狼と香辛料 第24話 感想[テレオの危機]たった一つの道化なやり方 ネタバレ

狼と香辛料 第24話「蛇神の道と賢狼の答え」感想

公式あらすじより引用

村を出ることを決意したエルサ、エヴァンとともに、テレオから脱出するロレンスたち。村から遠く離れたところで休息をとっていると、テレオへと続く道に、武装したエンベルクの一団を見つける。一度は捨てる選択をしたものの、育った村の危機がもう目前まで迫っていることを悟ったエルサは……。

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故郷を捨てる、その決意を覆した光景

狼と香辛料 24話 感想

なんと教会による異端審問までセットと判明

事態は二重底に最悪だったか

前回ではクソな村だと痛感させられたものの

それでも養父フランツ司教は守ってきた

エルサもその覚悟に殉じる決断か

結局エルサ、エヴァンは故郷を守ろうと帰還

ホロが二人に手を貸す理由は、自分が故郷を守れなかったからか

二人を通じホロも癒されるんですね……

その為なら道化になる事も辞さない!!

ただの通りすがりの村でなく、ホロが故郷滅亡の当事者になれなかった後悔と重なる戦い

救う事が、ホロ自身の救いでもあるのね

問題の一つは麦の返品

村は一年分の収入を失う事になる

ですが行商人ロレンスが、仲立ちして他所に売れば良かったのね!

奴は麦行商のプロだぜ!!

これまでのロレンスの商いと規模が桁違いすぎて思い浮かびませんでしたが

故郷の商会などを頼るんでしょうか

道化となるホロ、麦問題の解決策

問題は、麦の中に毒が混ざっているから全返品という街側のイチャモン

おそらく実際には毒は存在しない

ですが麦、豊穣の神ホロの出番なんですね

思えば彼女も麦のプロ

原点回帰ともいえるエピソード、最終回にぴったりなテーマだった!!

冒頭 蛇神の道

前回に続き、教会の抜け道から脱出する四人

実はこの穴「蛇神の穴」だった

テレオ編初回、村を訪れる際に見えた穴か!!

つまり蛇神信仰の村人には聖地ゆえ、誰も中に入ろうとしないという格好の抜け穴だった

神の穴ゆえ、畏れて誰も入らない

だから今までバレなかったのか

司教、上手い逃げ道を考えたものですわ

上手いというか完全な偶然?

ホロ『たまたま掘った穴をいちいち崇められておっては』

『おちおち昼寝も出来ぬじゃろうなあ……

たぶん蛇神は、ただ巣穴を掘っただけ

それを司教が流用したらしい

教会建造中、たまたま蛇神の穴の「途中」に突き当たってそのまま繋げた感じか

たぶん反対側に蛇神が今も……?

生臭いとか言ってたのはそれでか

ホロ『ま、人はすぐに何かを崇めたくなる不思議な生き物じゃからのう♪』

いやはや耳が痛い

もちろん宗教、そして芸能人やなんならネットでのインフルエンサーなどなど

そして自然に対しても

畏れるのは人の本能

言うてホロもだいぶ人間くさいですが

くさい!この子人間くさいわ!!

狼化、一気に距離を稼ぐロレンス達

ホロ『怯えたら、その時点で食い殺すからの?

略『……期待などしておらぬ

久々に狼化し、三人を一気に運ぶ賢狼ホロ!!

際しロレンスは軽口

すっかり慣れたものですわ

対し二人、エルサとエヴァンはやはり怯えてしましました

ホロ、声音こそ厳しかったものの

やはり寂しそうですね……

なんだかんだで作中一の寂しがりやですわ

エヴァン『フランツ司祭は、嘘つきじゃなかったんだな……』

エルサ『!?

ホロの狼化に思わず呟いたエヴァン

彼でさえ信じてなかった

村人代表的な台詞か

こうした意識の隙を、"奇跡"でひっくり返すのが次回のテーマなんですかね

しかしエルサさんショックよね

エルサの決意を変えた光景

しかし道中「麦の返品輸送隊」が転機に

彼らは武装していた

それも恐怖ですが

何より怖いのは教会のお偉いさん、"異端認定"を行う馬車が同行していたこと

村が異端認定される

その恐怖がエルサを動かしたんですね

故郷を捨てると決意したはずが

エルサは村に戻ると翻意

街の連中は、村にも毒麦があり「平気なのは邪神の加護だ」とイチャモンつける気だと

元々毒麦自体が街の連中のイチャモンなのに

更に追い打ちかける気か

前回、村の酷さが印象的だったものの

街は輪をかけて酷い

元より罠にかけたのは街

とはいえここまでするのか

ただ傍目からみれば

街の連中は欲をかいて失敗した

毒麦のイチャモンが成功し、満足しておけば良かったというのに

更に教会まで動かした為エルサが、ひいてはホロ達が動くきっかけを与えてしまった

上手くやったけどやりすぎたか

ある意味「あるある」な話

たぶん街は、チャンスを活かして村を完全に隷属させようとしたのでしょう

彼らが二度と立ち直れないようにしようとした

フランツ司祭に一度覆されたからか

だとすれば共感できる

しかし完全に希望を奪おうとすれば、奪われる側はむしろ捨て身になって反撃をする

だから逃げ道を用意するべきなんでしょうね

まだ何とかなると思わせてやるべきだった

それが彼らの失敗でしょうか

ホロ『その先の質問は、わっちにすべきではない……』

際しエルサは、まずホロを頼ろうとしました

実際ホロは覆す力がある

エルサはホロに、村の神様になってくれないかと頼もうとしたんでしょうか?

しかし決めるのは村人だと?

そもそもこの問題は、村が「現代宗教」を受け入れていれば話が違っていた

古くからの信仰を貫きトラブルを招いた

個人的には大切な文化だと思いますけれども

ともあれ彼らは変われない

村を守ってくれた異教のフランツ司教を、ウソつきのよそ者だと冷遇したのに相通じる事

村人は信仰を捨てられない

そいつは間違いない

しかしここで「村の守り神に」とは

これもまた原点回帰ですな

エルサ『私はフランツ司祭の後を継ぐものです!!』

『今、それをハッキリと言えます!!

結局エルサは、勝算なく村に戻る事を決意

大好きな養父に恥じない為にか

養父の生き方を継ぐ

もっと言えば養父だって、冷遇されても村の為に尽くし続けた

今、村に帰れば報わないどころか「彼らの生贄にされる」と解っていてなお帰る

それが彼女なりの損得なんですね

命や名誉より大切な事だと

エルサ『村の人たちを見捨てられない!!』

ホロ『……!!

またその生き様は、ホロにも影響

故郷の為に命を捨てる

故郷を助けられなかったホロにも他人事ではなかったか

同じ状況になった時自分は戻れるか?

そう自問自答したんでしょうか

商人志望、エヴァンの選択

ロレンス『エルサさんはお前に"立派な商人"になって欲しいそうだ……』

『商人に必要なのは冷静な損得勘定だ

『お前にそれが出来るか?

ロレンスも、先輩としてエヴァンを諭す事に

エヴァンは外に出たい一心から商人に憧れた

しかし不向きなんでしょうか?

彼はここぞの時、感情的になってしまう

助かるアテのないエルサにつくのは商人失格だとでも言いたげなロレンス

厳しい、さすが商人厳しい

ロレンス『お前の"損得"はどんなものだ?』

エヴァン『……!!

しかしロレンス優しい

エヴァンの損得とは、金銭でなく「エルサを愛してる事」に尽きるんでしょうね

その為なら命を捨てるのも「得」

彼の背中を押してやるのでした

きっと彼は商人に向いてない

彼に、何が大事かをちゃんと考えるよう諭してあげたのか

優しい、お人よし優しい

賢狼の悩みと賢狼の答え

ロレンス『どうす?!

そして背を押したのは、助けてやれると思ったからだったのでしょう

明るく振り返ろうとしたロレンス

直後ホロに殺されかかる事に

甘い、ロレンス甘い!!

ホロ『わっちは間違っておったのか?

ロレンスが二人を行かせたのは

二人に後悔させない為

そしてホロは、故郷の為に命懸けで戦いたかったと今も悔いているのか

今、二人がそうしたように

今回二人を逃がし、逃げる事が正しいと証明したい気持ちもあったんでしょうか

逃げるべきか敗北必至で戦うべきか

その悩み続けているんですかね

ロレンス『(故郷は)お前のあずかり知らぬところで災厄に見舞われた』

『自分がどんな間抜けな事にオロオロしているか

 解っているんだろう?

ホロは当事者にさえなれなかった

故郷を守り戦うか、逃げるか

その当事者にすら

それでも悩み、悔やんでしまうのが人間なんでしょうね

彼女は神、いわゆるゴッドですが

ロレンス『で、だ』

『どうしたい?

ホロも本音では村を救ってやりたい

そう改めて決意したのが転機に

覚悟を決めたらアイデアが出るわ出るわ

肚が決まるって大事

ロレンス『!! お前、"奇跡を見せた事がある"って言ってたよな!?』

略・ホロ『寛大な心で道化役でも演じてやりんす♪

次回、テレオ村の騒動完結編

異端審問に対し奇跡を示す

その際、ホロ達は「唯一神の下僕」というポジションになってしまうらしい

土着の神が巨大宗教に組み込まれていく

そのプロセスを感じる話ですな

ここまで2クールずっと教会に絡み、時には彼らをやりごしてきたロレンス達

最後にして教会の人間と対峙する話か

締めくくりに相応しいテーマですな

次回、第25話「奇跡の行方と続く旅路【最終回】」

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狼と香辛料 23話 感想[故郷と命]エルサ、テレオ村騒動の選択 ネタバレ

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF 感想

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