らーめん再遊記 7巻 感想[半年で潰れる]ラーメンハゲの予言

2023年9月18日

※各話サブタイがないので便宜名です

らーめん再遊記 7巻 感想

公式あらすじより引用

新章「外食コンサル」編スタート!

『飲食店再生師』との呼び声高い凄腕の外食コンサルタント・小宮山浩司。
なぜかラーメンを嫌う彼は、
過去にある苦い経験をしていた。
それには、芹沢との深~い因縁があり…?

暖簾分けされた師匠と弟子を描く『塩匠堂』編もこれにて完結!

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作画:河合 単
原作:久部緑郎
協力:石神秀幸
連載:ビッグコミックスペリオール
初版:2023年4月28日

塩匠堂・暖簾分け編に幕、ラーメン屋の夢破れた男・外食コンサル編

かつてラーメンハゲ、芹沢が仰ぎ見た昭和の名店・塩匠堂

老いた名人は裸の王様に祭り上げられて幕

現代の若手に馬鹿にされ利用され…

あまりに切ない幕引き

実は塩匠堂・店主の永友氏、定番「清流房の弱点」を見抜いた一人だとも描写

かつての敏腕さを掘り下げるのがかえって辛い

芹沢さん代名詞「情報を食ってるバカ」

現実にネットでラーメンハゲと呼ばれる芹沢

初代・発見伝、味もわからず宣伝文句だけで美味いと言うバカを蔑むコマで有名

56話はその現代版とも言える巻か

若手ラーメン屋は賢い

ラーメンもメディア戦略も芹沢さんたちの発展・現代版というべきか

賢いですがモヤモヤしますわ

この店は半年で潰れる、芹沢さんの予言

芹沢さんコンサル引退したのでは?

と思ったら新キャラがコンサル

加えて彼は元ラーメン屋、それも「他人をバカにし理想のラーメン店を開いたが失敗」した男

まんま昔の芹沢さんだこれ!!

半年で閉店するとひと啜りで見抜いた芹沢さん

グルタと川瀬さんにも解った

麺とのトータルが問題?

なのに当人に解らなかった理由とは…?

第54話「リスペクト番組」

前巻、潰れる寸前の暖簾分けラーメン屋を立て直したラーメンYoutuberグルタくん

ですが客入りは思ったほど安定しない

そんな時、本店・永友氏を褒めたたえるネット番組が企画されて…?

と不穏な幕開け

企画したのは一巻のミシェラン二つ星ラーメン屋・米倉

一巻では衰えた芹沢に怒っていた米倉

彼が衰え切った永友を賛美するとか、裏しかないスタートですね

彼と同期のスター店主たちも大絶賛

ただ一巻で、芹沢さんと関わった真面目そうな若手店主さんは控えめな言葉でした

本音ではやっぱり嫌だったんでしょうか

第55話「実験の正体」

番組では、永友氏に暖簾分けした元弟子のラーメンを食わせ和解させる事に成功

しかし終了後、米倉は裏で永友を嘲笑

これは永友氏を「伝統と権威のブランド化」する実験だったのだと

有栖さんの口利きでグルタに種明かし

グルタくん狂言回しとしても敏腕

若い子がいると進めやすいですわ

マナー講師と「情弱」を嘲笑う芹沢

皆がマナー講師の言う事を聞くのは権威だから

なら権威を作ってしまえって話ね

前巻、永友氏は「権威」でした

その権威を強化、ブランド化する実験か

前巻で芹沢さんは、永友信者をクズのラーメンオタクラオタだとボロクソ!!

これは旧作から一貫してますね

情報ばかりで自分の舌で味わわない奴が大嫌い

今巻は「その先」か

第56話「暖簾分け店問題・完結編」

米倉は、情報に弱い奴を利用する「権威」を作る実験をやったのだと暴露

永友系ラーメンは旨いとブランド化

これで今後、宣伝がやりやすくなるのか

この事件は虚像のブランドを作った

でも誰もが得するやり方

恩恵で「永友の暖簾分け店」も繁盛する

でもモヤモヤしますな…

舌で味わわず情報を喰う奴が大嫌いな芹沢

芹沢は昔「鮎の煮干しラーメン」でヒット

ですが実際は鮎の風味が感じられない品で、それが解らない客に失望していました

以来情報に弱い客が大嫌い

ですが米倉は、むしろ積極的に利用する

情報に弱い客を騙す「権威」作り

それが今回の実験だったんですね

芹沢も商売に役立つので組むも、自らの傷に塩を塗り込むような凹む幕引きか

米倉の絡み方からロクでもない流れと思ったも

てっきり芹沢さんがぶち壊すのかと…

想像と全く違う苦い回でした

暖簾分け、元弟子のラーメンを永友は絶賛

あれは永友式ラーメンを元に、煮込み時間を長くした「自身の改良にも役立つ」味でした

もし気付けば永友は再起できた

食わせたのは芹沢さんなりのラストチャンス

恩返しも含めてたんでしょうか

ですが気付かなかった…

実は永友氏、かつて清流房・鮎の煮干しラーメンの弱点も指摘

昔は本当に鋭敏で、確かな恩人だったんですね

ですが気付けないなら仕方ない

割り切ろうとする芹沢さんが切ない幕引き

本作は皆「再起」していきます

でも誰もが再起できるわけじゃない

五巻の豚汁ラーメン編と対照的にビターな回でしたわ

清流房の弱点に気付いた男

才遊記では「部下に見抜かれたのは三人目」と言うほど気付きにくい弱点

発見伝での藤本、そして才遊記での部下・元部下・ゆとりに続く男か

あの弱点に気付くのは一流の証

永友氏は本当に凄かった

芹沢の「情けない味」さえ、責めずに励ましてくれる度量がある人だった

もしかしたら芹沢自身の未来かもしれない

そんな自戒も含めた回か

第57話「外食コンサルタント」

外食コンサル・小宮山浩司は、飲食店再生師と謳われる若き凄腕

コンサルでは無能な店主達に呆れる日々

そしてラーメンは苦手

雑誌・月刊外街通信の記念パーティーに招かれ、芹沢を見かけて苦い顔に…?

芹沢さんはたった2コマだけの異色回!!

新キャラ主役、シリーズ定番のコンサル

ですが訪れる店主が揃って無能と強調

そりゃ営業不振だけども!!

対するコンサル小宮山氏、いかにも真面目そうですわ

第58話「老化現象なんですかね」

坪内氏『で、女子大生っていうのはどうなんだい?

略・芹沢さん『(チョメチョメ…!?)

チョメチョメ回!!

パーティーの席上、五巻チャッチャ系事件での「芹沢の恩人」坪内氏と再会

しかし下種な物言いをして芹沢達はドン引き

有栖曰く、老化で分別がなくなった

いわゆるキレやすい老人状態だと

五巻ではあんな度量のある人だったのに……

有栖『歳をとってもああはなりたくないものですね』

有栖さん辛辣ゥ!!

そうと知らぬグルタ、雑誌で知っていた小宮山氏に質問し気に入られます

テーマは老化、味覚はひとそれぞれな事か

芹沢がチェーン店タンメン大好きなのと一緒!!

創作系美食だけが「美味」じゃない

美味の形は人さまざま

先日、永友老ラーメンは衰退クソ&クソでしたがそれが全てじゃない

この事が今章のヒントのようです

第59話「世の中バカな店だらけ」

芹沢さん『10年前と同じなのかお前は?

後日小宮山の事務所を芹沢が来訪

あるラーメン屋のリニューアルを依頼

でも小宮山は、10年前に「俺にラーメンをわかっていないと言っただろう」と激昂

やがてグルタ、部下に過去を打ち明けます

どんなバカ店主にも動じない小宮山

そんな57話を経たからこそ激昂が意外

彼を怒らせるほどの事件とは?

さすがですぜ芹沢さん

実は小宮山も昔はラーメン好き、でも情報誌に就職した事で変わってしまったと

やはり小宮山氏も大好きだったか…

にしても酒癖が悪い

悪いですが、第一巻以来「酒」を一貫して描かれてるのも印象的ですね

あの芹沢さんイッキ事件は最高でした!

作風上、最終回テーマなのかしら

第60話「芹沢、閉店の予言」

雑誌編集時代、取材を繰り返すうち「潰れて当然」と思える店ばかりだと思うようになった

ラーメン屋に失望したのだと

飲食店は十年で一割しか残らないのが定説

対し小宮山は九割がバカだからだと辛辣

しかし想いが昂じ、十年前にラーメン屋を開業したものの半年で潰れた

自分も「バカ」だった

際し「わかっていない」と言われたのだと

コンサル転身後は敏腕な小宮山氏

そんな彼でさえ潰れた理由は解らない…?

ただ芹沢は入った時点で不機嫌で、麺を啜ったら問題に気付いたようです

この点は後述するグルタ達も同じ

外観、麺を含めたトータルバランスの問題?

また芹沢は当時も今も辛辣

芹沢自身も「自分が美味いと思ったラーメン」で失敗した経験がある

思えば芹沢の出店時とそっくりなのね

自分の過去を投影してるのか?

第61話「芹沢さんという人は」

グルタ『(ま、まるで赤田さんだ!! ラーメン店経営に失敗した人は酒乱になるの法則………?!)』

という気付きが当たってるかはさておき

結局グルタ、女性社員川瀬は小宮山邸で飲み会

グルタは依頼を受けるべきと勧めます

際し芹沢さん評

基本的に慕ってるので好意的ですね

グルタ『一筋縄でいかない人なんですよぉ…』

『いっけん紳士的ですけど、本性は驚くほど傲慢で毒舌だし、人の心を弄ぶような言動も多いし、企みごとも好きみたいです。

なんて冷静なボロクソ

そろそろ付き合いも深まり気付いて来たグルタ

ですが「尊敬している」

ことラーメンに関し、誰より深く突き詰めている人だからだと

この辺は知り合い全会一致でしょうね

特に藤本サン!

第62話「自信満々の失敗作」

仕事を受けた小宮山は、グルタに協力を頼んで最新型ラーメンを軽く食べ歩き

やはり自分の味は負けてないと結論

そして試食会

グルタと川瀬はスープを絶賛、しかし麺を口に含むと風向きが変わって…?

「誰でもわかる事」だと描いて今巻に幕

なのに小宮山は解らない

まさに謎々って感じの幕ですわ

依頼は「今までにない新しいラーメン」

その点も小宮山の品「牛清湯」はぴったり?

牛スネと牛骨出汁

コンソメの作り方を踏襲しつつ醤油など和風テイストで仕上げた絶品との事

麺は自家製ストレート細麺

麺の味が負けてるのか?

「美味い」「不味い」は難しい

情報収集に長け、客観的には最適解を出せる秀才タイプが小宮山氏

彼は他の店を馬鹿にして失敗

独りよがりなのでしょうか?

ですが半年で閉店するほどダメな欠点とは?

今回の「再」は前向きなテーマっぽい

また女性社員、川瀬さんにグルタがいじられたり胸に挟まれたり色っぽさも

男ばかりだからサービス要員的な?

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