ゴールデンカムイ 42話 感想[月島特等席]アシㇼパが”相棒”であるなら ネタバレ

ゴールデンカムイ 4期 第42話「甘い嘘」感想

公式あらすじより引用

大泊に向かう前に登別を訪れた鶴見中尉は、有古が持ち帰った都丹のものとされる刺青人皮を受け取る。だが、翌日になって有古が鶴見中尉の刺青人皮を奪って逃走。向かった先で、彼は死んだと思われていた都丹と合流する。一見、有古の裏切りに見えるこの行動には裏があった。

有古と土方陣営の関係を見抜いた鶴見中尉が彼を脅迫し、わざと刺青人皮を持たせて二重スパイとして潜り込ませたのだ。巧妙な罠に対し、土方はどう動くッ!?

同じ頃、樺太の杉元一行はエノノカたちの村に立ち寄っていた。エノノカやリュウと別れ、別のソリで大泊を目指すためだ。チカパシとの別れを受け入れられずにエノノカが泣き続ける中、村を後にする一行。だが、ソリから転落したチカパシの様子から何かを感じ取った谷垣は、涙ながらにここで本当に家族を作るようにと背中を押してやる。

餞別に村田銃を渡されたチカパシは、一行と別れてエノノカたちと暮らすことを決めるのだった。

大泊に到着後、鯉登は尾形の言葉について月島に問いただすが、それは鶴見中尉が部下に与えてきた“甘い嘘”の数々を浮かび上がらせた。

そして翌日。鶴見中尉を乗せた駆逐艦が大泊に着き、アシㇼパと対面の時が迫るッ!

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数々の結実、樺太編で得たもの

濃い…!! 土方鶴見の化かしあいにチカパシ自立

騙されていたと気付いた鯉登

同じく騙され、それでもいいと認めた月島!!

アシㇼパさんを守りたいあまり、彼女を信じられなくなっていた杉元への激!!

皆、それぞれ濃過ぎる転機だった!!

熱いじゃねえか放屁王!!

前回、アシㇼパに戦って欲しくないと打ち明けた杉元

第2期ラスト以来、胸に秘めていた杉元の願い

ですが3期の旅はアシㇼパさんを変えたのか

キロちゃんの想いは無駄じゃない

馬鹿やってるようで、死にゆく男の想いを大切にしていた白石いい男でしたわ

一緒にバカやった仲間だもんな…

第3期、鶴見中尉に抱き込まれた過去が描かれた月島

今ではあれが芝居だった事を理解

鯉登ボンボン事件といい、鶴見中尉は「甘い嘘」で信頼を勝ち得ようとする

月島はそう知ったからこそ見届けたいのか

鶴見中尉はマトモじゃない

マトモじゃない男こそ「何か」をやるはずだ、かぶりつき席で見ていたいと

鶴見中尉の魅力はすげえなあ…

もう完全に魔力ですわ

鯉登と「口調」

鯉登少尉は感極まると薩摩弁になる

それを踏まえると、同じシーンでも全く異なる解釈が見えるのが面白い

今回、土壇場で「標準語」だったんですよね

つまりあの時、鯉登少尉の本音は…

まっことわざいか子やね!!

冒頭 第39話から繋がる物語

鶴見中尉『まさか按摩のフリをして、我々の動きを探っていたとは…』

第39話で都丹庵士を倒した有古一等卒

彼らが療養していた登別温泉に鶴見中尉が到来

有古は刺青に見覚えがあると説明

アイヌならではの着眼点ですね

刺青人皮を全て出して貰いました

鶴見中尉『よくぞ雪崩の中から死体を見つけ出したな』

略『一枚でも欠ければ

 金塊は永遠に見つからない可能性があると思うと…

 ひやりとする話だなあ』

ここにきて「金塊の暗号」へ問題を再指摘

実際、刺青は幾度も失われかけています

もし未発見の囚人が死んだら?

熊に食われたら?

単に大怪我を負うだけでも見つからなくなるのか

会議後、有古を待っていた菊田

菊田特務曹長『有古…、月は同じだな?』

略『奉天会戦の塹壕の中で、俺とお前は声を掛け合い一晩過ごした…

 真っ暗な中、細い月だけが見えて…』

『月だけはあの頃と変わらない』

第七師団組の多くが共有する「戦友」意識

同じ危機を乗り越えたから信頼しあう

特に菊田は顕著なんですね

あの時、どちらかが居なければ死んでいたかもしれない

そんな意識が信頼になっているのだと

翌日、新月の夜

鶴見中尉『お足もとにご注意ください鯉登閣下♡

 今宵は新月ですので…』

鶴見中尉と鯉登少将、開幕サービスシーンとはたまげたなぁ!!

なんで少将のケツ叩いたんですかね!?

相変わらず仲良し二人組

それもそのはず、第40話でのバイク魂は今も瞼を離れません

世界を狙えるドラテクだった!!

窓をぶち破った有古一等卒

都丹庵士『来いッ!! 取って来たか!!』

有古一等卒『全部とってきたッ!!』

暗闇、ボロボロで旅館を脱出した有古一等卒

その手には大量の刺青人皮が!!

しかも都丹庵士が生きていた!!

この男、網走監獄の時といい「死んだ!!」と思ったら生きてますわ

タフな盲目ジジイだぜ!!

実は都丹は生きていた

第39話、雪崩に巻き込み倒したのは事実

ですが有古は彼を救出

実は土方歳三陣営と組んでいたんですね

昨日の敵は今日の友

離合集散は金カムの常ですわ

Aパート 有古一等卒、裏切りの真相

有古『このまま進むと崖に挟まれて行き止まりになる

 少し戻ろう…』

今日は新月、真っ暗闇で都丹の独壇場です

山歩きの達人有古と組めばまさに無敵

ただ都丹は、匂いで「お前ボロボロじゃないか」と感じて心配

仲間になると優しいですな

数時間前の有古

有古『このマキリ、どうしてここに!?』

鶴見中尉から刺青人皮を盗もうとする有古

冒頭で皮を出させたのは、数を確認する為だったんですね

ですが何故か「父の短刀マキリ」が見つかった

鶴見中尉に読まれていたワケか

有古イポプテの正体 

菊田特務曹長『のっぺらぼうに殺されたアイヌの七人……』

『その中にお前の親父が居たことまで調べはついてる

 残念だよ……』

『お前はあの塹壕から見えた月を、忘れちまったんだなァ……』

本作発端、日本と戦う決意をした七人のアイヌ

実は有古はその息子だった!?

鶴見中尉は遺品のマキリを、これみよがしに持って来ていたんですね

なんとまあ意地の悪い

鶴見中尉『お前が持ってきた刺青人皮は、都丹庵士の物ではない……』

略『そそのかされたのだろう?

 父親の遺志を継げとか、なんとか……』

菊田同様、暗闇から現れる鶴見中尉

下手なホラーより怖い

鶴見中尉は「都丹の刺青の写し」を持っており、土方はその情報を知らなかった

だから罠にかかった

やはり情報は全てを制する…!!

宇佐美上等兵『もう戻れないぞ…、お前は最悪の道を選んだ…!!』

同じく暗がりから噛んできた宇佐美!!

なんで噛んだ!?

殺っちゃあダメだと釘を刺してあったのか?

殺らない範囲の攻撃法

野生を感じる変態性…!!

回想 第39話の舞台裏

土方歳三『有古イポプテ!』

第39話、雪崩で倒した都丹庵士は生きていた

有古は救出した矢先、土方と出会ったと

土方は有古のアイヌ名まで把握

お前を知ってるぞという呼びかけか

二重スパイだ

再び数時間前 鶴見中尉の脅し

『土方歳三と私の決定的な違いを教えてやろう…』

『奴の北海道独立計画には

 アイヌからの信頼と支持が必要だ

 従って、お前の裏切りに徹底的な報復が出来ない』

『しかし私は違う』

『和人もアイヌも同胞として、平等に制裁を加える…』

平等という事は等しく厳しく接するという事

和人アイヌ同権パンチ宣言

鶴見中尉は有古の親族を、嫁いだ人間に至るまで事細かに羅列

お前が裏切れば皆終わりだと脅します

やっぱ悪魔ですわこの男

鶴見中尉『二重スパイだ。できるな?』

略『そうと決まれば、"必死に奪ってきた感じ"がもっと欲しいよなァ~~~~』

『宇佐美、やれ』

一度は土方についた有古は、鶴見に脅され二重スパイとなった

目的は土方に刺青人皮を渡す

そして情報か

有古は土方に鞍替えしたはずが、実は鶴見派のままだった

盲点を突く二重スパイは怖い!!

宇佐美『はい喜んで…!!』

鶴見信奉者である宇佐美は、彼を裏切った有古が憎い

役目にかこつけボッコボコ

狂犬とはこの事ですわ

再び現在

有古『充分じゃない。もう一日、寝ずに進まなければ追いつかれる…』

鶴見中尉は敢えて、一般隊員に事情を話しませんでした

有古は必死に逃げざるを得ない

その必死さで信頼を勝ち取った

事情を知るのは鶴見・菊田・宇佐美のみ

ヤベエ奴しかいねえよ定期

江渡貝くんの遺産

土方のアジトへ合流した有古

永倉新八『一枚は本人がいつも着ているそうだが?』

有古『風呂の時間を狙ったので、この中に含まれているはずだ』

土方と永倉、OVA以来同行している夏太郎

有古は六枚の刺青人皮を提出

一枚は39話で「都丹のもの」として渡した、38話・関谷輪一郎のもの

残る五枚が鶴見陣営の全てだと

ホントにそうなのぉ?

鶴見陣営、刺青人皮を渡した訳

鶴見中尉『皮である事が大事なのだ』

略『だからこそ、江渡貝君の刺青人皮は価値があるのだ…』

実はさっきの五枚は、江渡貝君の遺産

コピーは偽造できるから信用できない

だが人の皮で作られた偽物なら、本物だと思わない奴はいないのだと

ありがとうエド・ゲイン君……

おっぱいおっぱい…

鶴見中尉『我々を差し置いて暗号を解きかねない』

だから偽暗号を渡し、かく乱を図った訳か

幸い菊田と有古は療養してました

だから「偽人皮」を知らない

ゆえに有古はこれが本物だと、疑っていないはずなんですね

事実を知らねば喋られる心配はない

土方歳三の欲しかったもの

土方歳三『有古には悪いが

 あの刺青人皮が、都丹庵士のものではないとバレるのを承知で

 鶴見中尉のところへもって行かせた』

ひっでえなこっちのリーダーも!!

実は永倉、二期で杉元が鶴見中尉に捕まるのを目撃していた

だから杉元の持つ「写し」は中尉に渡った

そう土方陣営は知っていた

土方が知ってるのを、鶴見中尉は知らなかった訳ですね

ああややこしいッ!!

土方『我々の下へ、間者として送り込まれたか?』

有古が間者=スパイだと土方は想定

以降彼を警戒する事に

鶴見中尉こそ「弱み」を握られた

有古は殴られ損ですが、結果的に「土方陣営に利益をもたらした」んですね

土方派の彼には万々歳ですわ

土方『この五枚は偽物の可能性が高い』

『だが、これが欲しかったのだ……』

『有古を使った作戦は、我々に極めて良い収穫をもたらしてくれた……』

もう一つの鶴見中尉が知らない事実

土方たちは偽の人皮があると、二期で気付いた

恐らくその全てを押さえたはずだと

偽物とわかっていれば今後、解読の邪魔にならずに済む訳ですな

化かし合いは土方陣営に軍配か

化かし合いの真相

有古は実は土方陣営に寝返っていた

だが鶴見は見抜き、五枚の偽人皮を持たせ「二重スパイ」として土方派に潜り込ませた

しかし土方、有古がスパイとほぼ確信

得た皮も偽皮だと認識

やはり亀の甲より年の功

鶴見中尉『アシㇼパを我々で厳重に警護せねば…』

鶴見陣営は暗号の鍵、アシㇼパを抑えている

その点で圧倒的なリードですね

土方は化かし合いに勝ちましたが、暗号解読は不可能な状況

いいバランスですわ

Bパート 第41話後の杉元一行

杉元『リュウの奴!! 頭の飾り、サマになってるじゃねェか』

故・二瓶鉄造の愛犬リュウは、犬ゾリ先頭犬「イソホセタ」に昇格

あの立派な頭飾りを貰ったんですね

以前イソホセタにケンカを売ってましたが同格へ

彼はここの方が大切にして貰えると

ゆたんぽ、お前ともお別れか……

白石『自分の居場所を見つけた訳だ』

イソホセタは飼い主と同じ家の中で眠れる、大切にして貰える

彼は自力で勝ち取ったんですね

立派な奴だぜ

杉元『世話になったぜ、リュウ! ありがとうな』

何度もピンチを救ってくれたリュウ

皆にもみくちゃにされてお別れに

当初杉元もコイツに噛まれてたのに、すっかり仲良くなったもんです

二瓶を殺した事、許してくれたのかな…

月島『ヘンケとエノノカとはここで別れる』

二人のコタンに到着、一行は通りすがりの馬ゾリに乗せて貰えることに

樺太での足として長らく契約してましたが…

北海道への帰路

出会った人たちが、一人二人と減っていく…

別れに大泣きするエノノカ

杉元『ホントしっかりした子だなあ~』

泣きながら支払いは手早く済ませるエノノカ

立派な商売人である

彼女と「対等に商売関係」をやってくれた鯉登少尉も偉い

立派な人になりますわこの青年

エノノカ『……さよならしない』

『チカパシ来るまで待つ

 ホホチリ切ったら無くさないで

 エノノカ、忘れないで』

チカパシ『うん…、忘れない』

ホホチリとはいわば子供の証

独りで獲物を倒せたら切り取る

また会うのだから別れじゃない、大人になったらまた来てねという意味か

彼女がつけてくれたんですものね…

杉元『あばよー爺ちゃん!! 皆達者でなあ!!』

ここでヘンケ老人、孫エノノカ、二人の家族となったリュウとお別れ

ゆたんぽ元気でなあ…

大事にしてもらえよ……

エノノカ『チカパシー!!

チカパシ『エノノカ待ってて!!

しかしチカパシ、言いかけて転倒

馬ゾリから落下

これ自体は偶然だったようです、が…

『大丈夫かチカパシ!』『置いてっちまうぞー!!』

ここがチカパシ人生の岐路

両方の中間点に落ち、チカパシに迷いが生じた

決意というべきか

前回の民話を思い出したんですね

いや下ネタの方じゃなくて…

谷垣源次郎『チカパシ……』

『お前はここに残って

 自分の本当の家族を作りなさい……』

民話のようにボタボタ、と涙を落とす谷垣

今まで「偽の家族」だった

だから本物を作れというのか

それは偽物の延長でなく、自分自身で作るもの

この旅で勝ち取ったものなんですね

チカパシ『うん…、インカラマッも俺と同じ独りぼっちだから…』

『谷垣ニシパが家族になってあげてね…』

チカパシ優しい

決して「お父さん」「お母さん」とは呼ばないのが本作らしい

あくまで偽の家族だと貫くんですね

チカパシは家族を失い、旅にくっついてきたいたずらボウズでした

色んな意味で立派になりやがって…

立派な「家族」でした

谷垣『この銃をお前にやる』

『この銃は俺を救ってくれた人から受け継いだものだ』

略『でも身体が大きくなるまでまだ使うなよ

 俺はそばで支えてやれない

 その銃を使うときは、一人で立つんだ』

初めて撃った時は、谷垣が支えてくれました

でももうそばにはいてやれないから…

二瓶鉄造が愛用してきた、彼の息子の遺品

谷垣を経てチカパシ

二瓶の魂は受け継がれていくんですね

チカパシ『独りで立つ…』

『これも勃起だね? 谷垣ニシパ!!』

谷垣『フッ…、そうだ! 勃起だチカパシッ!!

受け継がれた勃起魂

チカパシは樺太残留、エノノカと結ばれる事に

別れは悲しいけど良かったなあ…

前回の民話の通りじゃねえか…

いや下ネタじゃなくて…

大泊到着・第40話への想い

月島『ずいぶん浮かない顔ですが』

以前、鶴見と月島の写真を貰った鯉登

月島の顔を自分に貼りかえてました

ですが今、それが剥がれた写真を浮かない顔で眺める鯉登

文字通り化けの皮が剥がれた

二人の距離が遠くなった象徴か

回想の尾形『今度鶴見中尉にあったら、満鉄の事を聞いてみろ…』

第三期で尾形に殺されかけた鯉登

尾形は彼を殺さず、バルチョーナク(ボンボンめ)と敢えて発言

続けてこんな事も言ってたと

鯉登『南満州鉄道株式会社……』

『日露戦争で得た満州の鉄道権益…

 本質は経営の仮面をかぶった

 日本領土の拡大だ』

ですが尾形の父、花沢中将が反対していた

だが中将が「自害」し満鉄は軌道へ

そして鶴見たちは、日露戦争で死んだ仲間の亡骸を「日本領土」に眠らせてやる為

満州を日本領にしてやりたかった

中将が邪魔だったと

鯉登『花沢閣下の死に、鶴見中尉殿が関わっているという事なのか!?』

『尾形百之助は!

 父親を自刃に追い込んだ中央に不満を持ち!!

 鶴見中尉殿の政変計画に

 加担していたが!!』

『どこかで真相を知り、謀反を起こしたと思えば辻褄が合うッ!!』

よくもまあたった一言からここまで

無論、月島はそらっとぼけました

ですが鯉登の中で「尾形の動機」がハッキリしたのは大きい…!!

無論間違ってはいます

ですが説得力のある動機ができてしまった

こうなると尾形を憎めないか

鯉登『Барчонок……』

第40話、16歳のときに鯉登を誘拐した男達

その一人が尾形だと気付いた

もう一人が月島であることまで、気付いてしまったと

第37話、今期1話目ラスト

あそこで気付いたのか

第41話の亀裂、アシㇼパと杉元の問答

アシㇼパ『私はまだ鶴見中尉にあった事がない…

 どんな男なんだろう?』

略『アイヌはどうなる?』

鶴見中尉が金塊を見つけたらどうなる?

逸るアシㇼパに気休めを言う杉元

本当にらしくない

ですが今、アイヌを守りたいアシㇼパを守りたいんですね

戦えば杉元自分」みたいになる

そして人を殺せばもう戻れない

杉元『要求が通るようにしっかりと交渉すればいい』

『暗号を解けるのはアシㇼパさんだけだ』

自分達が有利なんだと訴える杉元

無言で出ていく白石

白石はとても聞いてられなかったのか

そして冒頭の通り、鶴見中尉が「こちらを脅してくる」のは明白なんですね

これもまた「甘い嘘」

杉元は自分自身をも騙しているのか

縋っているのか

第40話「ボンボン」の真相

鯉登『私達親子に芝居を打ったんだな!!

 救出劇で恩を売り

 父上の大湊水雷団を利用したかったのだろうッ!!』

略『私達も鶴見中尉のコマの一つにされていると

 知らしめたかったのだッ!!』

尾形は真実を知らせる為、満鉄の事を話してくれたと主張する鯉登

鯉登は父が大好きです

だから尾形も自分の父が好きで、仇を討ちたがってると思うのでしょうね

実際には尾形自身が殺ったのですが

説得力が生じてしまった…

鯉登『父上の前で全部明らかにさせるッ!!』

月島は宥めますが、遂に最後の一線を超えた

月島、よく後ろから撃たなかったもの

月島も鯉登を、樺太の旅を通じて好きになったからなのだと

私にはそう思えました

月島軍曹の本音

月島『あなた達は救われたじゃないですか』

略『尾形も

 満鉄と花沢閣下の関係まで

 知っていたとは…

 てっきり中央に鶴見中尉殿を差し出すつもりかと…』

『何が不満なのか……』

『父親を殺せて、あいつも満足したはずだ』

遂に言ってしまった

溜め込んでた本音が、ボドボド出てくる月島

そして「解らなくなる」尾形の本音

尾形の動機は、鶴見中尉を中央に売る為ではないのだと確信へ

知ってるなら売ればいい

売ってないなら別の動機があると

三期 月島・懐柔事件の真相

月島『私もやられたんです』

『ずいぶんと手間がかかった芝居を…』

三期で鶴見中尉に心酔、というか「もうどうでもよくなった」事件

あの時、真相を偶然佐渡の人間に聞きました

ですがあれは仕込みだった

戦後になって確信したと

『新潟の第二師団の人間が、あんなところの野戦病院にいる訳がない…』

つまり鶴見中尉が、意図的に真相をバラした

月島が激昂すると計算した上で

際し鶴見中尉は、月島を救う為にウソを吐いたのだと語りました

だから当時、月島は彼を許した

ですがそれさえ仕込みだと解ってしまった

あれが事実かどうか解らなくなった

もう考える事に疲れてしまったのか

月島『わざわざ九年越しに種明かしをして……』

『傷をほじくり返して枯れはてたところに

 自分の愛情を注ぎこむ…』

『私を救うのに、どれだけ労力を費やしたか訴える訳です』

『彼の為なら命を投げ出し、汚れ仕事も進んでやる兵隊を作る為に』

『でもまあ、別にいいんです

 利用されて憤る程の価値など元々ありませんから

 私の人生には』

鯉登と違って月島は怒らないんですね

明かされた時は激怒しました

ですが二重三重の嘘、そして「自分の価値」を理解して冷めてしまった

でも、元々月島は激情家なんです

自分を嘲る奴は、誰だろうとも殴って悪童と呼ばれてきた

その彼がこうなったと思うと切ない

月島『大変よろしいじゃないですか』

客観的に見て、鶴見中尉のやる事は正しい

金塊を資金源に、北海道に軍需産業を育成

アヘンを売って豊富な資金を獲得

自分達を捨てた中央政府に反抗し、第七師団と家族の生活を良くしてやれるのだから

そして「戦友」が眠る満州を日本にする

仲間を日本の土で眠らせてやると

冒頭、月を思った二人と同じ

戦友への思いやりか

甘い嘘、月島の動機

鯉登『それが全ての最終的な目的なのか? 鶴見中尉殿の…』

月島『本当の目的は解りません』

『彼は甘い嘘で救いを与えるのがお得意ですので』

だから鶴見中尉の動機も解らない

一つ言えるのは鯉登たち家族が、あの事件で強く結びつき「救われた」ように

鶴見中尉は「役立つ者」は幸せにする

彼らも文句はないはずだ

気付きさえしなければ文句はない

月島『彼についていってる者は救われるんだから…』

『何の文句もないはずだ』

だから鯉登少尉、あなたは救われたでしょと言ったのか

ですが多分「詭弁」に思えます

きっと月島流の「甘い嘘」

思うに月島もこんな詭弁が通じない事は解っている

彼は決して狂信者じゃない

鯉登『月島…、お前はどうして……』

月島『だって…

 何かとんでもない事を成し遂げられるのは

 ああいう人でしょう?』

『私は鶴見劇場をかぶりつきで観たいんですよ

 最後まで』

これが月島最大の動機、彼の本心

きっと鶴見中尉は、とんでもないことを成し遂げるに違いない

それをすぐそばで見ていたいんですね

だって「興味がある」から

妄信でなく月島自身の意志ですわ

月島『いざとなれば鶴見中尉はあなただって平気で消す』

『そして…、その汚れ仕事をやるのは私です』

だから口外するなよ、と釘を刺す月島

深く深く腹を割ってくれましたわ

闇が深すぎる

ですがこれほど理解できる動機もないと思えました

私も鶴見中尉を見ていたいから

鯉登音之進『……………………………………』

鶴見中尉殿スゴォォォイ!?

すげえのはお前だよ!!

まさか惚れ直すとは

鯉登は第40話冒頭14歳、鹿児島で「偶然会った」のも仕込みだったことまで理解した

鶴見劇場にのめり込んだッ!!

おかしいよこの人!!

いや演技か

鯉登『そんなに必要とされていたなんてウレシー!!

本来、鯉登は「感極まると鹿児島弁になる」

正気である証なんですね

いつもの狂信者を無理やり演じてのけた!!

驚くべきアドリブ力ですわ

惜しむらくは、"鹿児島弁になる事"を月島が一番よく知っている事か

いつも通訳していますものね…

白石、これも立ち聞きしていた様子

どんだけ作中の事情に通じていくのか

キロちゃんの想い、月島の想い

何より鶴見中尉が、信用できない事がはっきりと分かったのか

これはデカい気付きなのは間違いない

谷垣のキンタマなみにデカい

白石『不死身の杉元さんよ~』

翌朝、眠れず佇んでいた杉元

泥酔、女郎屋で楽しんでたらしく商売女に抱えられた白石

飲まなきゃやってらんねえよ!!

これから忙しいしな!!

白石『アシㇼパちゃんを引き渡して、鶴見中尉の飼い犬になるんだよな?』

略『昔は誰にも懐かねえ、一匹狼だったんだぜ~』

娼婦『へえ~、日和ったんだ?』

煽りおる煽りおる娼婦さんまで!!

また杉元が、当初の目的だった梅子を忘れてるんじゃないかとまで言及

言い難いことをグサグサ言う!!

以前、彼に怯えてた白石とは別人ですわ

信頼の証でもあるな!!

白石『俺が皮算用してた分け前はッ!!』

『何百円ぽっちじゃねえぞコラァ!!』

熾烈なビンタ合戦になる白石と杉元

まあ金に汚いのも事実

白石が汚いのも事実

白石『へ! おめえがアシㇼパちゃんを正しい道に導くってか?』

『恋人でも嫁でも娘でもねえのに!!』

娼婦『アタイも束縛するひと嫌いだねえ』

杉元『うるっせえな帰れよ!!』

いっそ同行して欲しくなる存在感

人生空っ風って感じですわ

人柄が練れてる

そして杉元は「束縛している」のか

守りたい気持ちも束縛だと?

白石『今のお前はな!!』

『人生に守るものができたと勝手に思い込んで

 冒険が出来なくなった

 ショボショボくたびれ男だ!!』

『杉元は、樺太の旅でのアシㇼパちゃんを見てねえ!!』

『彼女は

 色んなものを学んで成長したんだッ!!

 もうお前が出会った頃のアシㇼパちゃんじゃねーんだよッ!!』

『お前らは樺太でやっと再会できたのに離れたままだ!!』

『キロランケが彼女に伝えた事は

 ウソじゃあねえだろ!!

 クソマジメに樺太まで連れてきて

 自分達の現状をじかに見て貰おうとしたんだからな!!』

『ぜんぶ覚悟の上で

 アシㇼパちゃんがアイヌを背負いたいというなら

 背負わせりゃあいいだろう!!』

『彼女を自立した相棒として信じればな!!

 お前は!

 元のギラギラした男に戻れるのに!!』

前回、そして二期ラストで「アシㇼパに平和に暮らして欲しい」と強く思った杉元

ですが白石はアシㇼパ自身に選ばせたい

キロランケを尊重したい

彼はアシㇼパが学んでいく様も、キロランケが託そうとした姿も見てきた

何より「不死身の杉元」を見てきた!!

今の杉元を見ていられないのか

見てきた男ならではの凄みだ!!

白石『鶴見中尉がアイヌの事まで考えてくれると本気で思ってるのかよ…!!』

杉元『どういう事だ?』

白石『……オナラでたぁ……』

生憎白石はそこまで言って力尽きた

頑張ったな放屁王!!

さっき月島が言った「目的」にアイヌの幸せなんて一言も入ってなかったからかあ!!

立ち聞きした意義は大きかった!!

鶴見中尉『上陸よぃーい……』

土壇場で迷いが生じた杉元

迷う間もなく中尉上陸へ

このタイミングしかなかったとはいえギリギリ

いつもギリギリで生きてんな!!

元の杉元に戻れという白石

ある意味、彼も杉元劇場を見ていたいのか

今の日和った杉元を見てられない

そして鶴見と月島と違い、彼らは罵り合い横っ面を張り倒せる関係!!

いいダチ公だった!!

次回以降は放送延期へ

公式曰くメインスタッフが11月1日に急死

以降、4期は延期になるとの事

ご冥福をお祈り致します…、なんてこった……

ですがよほど重要なスタッフなのか

この形の延期は初めてに思えます

また、こうやって「放送を休む」判断ができるようになった事はある意味良かった

名前を出さない事も含めスタッフを大事にしてる

そう感じる一件でした

次回、第43話「樺太脱出」

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ゴールデンカムイ 4期 41話 感想[親の呪い]アシㇼパ自問、映像と体験のシネマトグラフ ネタバレ

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