ゴールデンカムイ 4期 41話 感想[親の呪い]アシㇼパ自問、映像と体験のシネマトグラフ ネタバレ

ゴールデンカムイ 第41話「シネマトグラフ」感想

公式あらすじより引用

鶴見中尉が大泊まで来るとの知らせを受け、豊原で待機することになった杉元一行。山でクズリを獲ると意気込むアシㇼパは、その前にお祈りをすると言い出す。“新しいアイヌの女”でありながら儀式を大切にする姿を不思議に思う杉元に対し、自分なりの考えを述べるアシㇼパだが、どうすればアイヌの文化を残せるのか答えを見出せずにいた。

そんな二人の前に活動写真を撮影中という男たちが現れた矢先、樹上からクズリが襲いかかるッ!

クズリは杉元とアシㇼパに倒された。その後、興行主の稲葉からシネマトグラフについて聞かされたアシㇼパは、アイヌの昔話を動きで伝えることを思いつく。稲葉たちを強引に説き伏せた一行はアシㇼパを監督に撮影を行い、芝居小屋を借りて上映会を実施。

映像の最後には稲葉たちが撮影した昔の活動写真が足されており、そこに記録されていた父と母の姿にアシㇼパは目を奪われるが、映写機の出火によりフィルムは焼失してしまった。

その日の夜。活動写真で残すよりも自分たちで大切にする気持ちが大事だと気づいたアシㇼパは、守るためには戦う必要があるのかと自問。杉元はこれに異を唱え、アシㇼパに金塊争奪戦から下りてほしいと語るのだった。

毎週月曜23時 月額有料AmazonPrimeにて配信

公式サイト公式ツイッター(外部)

アイヌの記録を残したい。超監督アシㇼパ奮戦!!

下ネタ満載のアイヌ伝承記録回!!

おかしくないアイヌ!?

からの重すぎる自問に次ぐ説得

体験を通じ、故郷の為に戦おうとするアシㇼパさんの決断が尊い

ですが戦い、人を殺した杉元の説得が悲しい

映像回であり映像では学べないものが描かれた

体験の重さを感じる回でした

体験、想いの大切さ

キロランケとの旅を通じて学んだ

戦ってでも文化を守りたい、文化を残したい想いが強まったアシㇼパ

監督になったのもその為か

ですが「戦った」杉元だから解る

戦う事、人を殺す事はアシㇼパが思うよりずっとずっと後味が悪い

体験してからでは遅い

今回「体験する」大切さを感じる回でした

だからこそ「体験すべきじゃない事が、世の中にはある」とも強調するのが重い

殺人者である杉元ならではでした

初映像化・アシㇼパさんの母

なんと映像記録に十年前の親子の姿

素敵な笑顔と絶妙な変顔、紛れもないアシㇼパさんの母でしたわ

ウイルクとキロランケも懐かしい

今はもう居ない人達とも出会える

映像記録もまた素晴らしい技術

皆の変顔映像チンポ記録も、こうして未来に残ったと思いたいですね

アイヌさん達も下ネタ好きなのね!!

冒頭 杉元一行、樺太・豊原に滞在

鯉登『理由は豊原の方が大きな街で、良い宿があるからだ!!』

久々の杉元一行はしばらく自由行動

宿の質は大事

曰く鶴見中尉自ら、登別で用事を終えた後にこちらに合流するとの事

あのキンタマが入れ替わる温泉ですね

都丹の件の後始末か

キロランケの死に際を見届けていた月島

月島軍曹『アシㇼパは、金塊の暗号を解くカギに気付いたんじゃないのか?』

目ざとくキロランケの安堵に気付いていた月島

尾形にも情報が渡った事を警戒

月島は語学以外に学こそないがそつがない

でなきゃ鶴見中尉の側近は務まらん!!

杉元『俺が話す…、邪魔すんなよ』

アシㇼパさんが尾形に話したはずがないと断言する杉元

ホント尾形キライですね

アシㇼパはかなり尾形好きなんですが

杉元のモノローグ『アシㇼパさんは……』

『まだ鶴見中尉に会った事はないはずだが…

 あんな男に心を開くとは

 全く思えねえからな…』 

もっとも前回の通り、中尉が本気で落とそうとすると手ごわい

鯉登父子はまんまと篭絡されました

ただ杉元は、中尉と敵対し続けた

彼の「人たらし」としての部分に、あまり接する機会がない為でしょうか

中尉を悪鬼羅刹みたいに思ってますな

悪鬼羅刹より酷いですけども

Aパート チカパシの功罪

チカパシ『俺たちは海の向こう(南)から来た

 この人は俺のおじさん』

『金玉が大きい』

それはそれは高く売れそうです

自由行動中に樺太アイヌに怪しまれ、声をかけられた谷垣とチカパシ

チカパシのおかげで事なきを得ました

見た目がスケベですから怪しまれるんですな

おまけに軍服姿ですし

大爆笑して去っていく樺太アイヌ

谷垣『おかげで俺たちは樺太で警戒されずに済んだ』

『毎回あのネタ使うから

 樺太中のアイヌに俺の金玉がデカイと知れてしまったけどな』

谷垣どころか一行をカバーしていたチカパシ

杉元以下強面ですもの

元々チカパシとリュウは、鯉登の荷物箱に密航した予定外の人員でした

ですが決して無駄ではなかった

谷垣は風評被害ですけども

チカパシ『インカラマッ元気になったかなあ?』

第2期ラスト、キロランケに刺され瀕死の重傷を負ったインカラマッちゃん

今は歩けるくらいまで回復したとの事

谷垣も、あの時の「忘れ物」を無事届けることが出来ました

偽家族トリオ、万々歳…!!

谷垣『帰ったらすぐ会いに行こうなっ!!』

エノノカ『チカパシ、帰るの………?』

チカパシ『えっ…?』

しかし全てが元鞘に、と思いきや

やはりチカパシには三期を経て、樺太で新しい「縁」が生まれていた

余談ですがエノノカはCV一ノ瀬加那さん

今期・水星の魔女スレッタ

まさかガンダム主演になろうとは…

アシㇼパさんは残したい

アシㇼパ『おい杉元!! 見ろ、これ』

杉元『ウンコかい?』

ウンコ大好きアシㇼパさん『これ、杉元が言ってたクズリの足跡だろう?』

杉元第一声で何言ってんの

猟師にとってウンコは大事な指標

とまれ、第3期で大活躍したクズリッ!!

あの悲しきモンスター、岩息舞治をも追いつめた狂暴なビーストですね

曰くアシㇼパは出会えていない

帰る前にひと狩りいきたいのか

アシㇼパ『杉元も脳みその味を知りたいよなっ』

杉元『脳ミソの味なんて全部一緒でしょうがッ!!』

アラブ遊牧民族ペドウィン並みに脳みそ大好きアシㇼパさん

自身が脳みそ好きなので、杉元にも脳みそを好きになって欲しい

大事な人に好きなものを好きになって欲しい

素敵ですね

脳ミソの話ですけれども

アシㇼパ『山に入る前に、火を起こしてお祈りしよう』

アイヌの火起こし道具で火を起こすアシㇼパ

火打石で火花を起こし、炭で受け止めて燃えやすい木の皮へと移していく

とても合理的な道具ですな

をつけるのもと苦労

杉元『"新しいアイヌの女"なのに』

『そういう儀式はいつも大切にするんだなあ』

アシㇼパ『山に入ると、いっぱい危険がある』

『こういったものは、気を引き締める効果があるんだと思う』

ただの迷信ではなく、ルーティーンなのだと

アシㇼパなりに儀式を解釈

ガンダムで言うように「古きものの全てが悪しきものではない」のだと

だから受け継いでいきたいんですね

アシㇼパ『…どうすれば残せるんだろう………』

でも文明の発展で、もうこの道具はほぼ使わなくなった

いずれ消えていく

だから文化を保存したい

アシㇼパの大切な、とても難しい命題

現代につながるテーマ

そんな様子を遠巻きに見守る月島

杉元がアシㇼパから聞き出すのを待ってる様子

互いに敵同士だという自覚がある

離合集散は本作の常

人の気配で振り返る月島

月島『ロシアへ帰れ!!』

居たのは同じくアシㇼパを見張っているずきんちゃんでした

紛らわしい!!

彼にすれば尾形につながる大事な手がかり

殺し合いたいから大変ですね

出会いはいつも頭上から

『もう一回、最初からやってみせてくれないか!?』

そんなアシㇼパ達に、興奮気味に声をかけた

曰く活動写真家!!

もうそんな時代なんですね

活動写真家、それに「撮影家」のコンビ

アシㇼパ『なんだそれは?』

言った直後、予兆なしにクズリが出現

活動写真が首筋を狙われた!!

この唐突さが金カムの怖さ!!

クズリはヒグマよりも素早く狂暴、樹上から首を狙うため岩息さえ仕留めかねない難敵でした

クズリ>岩息ッ!!

杉元&アシㇼパ『『出たァーッ?!』』

活動写真家『わ゛ー!? なんだこいつはー!?』

幸いあの時と違い、一撃必殺の毒矢がある!!

すぐに杉元が引っぺがし、アシㇼパさんがターゲットに収めた

やはりいい地獄のコンビネーション

あのクズリを瞬殺!!

強いッ!!

杉元『!? アシㇼパさん後ろ―!!

しかしドリフよろしく、背後からもクズリが出現

アシㇼパさんは振り返ってワンキル

ですが最初のクズリが、アシㇼパさんを標的に捉え猛然と突撃します

クズリの挟み撃ちだドン!!

これは怖い!!

ですが杉元、慌てず狙撃

意外やクズリに命中、撃ち倒す事に成功

クズリは二匹とも地に伏した

杉元の射撃が当たるとは珍しい

活動写真家『す、素晴らしい!! 今の撮ったか!?』

杉元『近付くなッ!! まだ毛が寝ていないッ!!!

獣は「毛が寝る」まで油断してはいけない

実際、杉元が撃った方は健在でした

幸いアシㇼパさんが毒矢で追撃し、二匹とも倒す事に成功

杉元もだいぶ猟師になってきましたな

眼鏡の男は黙々とクランクを回していた

相棒が襲われても、銃撃戦が始まろうとも

なんとも大した肝っ玉でしたわ

じゃあなりすとの鑑ですな

アンタらここで何撮ってたの?

杉元『うーん…、やっぱり一緒の味に感じる……』

こうして哀れクズリはヒンナヒンナ

杉元お気に召さないかー

やっぱ脳みそはバター焼きした方が美味しいんですかねえ

活動写真家『樺太アイヌの狩りを撮影させて貰っていたが…』

曰く活動写真の撮影を行っていた稲葉勝太郎

さっき谷垣達と会ったアイヌと仕事中、彼らとはぐれてしまったとの事

はぐれ撮影家 純情派なんですね

アシㇼパ『それは写真とは違うのか?』

稲葉さん『これは"シネマトグラフ"という撮影機材だ』

略『アイヌ文化をたくさん記録してきた』

曰く写真を連続して撮影する、初期の動画機材

あくまで写真、声は録音できません

開発したフランス・リュミエール社は、スタッフを世界各地に派遣し撮りまくったんだそうな

同行するグラサンダンディがそのスタッフ

撮影技師のジュレール

当時スデにこんなにコンパクトだったのか

とてもアルミューレ・リュミエール

旅館の一室で上映してくれる稲葉

稲葉『日本は、多くの撮影がされているんだよォ~』

オークの撮影が…

黒船来航は、日本の文化を劇的に海外に広げる効果もありました

いわゆるジャポニズム

おかげで多数撮影が行われたらしい

稲葉はリュミエール社から日本での上映権を得た興行主

けっこう大した人物なんですな

チカパシ『うわっ!! 写真が動いてるッ!?』

エノノカ『写真が躍ってるッ?!』

写真ですら珍しい中、活動写真なんてもはや魔法でしょうね

曰くアイヌの映像、仏でもとても評判良かった

樺太アイヌ、撮りたいとの事

また谷垣スケベ写真祭りかと思いきや

アシㇼパ『アイヌの昔話を動きで見せて、活動写真で残そうッ!!』

略『活動写真なら、言葉が違う人たちにも私達の物語が伝わるハズだ!!』

稲葉『私は興行主だよォ?』

なるほど文化を残すにはうってつけの機材!!

文化消えゆくこの時、出会えたのはカムイの導きとさえ思えます

実際にはクズリが要因です

ありがとうクズリッ!!

不死身の杉元『いいから言うこと聞けよ…ッ!!』

『アシㇼパさんに助けられてなきゃ

 今頃クズリの腹ン中だぞ…?

 お前ら恩知らずかッ!!』

さすが杉元と書いてヤクザと読む

曰くアイヌに芝居文化は無い、売れるか判らないからヤダヤダという稲葉

ですが杉元に脅され撮影敢行へ

撮影、安くないでしょうに…

さすが稲葉さん、100人乗っても大丈夫

アシㇼパ監督 パナンペ・ペナンペ物語

アシㇼパ『いつも川下の者パナンペが何かで大儲けして

 羨ましがった川上の者ペナンペが真似をするが

 クズだから失敗する話がほとんどだッ!!』

こぶとり爺さんみたいな話

パナンペ杉元、クズのペナンペはもちろん白石

白石はもしやその化身なのでは…?

かくて全員集合、超監督アシㇼパによる活動写真撮影がクランクインッ!!

やだ皆、カッコイイ……!!

アシㇼパ『ある日、パナンペが川の氷に穴をあけてチンポを入れていた』

パナンペ杉元『いきなり変だぞこの昔話ィッ!?』

するとチンポ周りに魚が集まりどっさり獲れた

おかしいよ魚!?

これには奥さんも大喜び…、奥さん役は女装した鯉登少尉

前回あげんかっこよかっちょに!?

アシㇼパ『おいッ!! 撮影機止めろッ!!』

『冬のひもじい時期に、大量の食糧が手に入った…ッ!!

 そんなときに!!

 お前らはそんな表情をするのかッ!?』

『声が入らないんだから、もっと感情を込めないと伝わらないだろうッ!?』

『代わりはいくらでもいるんだぞッ!!』

いねえよ定期

杉元はともかく、大人しく怒られる鯉登少尉がシュール

このボンボン、まっこと真面目じゃね!!

見守る月島軍曹がもっとシュール

表情が虚無

アシㇼパ『楽しく暮らしているとペナンペがやってきて…』

どうしてか執拗に聞いてきた

パナンペは話してやり「川上の者ペナンペ」は真似したが、欲が強いので一晩も粘ってしまった

それはすごいガッツでは…?

もちろんチンポは凍って抜けなくなった

アシㇼパ『奥さんがマサカリで氷を割ろうとしたが』

『チンポを切り落としてしまった』

なんでそっちを切っちゃうかな!?

奥さん役は月島

胸にたっぷり詰め物をした月島

爆乳月島…、アリですね

アシㇼパ『ペナンペはつまらない死に方をした』

杉元『なんだこの昔話はッ?!』

ごもっとも

確かにつまらない死に方な上、後世にまで語り継がれる始末

これは間違いなく海外で大受け

なるほど「弁士」が、やがて蓄音機が必要となる訳だわ

月島(巨乳)の懸念

アシㇼパ『あの家、邪魔だなッ!! 壊せるか家主に聞いてこいッ!!』

いよいよ興がノッてきたアシㇼパ

撮影用背景を描く頭巾ちゃん

月島は巨乳を揺らしつつ、こんな事していて良いのかと杉元に問います

なんなのそんなに重いの?

杉元『邪魔すんな、って言ったはずだぜ』

杉元はばっさり

月島には「文化を残したい」切実さなんて解らない

価値観の相違

というか事情を知る由もないからか

鯉登『お前、杉元と何を話していた!!』

『出番の多い女役を狙っているなッ?』

狙ってねえよ定期

本当、こっちはこっちで仕事をすぐ忘れますね

三期サーカス回を思い出しますわ

どちらも「文化」か

実に文化的で下ネタ満載ですわゴールデンカムイ

第2話 海岸チンポ物語

アシㇼパ『ある日、パナンペは海岸でチンポを伸ばしていた』

杉元『まずそこがおかしいィッ!?』

アシㇼパ『するとチンポが松前にまで達した』

白石『見切れてンだよロシア人!!』

相変わらず頭巾ちゃんに厳しい白石

チンポは松前城、現・北海道松前町松城にまで到達した

北海道内唯一つの日本式城郭

現代では日本さくら名所100選に選定

アシㇼパ『松前藩の女たちは』

それを見て、良い物干し竿だと着物を干した

さすが北海の女たちは大胆

やがてパナンペは着物を盗んでしまい、大儲けして良い暮らしをした…

パナンペもクズでは?

で、もちろんペナンペも真似

アシㇼパ『すると藩士の妻たちが出てきたが』

『着物を盗む竿だと解っていたので

 刀で斬り落とした』

『ペナンペはつまらない死に方をした』

杉元『毎回最後に死ぬのぉ?!』

まるで荒巻スカルチノフのように静かな死を迎えるペナンペ

色んな意味で愚かな死に様

男子たるものチンポを切り落とせば死ぬのね

或いはチンポがない男子は子を作れない、意味がない的な寓話なのか

時代性を感じ取れるのかもしれません

アシㇼパ『こんな芝居じゃ伝わらない…ッ!!』

文化を残したくて焦るアシㇼパ

別な話にしてみたら?と助言する不死身の杉元

こんな話ですが動機自体は真面目

真面目だからシュール

ナレーション『パナンペ・ペナンペ物語は、ほぼ全て下ネタであるッ!!』

マジかよアイヌも下ネタ好きなのか

やはり下は人々を繋ぐんですね

下は人を繋ぎ世代を繋ぐ

下を切り落とされペナンペが即死したのも納得

チカパシ主演 ケゾラブの身の上話

アシㇼパ『これは三人の兄弟の話だッ!!』

曰く大中小・三人兄弟の日常を、末っ子視点から描くお話

ある日三人の娘がいる家を見つけた

皆で食事しユカラを歌った

そこに怪しい男が現れたが、兄の合図に従い殴ると「大きな熊が化けた」ものだった

また器用な方法で"肉を届けに"きましたな

アシㇼパ『娘たちはとても感謝した!!』

曰く娘だけで、熊を獲れる者がいなかったから

男手のない家だったんですね

当時としては切実

末の娘役、エノノカが可愛いですね

なんせ上の娘は鯉登と月島

『それから長い旅を経て』

『また娘たちの家に寄っていくと

 父親が、娘たちを嫁に貰ってくれという』

そこで主人公、三男が「その家の息子となり」幸せになった

あれ次男は?

とまれ結婚し「たくさん働いた」

単なる幸運でなく、男自身も頑張ったんですね

そしてこの話チカパシには…?

『すると大きい兄は』

『実は自分は人間ではなく、ケソラブという鳥のカムイだったと明かす』

『大きな兄は奇麗な鳥となって

 空高く飛んで行った…』

いい話だけど舞台裏が大変だった!!

鳥に扮したゲンジロちゃんを浮かす為、男手が総動員!!

もちろん鯉登少尉の姿は見えません

あのБарчонок力仕事しねえな!!

チカパシ、谷垣の想い

アシㇼパ『おいチカパシー!! なんだそのポカンとした顔はーッ!!!』

『この場面はなぁ

 身寄りのない主人公を保護して旅に連れて行き

 悪いカムイたちと戦い立派な男に育て

 新しい家族まで持たせてくれた…』

『そんな人との永遠の別れの場面なんだぞッ!?』

『"大きな鳥の落とす涙は雨となり、私たちの頭上に落ちてきた……"』

まさにチカパシと谷垣の関係そのもの

家族を失い厄介者となり、強引に旅にくっついてきたチカパシ

彼の家族となり、勃起を教えてくれた

谷垣はいかに大きな存在

言葉にすると改めて大きい……

『谷垣ニシパ……』

見下ろす谷垣も、見上げるチカパシも「本物」の感情がこもった視線でした

谷垣がいたから今のチカパシがある

ですが着ぐるみが耐えきれず谷垣自由落下!!

全裸で!!

チカパシは素早く避けたッ!!

それとこれとは別!!

アシㇼパ『最高だッ!! 今の撮れたかッ!?』

今のオチのこと!? 表情の事?!

両方ですよね両方ッ!!

超監督アシㇼパデビュー作はこうして順調に撮影されていったと

アシㇼパは得難い経験しとるなあ…

Bパート 芝居小屋を借りて情映会

曰く鯉登少尉がカネ出してくれたんだそうな

前回、鶴見中尉どんが懐柔したのも良く解りますね

立場だけでなく資金的にも頼もしい

おまけに気前もいい

杉元『やだぁ!? キンタマ見えてるじゃーん!?』

そらそうよ

乙女のような恥ずかしがりよう!!

冒頭のたにがきんたまといいキンタマの多い漫画である

だがそこがいい

鯉登『フッ!!』

竿(男根)を斬るシーンでドヤ顔する鯉登

月島が虚無の表情

ぜひこれお父上に見せたいですね

活動写真上でおっぱいを揺らす月島

虚無の表情で見つめる月島

樺太まで来て何やってんでしょうね月島

いご草ちゃんに見せたい

鳥となって自由に飛び回る谷垣

やがてケゾラブ物語

当の谷垣は「二人で楽しそうに見る」チカパシ、エノノカを笑顔で見守っていました

もう谷垣にも予感があるのでしょうね

物語と同じ事になるのだと

『おおーっ!! すっげー!!』

冒頭でクズリッ!! を華麗に射殺す場面も

これは狙撃兵・ずきんちゃんから見てもなかなかのものだったらしい

何度も頷いていました

もうすっかり馴染んでるなこのロシア兵

わぬ映像、10年以上前の活動写真

アシㇼパ『アチャ!?

稲葉『この男性は、深い青い眼の色が印象的だった…』

白石『え?! これがウイルク?!』

鯉登少尉『のっぺらぼうはこんな顔だったのか…!!』

杉元『じゃあ、この隣の女性は…!?』

まさか母の姿を、それも動画で見る事になろうとは

曰く技師ジュレールが似てると気付いた

メルシージュレール…!!

鯉登たちも、皮を剥いだ後の顔しか知らなかったのっぺらぼうに驚きを隠せません

こんな形で記録が残っていたとは

アシㇼパ『明るくて、晴れの日みたいな人だったって……、アチャが…』

『素敵な感じの人だなァ~』

女好き、数々の女を見てきた白石が言うのも面白い

色んな意味でアシㇼパそっくり

きっとヒンナヒンナ言ってただろう表情

う゛ろろぁぁぁぁあ!! と言ってるだろうキサラで叫ぶ姿

彼女が決定的にウイルクを変えたのか

革命闘士兼「父親」へ

稲葉『結婚する為に、日本の戸籍をとると言っていたよ』

当時、生まれた頃のアシㇼパ

それにまさかのキロランケニシパまで!?

皆、もういない人達

写真と動画、技術進歩って本当に素晴らしい…

突然の火事 活動写真の欠点

ナレーション『シネマトグラフの光源は

 アーク灯という火花放電の光を利用するものである上に

 フィルムもニトロセルロースという

 火薬の原料を使用しており

 たびたび火災が起こった』

『その為、歴史的なフィルムの多数が消失してきた…』

現代からすれば起こるべくして起きた事故

ですが当時の技術での「最善」

アシㇼパ両親、母の映像は焼失してしまいます

無論フィルムの退避を促したものの

皆の映像はどうなったのかなあ…

谷垣の映像は…?

独り離れたアシㇼパ、彼女の答え

アシㇼパ『活動写真は素晴らしい技術だけど

 今生きる私達の全てを残すには

 十分なものじゃなかった』

略『アチャが話してくれた母の思い出の方が、体温まで伝わるほど残っている』

『やっぱり自分達で大切にする気持ちがなくては

 残っていかない……』

単に保存性の話だけではない

口伝、アナログな方法こそ意外に「ちゃんと伝わっていく」ものなのだと

これまでのアイヌのやり方「口伝」

それもまた間違いではないのか

『キロランケニシパから色んな民族の生活を見せて貰った』

『北海道にいては知らない事ばかりだった』

『樺太の旅は、それを知る為のものだった』

キロ当人も言ってました、あれはただ懐柔し「暗号を聞き出す為」ではない

アシㇼパ自身に考えて貰う為にやった

その想いは正しく伝わった

父とキロランケの想いは、二人が大切にしたかった想いが伝わったのか

前期の旅は本当、無駄ではありませんでした

無駄なこともたくさんしたけれど!!

無駄じゃあなかった…

アシㇼパ『キロランケニシパやアチャの言う通り……』

『守る為には、戦わればならないのか……』

杉元佐一『それはアシㇼパさんじゃなくたっていいじゃないか…』

怒りで殺気立ち、髪が逆立つ杉元

クズリと同じ

彼の野生的な怒りが伝わる独特な描写でした

本能的とさえ言っていい

アシㇼパ、杉元佐一への疑念

アシㇼパ『ヒンナヒンナして暮らせというのか!!』

略『私はもう、無関係ではいられない』

事は「金塊争奪戦」では済まなくなったというアシㇼパ

奇しくも、二期で杉元が願った事と真逆

当時彼は、ウイルクに「彼女にヒンナヒンナしてて欲しいんだ」と激怒

ですが「出会った頃には戻れない」

体験する事は本当に重い

キロちゃんの想いは伝わってしまった…

杉元『戦うのはアシㇼパさんじゃなくたっていいはずだ…!!』

杉元も第一話時は、"人を殺したくない"アシㇼパさんに抵抗を感じてるよう見えました

当時、人を殺せば地獄行きと彼女は言った

なら俺は特等席だと

そして当時、彼女に「間接的な人殺し」である敵討ちを勧めた

でも今は心底守りたいんですね

今の奇麗な彼女を

アシㇼパ『私の為じゃなくて、自分を救いたいんじゃないのかッ!?

『私の中に、干し柿を食べていた頃のような自分を

 見ているだけじゃないのか!!』

第一話、ずきんちゃんにそう話しているのを聞いてしまったアシㇼパ

膨らんだ疑念を良く伝えました

遅かれ早かれ必要だった

まさか下ネタ回からこんな重い話に…

感情闇鍋ウエスタン…

親の呪い、杉元の想い

杉元佐一『確かにそれもある』

『ウイルクが網走監獄で撃たれる直前なんと言ったか…

 俺はアシㇼパさんに伝えずにいた』

『アシㇼパさんを"山で潜伏し、戦えるように育てた"と…

 俺にそう言った

 "アイヌを導く存在にする"って』

『ウイルクは…、なにも知らないアシㇼパさんを無理やり巻き込んだ』

キロランケも結果的にだが

 自分の命と引き換えに

 戦って守るしかないのだという選択肢へアシㇼパさんを追い込んでしまった

 俺はそれが許せない!!』

『アイヌの先頭に立って死ねと、戦って人を殺せと!』

『アイツら、アシㇼパさんに呪いをかけたようなものじゃないか!!』

アシㇼパさんは二人の想いを受け継いだ

美談、彼女自身の決断でした

ですがそれは呪いだ

暴論ですが、鶴見中尉が鯉登少尉を誘導した事と同じとさえ言えるのかもしれません

何も知らない子供に自発的な決意を促した

決意を「誘導」した

そんな大人が許せないのか

杉元『俺は親になった事なんてないし』

『武人としての親の責任の取り方ってのが

 あるのかもしれないけどよ……』

そう語る時、鯉登少将の姿がクローズアップ

前回軍人として息子を助けないと決断

武人の鑑と称された

ウイルクがアシㇼパを戦わせるのは、"革命家としての責任"を全うする為でもあった

形は違えど同じ事なんですね

ですが親なら、子の幸せを祈ってやれと杉元は言いたい

彼は親になった事はない

ですが「親の気持ち」そのものでした

殺人者・杉元佐一だからこそ

杉元『人を殺せばナントカって地獄に落ちるって言ってたよね

 信心深くないアシㇼパさんは

 それをどう解釈してる?』

『地獄を考えた奴は

 そいつも俺みたいにたくさん人を殺して……

 元の自分に戻れず

 苦しんだのかもしれない』

殺人者だからいえる忠告が重い

殺人者だから宗教の根源に思いを馳せる杉元

もしかしたら地獄を考えた人は、"人を殺すと辛いんだよ"と伝えたかったんじゃないのか?

杉元の忠告が重く優しい

やはり「体験」は重い

『アシㇼパさんは、それをまだ知らずに済んでいる』

『俺は、アシㇼパさんにこの金塊争奪戦から降りて欲しい

 知ってからではもう遅いから』

押して押されてこちらも本音をぶちまけた杉元

アシㇼパは義務感、想いを継ぎたい真っ直ぐな気持ちで「戦う事」を決断した

ですが「殺す」事がどれだけ苦しいか?

アシㇼパさんはまだ知らない

知ってからでは遅い

アシㇼパさんを守りたい

それは彼女に奇麗なままでいて欲しい、杉元の身勝手な想いかもしれない

ですが同じ思いをして欲しくない

その想いも心からの善意

深く深く腹を割った二人、アシㇼパさんの決断は…?

ウイルクの行いに怒った杉元

ですがウイルクの生涯からして、いずれアシㇼパさんが巻き込まれた事は想像に難くない

何より、アシㇼパ自身がそうしようとする事も
充分想像できた気がします

彼は直接「アイヌの為に戦え」とは言ってなかったはず

ただ「戦う力」を与えておいた

彼の先見性、行いもちょっと解る気がしました

次回、第42話「甘い嘘」

ゴールデンカムイ 42話 感想[月島特等席]アシㇼパが"相棒"であるなら ネタバレ

ゴールデンカムイ 4期 感想 2022年10月

ゴールデンカムイ 第37話「あばよロシア」
ゴールデンカムイ 第38話「繭」
ゴールデンカムイ 第39話「硫黄のにおい」
ゴールデンカムイ 第40話「ボンボン」
ゴールデンカムイ 第41話「シネマトグラフ」
ゴールデンカムイ 第42話「甘い嘘」

原作 ゴールデンカムイ 31巻【最終回】