九龍ジェネリックロマンス 第12話 感想[復讐の終わり]今までの夏はそうじゃなかったろ ネタバレ

2025年7月3日

九龍ジェネリックロマンス 第12話 感想

公式あらすじより引用

各々がジェネリック九龍の秘密に迫りつつある中、蛇沼だけは自身の目的を見失い後悔に囚われていた。九龍を調査中のユウロンは、令子がこの九龍の謎を解く手がかりだと考え、令子への接触を図る。ユウロンとの会話により、令子には鯨井Bの死と工藤の過去が突き付けられる。大きく揺らぐ令子だったが、“絶対の自分”であり続けるため、さらに前に進むことを選択していく。

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困る工藤、終わりの始まり

同じ夏を繰り返し続けている九龍

第一話で自我を持った令子

それ以前のループでは、鯨井Bのハンパな複製しかいなかったと確定へ

工藤は鯨井Bを理解できてないからか

複製も中途半端なものでしかなかったんですね

工藤自身、嫌気がさして令子が生まれた?

それとも鯨井Bの想い?

とまれ工藤が揺らぎ、彼が作った九龍も消滅

次々消えていく様はまさに破局

次回、本当のロマンスが始まるのか?

きっと大事なのは「理解」

肝は工藤が鯨井Bを理解できていないこと

視聴者も同様

工藤が鯨井Bの想いを理解するのが大事か

令子が鯨井Bを直視し、追いかけて続けてきた事が活きるんでしょうか

鯨井Bの「人生の賭け」とは?

みゆき、復讐の終わり

九龍ジェネリックロマンス 12話 感想

なんと父親が認知症となり、"みゆきは実子だ"と思い込むようになった

憎い父の救いとなってしまった

復讐に決着か

その後グエンとやりなおし大団円

ユウロンは見守って身を引くのか…?

蛇沼グループ、隠蔽の正体

正体はまさかの風邪薬

大量に飲むと麻薬作用があると判明し回収騒動

しかし九龍だけでは未回収、その体裁の悪さから解体推進していたとの事

案外まともな理由だったじゃんよ……

実際「あるある」な話

実際、若者を中心に普通の風邪薬を大量摂取・疑似ドラッグにする社会問題は存在

結果ドラッグストアなどで規制が実施

関連成分を含む薬は購入数が制限されるように

面倒ですよねアレー

そんな実際の社会問題を反映したネタか

過剰摂取したい為に、東京などでドラッグストアへ大規模な万引きが横行したなんて話も

おかげで店頭に実物を置かなくなった店が

なんだか身近なネタですな

この九龍、鯨井Bの記憶も宿る?

九龍全体が工藤の記憶による産物

彼が作った九龍だと呼称

ただ、令子がメガネ越しに見ている景色は工藤由来とは思えません

死んだ鯨井Bの記憶そのもの?

彼女の記憶もここにあるのか?

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冒頭 在りし日の九龍

回想・楊明『絶対の自分になろうとしてるレコぽんに負けてらんないから!

前回、後悔を捨てて前に進み始めた小黒と楊明

独りになり思い悩む令子

日付は7月14日

毎回8月31日、鯨井Bの命日となるたびにループしている九龍

その「日付」再確認か

囚われたみゆき

回想・みゆきの母『ユウロンくんも来たのね~?

ジェネリック九龍で、母を想うみゆき

幼い日ユウロンが汪診所にラクガキ

汪診所は患者で賑やかで、おそらく金のない母にも寄り添ってくれてました

その皆の居場所、九龍解体を自分が担った

その「後悔」

お母さん美人……

どことなく整形前の楊明と似てますな

余談・作画

最終話を目前に作画班の疲弊を感じる回

特に最終回は手間かかるでしょうし

背景美術の素晴らしさも際立ちますな

みゆき、復讐の終わり

父『いつまでも子ども扱いは良くないな?

 だが、せめて新しい住まいは用意させてくれ

『お前は蛇沼グループの大事な跡取りなのだからな

 ハオラン

みゆき『私はハオランではありません

父『ああ~、あそこがいいな? 明日さっそく見に行こう

みゆき『ですから……!?

回想、香港で父に呼び出されたみゆき

しかし話が噛み合わない

医師曰く認知症だと

この黒幕、人生逃げ切りやがった……!!

この逃げ切り型ウマ男野郎……!!

医師『大旦那様は、昨年から認知症を発症しておられました……』

残酷なのは父の口調があまりに優しかった

あれが「本物」向ける口調

みゆきへの冷たさを再確認させますね

高価そうな壺に八つ当たりするみゆき

みゆき『ふふ……、はは……、はははははは……

壺を壊し、自嘲的に笑うみゆき

いいものだろうにな!?

振り上げた拳のぶつけ先を失った

この壺のように、カネだけはあって「どうなってやっていける」のも虚しさの一つか

何かに打ちこんで誤魔化すことも出来ない

余談ですが

アニメあるある手で顔を覆う仕草

眼鏡のフレームが歪むわ……

まあ買い替えればいいんですが

終わり、そして

みゆきが復讐できず苦しむ姿に、それぞれ動き出すグエンとユウロン

ユウロンはみゆきをとりこんだ九龍調査へ

グエンはみゆき自身の下へ

この対応の差に性格が出ていますね

そして結果報われたのは……

工藤を探すユウロン

店長『ゴルフ、最近やってないなぁ~

 ……あれ?

 最後にやったのいつだっけ?

軽く三年以上も前だと気付けない

気付き始めた

工藤を探し、不動産屋に入って「行動ボード」を素早くチェックしてしまうユウロン

工藤は外回りで特定不可、令子は南燈街と確認

やり方がスマート!

際し支店長、"違和感"に気付き始めてた

ジェネリック消滅への予兆か

店長思った以上にモブキャラな人だった……

ユウロン『!! わざと黙ってたんか?』

みゆき『わざと? そんなわけないだろう!

ユウロン『ま~、自覚ないやろなぁ

みゆき『ン?

ユウロン『みゆき、お前もう取り込まれとるで

 懐かしい、この九龍に

みゆき『……!!

ユウロン『これからどうする気ィや?

みゆき『わからない……

※電話を切るみゆき

ユウロン『わからんことないやろ?

 復讐がなくなったお前に残っとんのは……

『後悔だけや

どこまでもみゆきを深く理解するユウロン

理解してるから守ろうと別行動する

対しグエンはみゆきを知らないと自覚

グエンがみゆきに直接あたるのは、何より「俺は知らない」と自覚的だからでしょうか

もちろん性格が一番のポイントなんでしょうが

小黒と楊明

電話口の楊明『誰だか知らないけど、もう小黒くんに関わらないでよね!

『小黒くんはあなたの言うことなんか聞かないんだから!

『それとレコぽんに手を出すのもやめて!!

良くも悪くも世間知らずな楊明ならでは

我がことのように怒るのが優しい

ユウロン、ダメ元で小黒に連絡とったところ代わりに出た楊明に怒鳴られるの巻

結果、工藤が九龍再生の原因と確信を得ます

ホント賢い

また楊明たちも「後悔」が原因と知った

とはいえ尺的にもう出番は……?

前に進む為に

令子『(小黒くんも絶対の自分になる為に進み始めた……

 私も!!)』

令子は小黒が残した部屋の整理を委託

自分も負けてられないと前進

不動産屋さんらしい仕事してますな

残した服は処分なのかね……

蛇沼グループ、隠蔽の正体

ユウロン『あくまで平和的に……

 散歩がてら情報交換ってのはどうや?

略『ああ~、製造中止になった風邪薬やろ?

略『あれ、副作用で大量に飲むと強烈な幻覚作用が得られてなァ?

令子『鯨井令子はなぜそんな薬を?

ユウロン『それは知らん

ユウロンは令子に接触

言葉巧みに警戒を解き情報交換

例の隠蔽とは、トリップ効果のある風邪薬の回収を九龍で怠った事だと説明

結果風邪薬は九龍内で麻薬として流通

これが鯨井Bの死因か

また鯨井Bは「賭け」をしていた

この薬に何を賭けていたんでしょうね

10話冒頭の回想に出てきた猫

鯨井B『(あの猫……、どこかで?)』

際し令子は、鯨井Bに「人生の賭け」の話をした婆さんの猫を目撃

間違いなく工藤が知らない記憶

本来「ジェネリック」が持つはずない記憶か

また鯨井Bも昔は違った人柄だった

令子はそんな「昔」の人柄なのかね?

視力同様のリセット?

ジェネリックテラの真実

ユウロン『工藤の後悔と共鳴して

 ハリボテやったジェネリックテラが初めて起動したんや

略『人類に永遠の命をもたらすジェネリック・テラ……

『その正体は、記憶の保存は出来ても出力はできひん欠陥品や

 容れ物を用意したところで何もできん

てことは小黒を完全に騙しとったなコイツ!

ホンマみゆきファーストやで

ユウロン、実はジェネテラ開発者の一人

しかし既に制御不能

どころか使い物にならないのだと

というのも記憶バックアップは出来るが、外部へ「記憶の出力」が出来ない

肝心の機能が使えない欠陥品だった!!

本来なら消えているはず

とまれ本来、政府と組んで建造された代物

なのに政府が動かないのも納得ですな

本来は不老不死を実現するシステム

記憶をクローンに複写すれば、新しい体で人生をやり直すことが出来る

そういう類の不老不死

本来の身体は安楽死させるんですかね

試しに薬を購入するユウロン

ババア『カネ入れな

薬は令子の手

これちゃんとお金を投入してたのね

てっきり札の束入れてるのかと

ユウロン『やっぱ死んでくれへん? レコぽん』

略『俺の友達がず~~~っと九龍に囚われとんねん

『もし工藤の後悔が鯨井令子に対するもんなら

 アイツにとってかけがえのない

 アンタが死ぬことで

『九龍も必要のうなって消えるかもしれへんやん?

直接、殺していいかと迫ったユウロン

殺せば九龍が消えるかもしれないと

みゆきが九龍に囚われた、解放するために消してやろうと焦ってたんですな

工藤が原因なら一理ある話

そこまで見越して小黒に依頼してたのか

ユウロン『愛する者の為に命をささげられるんやったら』

『アンタも本望やろう? な?

令子に、愛する工藤の為なら死ぬのも本望だろうと誘いかけたユウロン

長年、みゆきを見てきたからこそか

ただユウロン自身は?

彼も多分「愛」

この後の行動も愛ゆえなんですかね

令子の生き方

令子『私は誰かの為のものじゃありません

 私は私でありたい!

『だから私自身で決めたいんです!

『自分がどこまで出来るのか

 工藤さんをどうしたら救えるのか

 それが出来たら、私が鯨井Bのジェネリックじゃない

『絶対の自分だって証明になると思うから!

ユウロン『言うやん……

『でもそれ、ある意味「賭け」やで?

 最悪、工藤もアンタも救われんかもしれん

令子『自分で選んだ道なら後悔はしません

『だって、それが人生でしょう?

鯨井Bの「賭け」とも繋がるものか?

令子は自分の力で工藤を救いたい

自分でやってこそジェネリックじゃない、本物の「絶対の自分」なんだと主張

ただそれは共倒れになる可能性がある

だから賢いユウロンには新鮮

自分には出来ない選択だと感じたんでしょうか

ユウロン『……勇気あるなあ自分』

『後悔はしません、か……

ユウロンは、常に他者に選択を任せてるから?

そういや小黒にも令子にもそう

彼らしい賢い立ち回り

でもそれは臆病さだと自覚があるのか

令子『……死ぬかと思った……』

全て終わってから尻もちをつく令子

ここまですらすら話してきた

彼女の底力だったか

これぞ火事場のクソ力ってもんですわ

みゆき、汪診所へ

みゆき『……ふふっ

意を決して開けると中はからっぽ

それに昔、ユウロンが書いた落書きもなかった

これは“自分の九龍"じゃあない

そう確信

彼はきっと幻にすがりたかった

でも幻に突っぱねられたか

みゆきを救うもの

グエン『もう一度言う

『俺はみゆきちゃんとのならどこへだって付いていくし

 どこへだって連れて行くよ

『約束する!

みゆき『……道しるべは、光っているもの、か……

直後、グエンが駆けつけみゆきを叱咤

前に言った、どこにでも一緒に行くという言葉で今度こそ彼を救いました

もうみゆきは行きたい場所を失った

しかしグエンが「道しるべ」

幸福へと向かう道しるべとなったか

ずっとみゆきの傍にいる

みゆき、根本的に寂しがり屋なんでしょうか

両性具有、同類がいない人間だから

それで懐かしい九龍に縋り、囚われたのか?

彼は大事な母を失って以来「悪友」ユウロン以外、信頼できる人がいなかったから

そのユウロンも常にそばに居る訳じゃない

みゆき自身が一度突き放したから

グエンの事も突き放した

それでもグエンは戻ってきてくれたからか

陰から二人を見守っていたユウロン

九龍ジェネリックロマンス 12話 感想

何も言わず、クールに立ち去るユウロン

みゆきへの後悔のあまり、ジェネリック九龍に入れてしまうほど熱い関係なのに……

これでみゆきは決着がついたのか?

まだひと悶着か?

みゆきの復讐が終わったと知り、彼を開放すべく九龍を探ったユウロン

真っ直ぐみゆきに向かったグエン

想いを素直にぶつけられるのが眩しい……

ユウロンの勇気

ユウロンもみゆきが大事

でもたぶん、自分でみゆきが大事だと直接言える勇気がなかった

令子のような決断が怖くてできなかった

そんなエピソードだったのか

工藤、思いの言語化

令子『(どうして私だけ、鯨井令子を再現できていないんだろう?)』

略『(工藤さんはここでどうしていくんだろう?)』

『(いつか出ていくのかな?)』

『(それともこのままずっと……?)』

他方、再び「何故」と疑問が止まらぬ令子

たまたま仕事後の工藤を発見

いつも通り仕事していた

その平常運転っぷり、今の状況だと一周回って精神の危うさを感じますね

工藤は「日常」を繰り返したいだけなんだと

今までの夏はそうじゃなかった

工藤『お前さぁ~、今までの夏はそうじゃなかったろ?

『ただの鯨井令子の記号だったろ

『どうしてこの夏のお前はそうなんだ?

令子『そんなの解らないです!?

 私だって……

工藤『俺だって最初は戸惑ったけどよ……、上手くやってたじゃねえか

『つかず離れず、前にも後ろにも進まない

『そんな九龍の夏を繰り返してたろ?

※以上が第一話以前、工藤が初めて「ジェネリック第二九龍」に入って以来の令子

工藤『だけどお前が現れてから

 何かが始まりそうで、何かが終わりそうなんだ

『困るんだよ

令子が訊ねると、工藤は剣呑な雰囲気

令子は第一話から自我を得た

しかしそれまでは、鯨井Bっぽく振舞うだけの人形同然だったのだと

何故変わったかわからない

この九龍を作った工藤にも分からないのだと

何故「令子」は生まれたのか?

工藤の無意識の揺らぎ?

おそらく鯨井Bの記憶から生まれた?

眼鏡は、たぶん工藤が知らない場面も再現

なら鯨井Bの記憶に他ならない

令子の人柄は、Bの記憶が生んだ昔の姿か?

入れ物に本物が宿ったのか?

工藤『ああ……、そうか』

『俺、困ってんだ

工藤、自分は困っていたんだと自覚

おそらく前々から、令子だけに見せてた複雑な表情の正体

あれは困り顔

今、令子への気持ちはそれに尽きる

乗り越える事は出来るのか?

揺らぐ九龍

ユウロン『レコぽん

 アンタは強い

 けど皆アンタと同じように、強くなれるやろか?

『工藤は、そんな君を受け入れられるんやろか?

工藤が悩み始め、九龍は消滅を開始

人も建物も消えていく

令子は残ることが出来るか?

思うに楊明のピアス、小黒のフリル

あれら同様「ここから生まれた本物」であるから残れるんでしょうか

後発ジェネリックではない唯一無二だから

問題は「本物」の想い

多分工藤、鯨井Bの真意を知らなきゃいけない

向き合わなきゃいけない

そこで令子の活動が活きるのか

彼女が調べてきた鯨井Bの行動、その真意が工藤の救いになるのでしょうか

次回、第13話 最終回

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九龍ジェネリックロマンス 感想 2025年4月

※以下サブタイは便宜名です

九龍ジェネリックロマンス 第1話「懐かしの街・九龍城砦」
九龍ジェネリックロマンス 第2話「過去がなかった女、過去を捨てた女」
九龍ジェネリックロマンス 第3話「だから令子は嫌われる」
九龍ジェネリックロマンス 第4話「ジルコニアン」
九龍ジェネリックロマンス 第5話「楊明の好き」
九龍ジェネリックロマンス 第6話「父の望み、みゆきの復讐」
九龍ジェネリックロマンス 第7話「鯨井令子をなんと呼ぶべきか」
九龍ジェネリックロマンス 第8話「どこにもいけない永遠の夏」
九龍ジェネリックロマンス 第9話「鯨井令子は狙われた」
九龍ジェネリックロマンス 第10話「札の下」
九龍ジェネリックロマンス 第11話「この九龍は彼が作った」
九龍ジェネリックロマンス 第12話「復讐の結末」
九龍ジェネリックロマンス 第13話「賭けた女と選んだ女【最終回】」