チ。第14話 感想[それは期待のしがいがある!!]オクジーとバデーニの物語に幕 ネタバレ ―地球の運動について―

チ。―地球の運動について― 第14話「今日のこの空は」感想

公式あらすじより引用

ノヴァクから苛酷な拷問を受け続けるオクジー。見かねたバデーニはついに自白してしまう。こうしてはるか以前から信念ある者らによって連綿と託されてきた地動説の資料は教会に押収され、バデーニとオクジーは死刑を宣告される。己の運命を受け入れる二人だが、地動説は決して終わらせない。その信念のもと、事前に仕掛けておいたある策に一縷の希望を託し、二人は絞首台へと上っていく。

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二人の処刑、ヨレンタを襲う理不尽

チ。―地球の運動について― 第14話 感想

やはり処刑は避けられなかった

本当、過酷だ……

地動説を存続させる策はあまりに低確率、でもだからこそ期待のし甲斐があるのか

それにこの空は地獄の入り口には見えない!!

かつてひたすらネガティブ

夜空を怖がっていたオクジー

利己主義の権化だったバデーニ

二人の変化がせめてもの救いでした

ですが、ラファウへの恨みと娘を溺愛するあまり二人を痛めつけたノヴァクさん

その報いというには苛烈な展開ですね

彼もまた教会を離れる事に?

バデーニの策

バデーニは浮浪者に食事を施し、彼らに「オクジーの物語」を覚えさせたらしい

知られたら異端の証拠にされる類いですが

逆に異端研究の伝承に使ったのか!!

バデーニ曰く感動を伝えるはずだと

それは、バデーニ自身オクジーの物語に「感動」していたんだって事なんでしょうね

ですがどういう風に伝えたんでしょう

ヨレンタ、拷問へ

新人レフとシモンが担当

しかし過激派であり、ノヴァクを嫌うアントニが政治的に利用

ノヴァクを追い落とす絶好の好機だと

それを聞いたシモンが叛意

自身の「信仰」で彼女を脱獄へ

ただ彼女の知識量は多く、逃走成功なら地動説存続へ影響が大きすぎる気もしますが……?

アントニはここの布石だったのね

実際は本当に異端研究者ですが

アントニの言動があまりにアレだったので「逃がそう」と新人審問官シモンが決断

実際は本当に異端

ある意味アントニの方が正しいのが皮肉

その少し前、言動がどう他人に影響を与えるか考えろと言ったアントニ

まんまブーメランでしたわ

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冒頭 オクジーへの拷問

バデーニ『まったくバカげている!ありもしない証拠の自白を強要されるなんて不毛だ!!

自白という手法の問題点

これは現代にも相通じる事か

十年前、ラファウの研究資料を押収し損ねた後悔から執拗な拷問にかけるノヴァク

研究資料はどこだ

対し燃やした、無意味だとバデーニは反論

さっさと次の処置、処刑しろと促します

ですがまさにその反応こそ、何か隠していると物語っていたのでしょうか?

いや身内がこんな目にあったら誰でも焦るか

ノヴァクもそうなるのでしょうか

拷問具・苦悩の梨

バデーニ『何してるんですか……、次の手続きへ行ってください! 刑の執行でも何でも!!

ラファウ編でも使ったノヴァク愛用の一品

相手の口に入れ、ネジを回転させ「開いて」内側から破壊するというもの

これから何が起こるか想像できる形

拷問具として効果抜群

口内を刈り奪る形をしているだろ?

ノヴァクの「動機」

バデーニ『それがあなたの望みか! これで娘に近づいた異端共への個人的な恨みを晴らせる!

『我々を合法的にいたぶる絶好の機会は今だけですものね!

ここでバデーニは気付いた、そもそも拷問自体が目的ではないのか?と

二人が異端なのはもう確定してます

異端が愛娘に近付いた

その怒り・私情で、リンチにしたいだけなんだろうと訴えかけました

多分それも一理あるのでしょうが

おそらくバデーニは、臨席する審問官に揺さぶりをかけようとしたでしょうか?

彼は本当に隠し事をしている

だからこれは誤魔化しだったのでしょう

自分は隠し事はない、ノヴァクは私情で動いてるから止めろと訴えていたらしい

さすが頭の回る人ですわ

しかしノヴァク、容赦なく"開口"

ノヴァク『口じゃ駄目か……、じゃあ次は目だな?

ノヴァク、まるで揺るがず

容赦なく「苦悩の梨」完遂

前回曰く、ノヴァクは経験上「何かを庇ってるか」が見分けられると言ってましたが

今回、本当に正しかった

そして断固として行う精神力がある

審問官として立派な人物なのか…?

以前の「新人審問官・魔女裁判」では

結局どこまで真実か分かりませんが

たぶん女性曰く「知り合いに聞いて」森に向かったのは本当の事だったんですかね

最初はその知り合いを庇ってたのか

いずれにせよ酷い話ですけれども……

バデーニを動かしたもの

バデーニ『こんなの……、信仰じゃない!

心底、宗教家として出た言葉か

信仰とは神を敬うものであって

人を痛めつける口実ではないと?

しかしノヴァクは取り合わず

オクジー曰く、信仰とは反論を許さないもの

彼の言葉は研究姿勢についてでしたが、今回まさにそんな感じでした

望む答え以外は答えではない

バデーニ『ある山の中腹にある石箱の中です』

略『すまないな……、オクジー君

バデーニ、なんと石箱をそのまま保存してた

彼の性格上ホントに壊したのかと

とまれせっかく耐えたオクジーにも、残念な結果となってしまいました

ですがオクジーにそんな気配は全くない

意外さが勝ったのか

バデーニが白状した理由は

バデーニ『解かってないな!

『あれが……、どれほど辛いか

目を潰される絶望を、オクジーに味わわせたくなかったんだと

バデーニは以前、右目を潰されてます

その恐怖が心底染みてた

だからだと

そして多分、オクジーに「友情」を感じたゆえだったのでしょうか

相当親しくても見捨てそうですし

ノヴァク『これですべて終わりだ……』

十年分の感慨を込めるノヴァクさん

彼としては達成感

しかし悪魔のような図式でしたわ

石箱を残した者は「異常」だった

ノヴァク『この箱を遺した者は、これを守る為に自ら毒を飲んだ………

『君はそこまでする異常者ではなかったようだ

バデーニに石箱へ案内させ、ラファウの事を語るノヴァク

そいつは箱を隠蔽する為に毒で自害

たった12歳でそれをやったのだと

改めてとんでもないですわ

バデーニ『やっと腑に落ちた』

ノヴァク『ン?

バデーニ『12歳でもなきゃ、世界を動かそうとなんかしない……

問題は天才、学力についてじゃない

メンタルの話か

普通は思いついても、何をバカなと一蹴してしまうだろうって事か

そんな大胆さは若者の特権だと?

こんな緻密な計算出来る奴が、どうしてこんなでたらめな発想に至れたのか?

そこがずっと疑問だったのね

フベルトさんって先達もいましたけれど

オクジーと共に投獄へ

バデーニ『ああ、私も驚きだっ

とは石箱を保存、しかも秘匿した事

我知らぬうちに変わっていた

オクジーも一切恨まず、割れた口を縫合された酷い有様ながら朗らかに接してしました

またこの傷跡、第一話のフベルトと同じ

同じ苦悩の梨、受けてたんですね……

オクジーの不思議な実感

オクジー『不思議な日々でしたが……、これですべて終わりですね

に際し実感がわかない

代闘士として散々殺し、散々「苦しんで死んでいく」人達を見てきたオクジー

その事が教会への疑問を生じさせました

でも今、その恐怖がないのか

ラファウの存在が与えた希望

バデーニ『つまりこの世では、予想外の事態が起こるってコトだ

石箱を残した男は12歳だった

驚くオクジー

その事実はバデーニの、いつも上から目線で決めつけてきたバデーニの考え方を変えたと

彼が密かに残した"地動説復活"の策

常識的にはありえない手法らしい

でももしかしたら、

希望を与えてくれたのか

ノヴァクが与えたというのも皮肉

バデーニ『地動説は、まだ終わってない』

略『復元されるのは、君の文章だ

オクジー『は……!?

最後にしても普段の逆

困惑させられたオクジー

バデーニは、どうも暗号として「オクジーの物語」が残るよう仕向けたらしい

以前「頭を借りる」と言ってた奴か

それもどうも単純じゃない

おそらく、襲撃時に必死で書いた「手紙」もここに繋がるものなのか?

暗号解読の手引書みたいなもの?

でも誰宛ての手紙なのか

今回、二人の投獄六日後のヨレンタさんに手紙が届いた気配はありませんでした

またそもそも彼女は確実に疑われる

疑われない者のはず

逃亡先に明確なアテはないようでしたし、古巣には目を潰された絶望を語っていましたし

なら「傷」の原因になった人とか?

或いは同僚クラボフスキさん?

バデーニ『君の文章は論文としての価値はないが』

『それゆえ伝わる可能性が高いだろう

略『感動だ

『それさえ遺せれば、後は自然と立ち上がる

あの本に、そこまで感動していたのか

以前オクジーが書いた本を馬鹿にし、暇つぶしがてら開いていたバデーニ

直後妙にあっさりと場面転換

あれはあの後、感動していたんですね

彼の価値観を変えていた……

バデーニには何の得にもならないが

バデーニ『たとえば……、歴史とやらがそうらしい

自分の利益にならずとも後に託す

それは無益だとバデーニは思ってました

でもそれは「無益ではない」

後に託して報われること

それが「歴史」だと

その思いを、ピャスト伯から受け継いでいた

自分の利益にならずとも、後世に活かされ利益になった数知れない先人の積み重ね

それが「歴史」というものだと?

そもそも人は必ず死ぬ

人が自分個人の利益で動いていては、成就しないものがあるだろうという事か

今、ピャスト伯と同じ気持ちなんですね

バデーニ、オクジーの処刑

バデーニ『(存続の策が上手くいく可能性は)非常に低い

オクジー『それは素晴らしい

バデーニ『あ?

オクジー『最期に期待のし甲斐がある!!

処刑目前、またも意表を突くオクジー

同僚グラスさんの願い

この世に期待できたらいいな

それはオクジーが、前向きになれたらいいなという意味の言葉でしたけれども

死に向き合ってさえ前向きでいられるのか

ありがとうグラスさん……

地獄への門か、天界への入り口か

オクジー『今、俺の目の前に広がるこれが地獄の入り口って景色には見えない

『今日のこの空は、絶対に、奇麗だ……

バデーニ『ふっ…、それを信じる事にするか……

これを最期に二人は刑死

修道士バデーニは、異端研究した自分は地獄行きだと思い決めていたものの

オクジーの言葉で前向きに

そのオクジーも、前は夜空が怖かった

教会の天動説では、地球は穢れた最下層の地だから苦しくて当たり前だと教えられたから

星が見下してくる目に見えた

だが今は違う

バデーニが教えてくれたから

地動説が実りある形に変えたのか

でもやっぱり生きて欲しかったですね……

ノヴァク『じゃ、火にかけておいて』

まるで鍋を火にかけておくような気安さ

キリスト教では人はいつか復活するから、そのとき身体が必要になると説きます

だから遺体を損なう火刑は最大の罰なんだと

最大の罰をなんて軽いノリ

やがて二つの星が落ちた

さよならバデーニさん、オクジー君……

ヨレンタと「父の後輩」

シモン『なあ……、信仰っていったい何だと思う?

と、疑問を持ったのは新米審問官シモン

同僚レフ、学者の考える事だと流します

現場は決められたルールで動くだけ

現代からすると他人事じゃないですな

言い換えれば、現代人も当時を決して笑えないのだと描いているのでしょうか

人って進歩しないのね……

シモン『それは……、その…、異端審問官です』

彼らが審問に訪れたのはヨレンタ

最悪の形で父の仕事を知る事に

二人も「何も知らなかった」と察します

ただ幸い、あくまで聴取程度だと派遣されていたんでしょうね

新人二人だけの派遣なんですし

シモン『審問官の娘に限って異端と協力なんて、ありえない話だっ♪』

幸い話はトントン拍子で終了

うーんこれは無罪

ただシモンとレフは、ヨレンタが「父の仕事を知らなかった」とまず間違いなく察していた

うまく自分をごまかした感じですね

司教の息子・アントニ

アントニ『君、少しは考えた方がいい! 自分の言動が他人にどういう印象を与えるか

『その結果、君の将来に何をもたらすか

しかしアントニが現れ状況一変

レフとシモンは反論も

以前シモンが「拷問できず、しかも後で有罪とわかった件」をあげ、お前は甘いと責めます

お前は甘いという"印象"があるんだと

これ自体は割と一理

日頃の言動が、自分の評価を決める

こういうとこ正しい人ですわ

アントニの拷問

アントニ『正直に答えてくれないと……、歯を抜く事になる

『女性はおしゃべりだろう?

『その口で悪魔と契約し、災いを生じさせるとの話があるんだ

ヨレンタ『それは確度の低い推論です!取り消すべきです!

アントニ『そらきた

と、いきなり歯を抜いてしまいます

あんまり

実際新約聖書におさめられた書簡「コリント」などに、それっぽい記述が存在

だからアントニには正しい

反論など許さない

まさに信仰?

いや、聖書を盾にしてぶん殴ってるって感じですね

どうも彼、冤罪上等みたいですから

余談ですがヨレンタさんは

当のヨレンタさんは、おしゃべりどころかいわゆるコミュ障なのが二重に酷い決めつけ

多分、だから間違いだと断言できたし

断言したからどもりが出なかった

なんとも皮肉な話ですわ

後を任されたレフだったが

レフ『指責めにしないか……?

『……顔を見たくない

ヨレンタの視線に耐えかね指責めにチェンジ

これが救い

いや悲劇なのか?

アントニの"冤罪"理由

指責め道具を探しに部屋を出たシモンは

アントニ『やっと私も好機が回ってきたぞ!

娘を異端にすればノヴァクは終わりだ・・・・・・・・・・・・・・・・・

略『私の存在感も大きくなる!

実は、ただの政治的判断だったと立ち聞きへ

出世の為に少女を殺そう

ノヴァクを重用する司教を落とす為の冤罪

それも司教は実の父

つくづくアントニは、人の心がないと思い知らされた場面でした

ヨレンタをただの踏み台としか思ってない

元々ノヴァクを嫌っていましたが

それ以上に野心あってだったか

アントニ『これで組織をもっと正しい方向へ導けるぞ!』

『保守的な姿勢では食っていけないっ

しかも食っていく為、守銭奴の発想だった

万歩譲って腐敗を正す為ならまだしも

むしろ腐敗に繋がる一歩

そしてそれが正しいと信じてやまない

救いようがないですわ

シモンは、自分がこんな人たちに判断をゆだねていたのかと思い知り絶望

しかしシモン、大丈夫なのか……?

金にうるさいアントニ

前から頭の良さ、合理性をひけらかしていたアントニ

商売人向きの性格なのね

冤罪上等の人間性が最悪ですけども

冤罪の為、こともなげに歯を抜いた

以降、どんどん歯を抜くようにと命じていたので特に気にしてないのでしょうけれども

アントニが抜いたのは前歯

以降、彼女は人前で歯を隠そうとするでしょう

人前でまともに話せなくなる

あまりにあっさりと人生を台無しにした

なんて傲慢な

シモン、単身でヨレンタを脱獄へ

ヨレンタ『あなたは何故!? こんなことを?!

シモン『……!!

『信仰って、なんだと思いますか?』

ヨレンタ『は……?

シモン『僕は、生き方だと思います!

【信仰】

《名・ス他》
神・仏など、ある神聖なものを(またはあるものを絶対視して)信じたっとぶこと。そのかたく信ずる心。

そして次回へ続く

信仰とは、よりよく生きようとする意志だという事でしょうか

上の決めた事に盲信する事ではない

聖書にはあれこれ書いてあるものの

それはより良く、他人を救える生き方が出来るようにと使うべきであって

他人を責める為に使うものではないと?

まして冤罪など信仰ではない!!

奇しくも冒頭のバデーニに回帰

バデーニ曰くこんなの信仰じゃない

そしてシモン曰く、信仰とは生き方

認めがたいですがノヴァクさんも、あれは「世界を良くする為に」心底真面目なんでしょうか

次回、第15話

果たしてヨレンタさんは逃げ延びられるか?

ノヴァクが追う事になるのか…?

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チ。第13話 感想[塔の二人]人は「大きな理念」で動いている ネタバレ ―地球の運動について―

チ。―地球の運動について― 感想

チ。―地球の運動について― 第1話「『地動説』、とでも呼ぼうか」
チ。―地球の運動について― 第2話「今から、地球を動かす」
チ。―地球の運動について― 第3話「僕は、地動説を信じてます」
チ。―地球の運動について― 第4話「この地球は、天国なんかよりも美しい」
チ。―地球の運動について― 第5話「私が死んでもこの世界は続く」
チ。―地球の運動について― 第6話「世界を、動かせ」
チ。―地球の運動について― 第7話「真理のためなら」
チ。―地球の運動について― 第8話「イカロスにならねば」
チ。―地球の運動について― 第9話「きっとそれが、何かを知るということだ」
チ。―地球の運動について― 第10話「知」
チ。―地球の運動について― 第11話「血」
チ。―地球の運動について― 第12話「俺は、地動説を信仰してる」
チ。―地球の運動について― 第13話「『自由』を」
チ。―地球の運動について― 第14話「今日のこの空は」