利用
ノヴァクの剣に、己が右腕を貫かせ固定
押し倒して勝利寸前へ
技術と根性の勝利!!
まさに「死ぬ覚悟がある」強さでした
『“死ぬ怖さ"なんて!! この世を肯定する怖さと比べたら軽いものだ!!』
この場合、天動説を肯定する怖さのこと?
教会が規定する“この世"、天動説
天動説に従えば、人は天に見下された下賤な世界で生きているという事になる
一生、空の星々に見下されて生きる
あの恐怖に戻りたくない
その想いが彼を突き動かすのか
オクジー、唐突に射られ困惑
駆けつけた新たな審問団四人に、クロスボウでハリネズミにされ敗北
やはり戦いは数だよ兄貴!!
オクジーは捕縛へ
これからが本当の地獄だ……
いや死ぬ覚悟どこいった!!
死ぬ覚悟がある奴が強いんだが持論
しかし当人は死にたくない
その人間臭さが不気味まである
雲を貫く「塔」
司祭『授業は終わったよオクジー君』
司祭に起こされ、困惑する学生オクジー
彼主観ではこれまでが夢だと
司祭に教えを乞う学生オクジー
彼の知識の範疇では、教授でなく司祭が学問を教えるものなんですね
ラファウの教師・義父も牧師でしたし
司祭『公にしなければ、どうやって議論するのだ?』
まったくその通り
学問とは議論で深めるもの
前回オクジーが唱えた主張そのもの
主張を口外できない、議論ができない社会は歪んでいるなと改めて感じますね
そしてそれは現代も例外ではない
ここはデタラメに高い塔!
まるでドラクエⅣ
天空へと続く塔、司祭が地球が丸いことを「この目で確認する」為に作らせているもの
これもオクジーと主張と重なりますね
地動説は論理的には正しい
しかし地球が回ってるなんて、"体感的には"信じられない
司祭も体感する為に塔を作った!
まるでバベルの塔ですわ
オクジー『こ、こんなもの建てていいのですか!?』
バベルの塔!アウトですよ司祭!!
キリスト教、旧約聖書では「天へと続く塔」は神への挑戦であり不遜の象徴
曰く怒った神が言語を分け、結束を絶った
今語学に苦しむのはこの愚行のせい
許せないですねえ!
人は「大きな理念」で動いている
司祭『いいかどうかというよりも
そもそも、止める事が出来ないのだ』
略『君は何故、地動説を研究した?』
略『君はもっと大きな理念で動いている』
『いや、動かされている』
略『人は元来、それに憧れ、それを欲するように設計されているのだよ』
天へ続く塔も、地動説研究も同じ事だと
人はある理念を欲している
塔も研究もその無自覚な表れだと
オクジーは塔はヤバいというも、司祭はある理念の為に作っている
地動説研究も同じ理念の産物
司祭は自覚的で、オクジーは無自覚
止めるなんて筋違いなのね
『“大きな理念"を求める事こそが、人間の数少ない尊さであると考えている』
略・オクジー『大きな理念って何に動かされているって言うんです!?』
司祭『それに答えるのは、君だ』
『君が心の底で憧れ、求めたものがある。それに気づき給え』
以上で夢から覚めるオクジー
彼は情報を吐かせる為に治療され、一週間昏睡状態だったとの事
もちろん吐いたら殺す
またノヴァク曰く、聖職者は処刑なんてしない
そういうのは世俗が担当するんだと
自分達が殺すと決めておきながら、聖職者だから殺すのは他人にやらせる
改めて何様感がすごい
ですが裁判官と死刑執行人みたいなものか
当時は宗教こそ「法」
そう制度付けられている
ノヴァクは教会における当たり前のことを話しているだけ
ただただ当たり前の話なんでしょうね
ノヴァクが本心から聞きたい事
ノヴァク『私はずうっと不思議だった……、なぜ異端が現れるのか?』
拷問前、純粋な疑問をぶつけるノヴァク
宗教的には悪魔の仕業だと
ですが実際に接している彼は、まともな奴もいると知ってるのでどうしても不思議だと
意外なまともさを見せるノヴァク
そういやそうでした
ラファウとの時も彼の言葉は人間的だった
ラファウの奇行に心底仰天してた
意外に「常識人」なんですよね
『何故それを自ら棒に振るような真似をするんだ?』
まるでかつてのオクジーそのもの
人は死後に期待すべきだと
ですがオクジーの場合、その教育によって絶望させられています
どんなに苦しい生活もここは地の底だから
地球とは宇宙の最下層
穢れた地だから苦しくて当然だと
黙って死後に期待しろと
そう教えられて苦悩し、天と地が同格だとする「地動説」に傾倒するようになりました
待て、しかして希望せよ!
とまれノヴァクも悩んでいた
彼が変化する兆し?
いずれ「主人公」になるのかね
次回、第14話
チ。―地球の運動について― 感想
チ。―地球の運動について― 第1話「『地動説』、とでも呼ぼうか」
チ。―地球の運動について― 第2話「今から、地球を動かす」
チ。―地球の運動について― 第3話「僕は、地動説を信じてます」
チ。―地球の運動について― 第4話「この地球は、天国なんかよりも美しい」
チ。―地球の運動について― 第5話「私が死んでもこの世界は続く」
チ。―地球の運動について― 第6話「世界を、動かせ」
チ。―地球の運動について― 第7話「真理のためなら」
チ。―地球の運動について― 第8話「イカロスにならねば」
チ。―地球の運動について― 第9話「きっとそれが、何かを知るということだ」
チ。―地球の運動について― 第10話「知」
チ。―地球の運動について― 第11話「血」
チ。―地球の運動について― 第12話「俺は、地動説を信仰してる」
チ。―地球の運動について― 第13話「『自由』を」
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